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部屋探しで迷う理由 1カ月間ヒトの“ゆらぎ”を観察してわかった理想のお部屋の探し方

念願叶って未経験から不動産仲介業を始めてから丸1カ月が経ちました。
お客さまのお部屋探しを手伝う中で、自分の仮説が少し検証できたのでまとめてみようと思います。


条件から部屋探しするのは難しい

私の会社では、お部屋探しを「条件から探すのではなく、暮らし方から探してみませんか?」という提案をしています。
なぜかというと、条件から探すのには限界があると思っていたからです。

1カ月の検証から、やはり条件から探すのには限界があるように思いました。

理想の部屋探しに必要なのは、条件はそこそこに、引っ越し後の暮らし方に合うかどうかだったり、物件情報を見るごとに自分の選択基準を養っていくことが最短最速だ、というのが今のところの結論です。

条件から探すのが難しい理由は、部屋探しの際に以下の3つが起きているからだと考えています。

1.優先順位がゆらぐ
2.感情がゆらぐ
3.目的とゴールがゆらぐ

この記事では、部屋探しをする際に起こるヒトの“ゆらぎ”を観察した結果をまとめました。

条件に100%あう物件はそもそもない

通常、不動産屋に行けば、自分の希望する条件をヒアリングされると思います。
借りる場合も、買う場合も、不動産を探すときは①立地、②予算、③広さの3つが必須条件です。
その上で、ペット可だったり、風呂トイレ別だったり、こだわりの条件を追加していくかたちです。

ですが、 一般的には100%条件にあう物件はほぼ「ない」と言われています。
希望よりもちょっと駅から離れてたり、ちょっと予算オーバーだったり、ちょっと狭かったり、「いいな」と思ってもペット不可だったり…。
不動産サイトでこだわり条件にチェックマークをつけまくると、検索結果が0になるのがいい例です。
普通だったらなにかしら妥協しなければならない、ということです。

それゆえ、自分にとって何が重要か、逆になくても大丈夫なのか。
お部屋探しには条件の優先順位を決めることが必須だと、不動産業を始めた頃の私は思っていました。

そこで私は、暮らし方から探すことは提案しつつも試験的に、お客さまに「家探しで絶対にゆずれない条件3つ」をヒアリングして物件をお探しすることにしました。

条件の優先順位を決めるのが難しい理由

ですが、条件の優先順位を決めるということは非常に難しいことがわかりました。
なぜなら、条件の優先順位はゆらぐし、探している途中で本人でも想定外の条件が出てくるからです。

お客さまのお部屋探しを通して、

  • 絶対に譲れない条件が満たされていたとしても、決められるわけではない

  • 絶対に譲れない条件以外の条件が決め手に影響している

  • ヒアリングの時に口に出した条件とは違う内容が出てくることがある

  • 決め手には、感情や想像が影響を与えている

ということがわかりました。

物件情報は妄想と感情のトリガー

物件情報をさまざま見ていく中で、物件情報ごとに良い・悪い、自分に合う・合わないを判断すると思いますが、そこには思った以上に感情や、未来への想像力が働いているように感じました。

物件情報を見ると、視覚情報で脳が刺激され、何かを思い出したり、想像したり、妄想したりします。それゆえ、ヒアリング当初では思ってもみなかった条件が、次々と出てきます。

ヒトが、他者と話すと思ってもないことを話してしまったり、話しているうちに頭が整理されたりするのと似ている現象だと思われます。

このようなことが物件情報を見たびに繰り返されるので、当然時間が経つにつれ、不動産屋に訪問した当時とは全然違う条件で探すようになったり、最初に考えていた条件には当てはまらない条件の部屋を契約することになったり、ということもよくある話です。

また、「見つからないなぁ」と何日・何カ月も物件情報を浴びていくことで、本来の引っ越しの目的を見失ったり、「あんな暮らしができたらいいなぁ」と楽しく始めたお部屋探しも、次第にストレスになっていったりするのではないでしょうか。

「理想の部屋が見つからない」の真相

ここで、「理想の部屋がない」の意味を改めて考えてみます。
理想の物件は「(物理的に)ない」「見つからない」のではなく、「決められない」ということなのではないでしょうか。
少ないと言われるペット可物件も、最近では非常に増えてきましたので、ないはずはないのです。存在はしています。

理想の部屋探しを邪魔しているのは、自分自身という場合も大いにあると思います(注)。
(私はこれまでなかなか家が決められずに悩んできた身なので耳が痛い…)

引っ越しする目的は何だったか。
引っ越し後にどうなっていたいか。
そういった目的やゴールのイメージが、物件情報をみるたびにゆらいでいく。あるいは、見失ってしまう。

決められない自分、選べない自分が、自分をぐるぐると悩ませ、自分の家探しを邪魔しているような気がします。

(注)あくまで、理由の一つです。
もちろん、住まい選びにさまざまな問題はつきまといます。
外国人入居お断り、高齢者入居お断り、ペット可物件そもそも市場にすくない問題など。
市場の需要に供給がおいついていないという現象が起きているのも事実です。
当社では、ペットと住まいの問題に対し、供給量を増やす、受け入れを増やす体制を整えるなど、さまざまな切り口から取り組んでいく予定です。

理想のお部屋の探し方

前提:理想の物件探しは諦めないで

だからといって、屋根があればどこでもいいというわけではありません。
それに、「比較すると悩むから!」と言って他の物件と比較せず、検索結果1件目にヒットした物件に決めるべき、というわけでもありません。

さらに言いたいのは、理想の家探しは諦めるべきではない、ということです。

住環境は人生に大きく影響します。
「ここにするしかなかった…」と思いながら住み始めた家と、「ここにしてよかった!」と笑顔で住み始めた家とでは、その後の人生が大きく変わってくるはずです。

私は、だれもが理想の暮らしを手に入れ、自分至上最高に楽しい毎日を送って欲しいと切に願っていますし、私はそれをお手伝いたいと思ってお客さまと接しています。
条件だけで探すのは難しいので暮らし方から探すことを提案しているのも、これが理由です。

不動産屋を使い倒す

では、どうやって理想の家探しをするか、です。

現時点の私の考えですが、不動産屋を使い倒すのが一番有効だと思っています。

使い倒し方と言っても、ただ単に「この条件の物件を探しまくってください」と依頼することではありません。なぜその条件を選択しているのか、理由まで話すことが重要です。
そのため、頻繁にコミュニケーションをとれる不動産パートナーを選ぶことがポイントになるでしょう。

不動産屋との効果的なコミュニケーションの仕方

上記のような“ゆらぎ”が発生して当然ということをご自身で理解しつつ、紹介してもらった物件がなぜダメだったか、自分の妄想や感情にどのようなものが浮かんだのか、不動産屋にシェアできるとベストです。
提示された物件情報に、逐一丁寧にフィードバックし会話のキャッチボールするのが、面倒なようで一番の近道な気がします。

不動産屋があなたの感情や理想に一緒に向かってくれるコミュニケーションをとってくれるヒトかどうかも重要です。

欲を言えば、あなたの選択基準を明確にしようとしてくれたり、言葉にできていない感情まで言語化をサポートしてくれるヒト、自分で思ってもみなかった決め手を一緒に探ってくれるヒトだとなおさらよいでしょう。

ぜひ、自分の理想を叶えるために、わがままになってください。

家探しはマイソクと向き合うのではなく、自分と向き合っている

不動産屋でよく見せられるあの物件情報が書かれた図面、業界用語で「マイソク」と言います。
お部屋探しは、マイソクと向き合うのではなく、自分自身と向き合っているのだと思います。
マイソクを見た途端、条件に合う合わないをチェックするだけではなく、自分の暮らし方に合うのか、理想の暮らし方ができるのかを言葉にしてみつつ、自分の動いている感情にも目を向けてみると、お部屋探しの精度もあがっていき、最終的には自分らしく最高にごきげんな暮らしを手に入れられるはずです。
家探しに迷ってしまう方はこれから、自分の暮らし方を基準に家探しを始めてみてはいかがでしょうか。

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こんなことを書いた私本人はどんな不動産屋かというと、当然お客さまに寄り添ったお部屋探しをしています。
大型犬と猫専門ですが、私のスタイルで探して欲しい方がいれば、どなたでもお力になりますのでお気軽にご連絡くださいね。

メール:info[at]ikimonotokurasu.com([at]を@に変えてお送りください)

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