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知らないオバチャンにスタバを奢った社会人1年生

これは就職して1年目、まだ仕事のことなんて、なーんもわからなかった頃の話。

知らないオバチャンにスタバを奢るハメになりました。しかも、めちゃくちゃ甘そうな、一番デカいやつ

いや、何言ってるんだと思うでしょう?

もう、今となっては笑い話。ほんとに自分は、なーんもわかってなかったんだなーと、微笑ましさすら感じる。

だけど、当時のわたしにとっては、ちょっぴり苦い経験でした。

***

その日、わたしは先輩社員たちと、担当していた案件のイベントに立ち合っていました。

とある宣伝のお仕事。モニターさんを募ってイベントに参加してもらい、生の意見を聞く…というもので。

事前に当日の説明をするため、会場近くのスタバで待ち合わせ。ふだんの仕事では接することのないお客さんとの対面に、緊張とワクワクで脳内は大パニック

集合時間が近づき、続々とモニターさんが集まってきます。

わたしが担当したのは、「も〜、めちゃくちゃ楽しみにやってきました!」感が隠し切れていないAさん。

「もなかちゃんも、早くAさんに飲み物聞いて注文してきて」

先輩は、慣れたようすでモニターさんに飲み物を用意していて。

(あっ、そういう感じなんだ!)

あわててAさんに注文を聞くと…

「え〜っ、いいの〜!?じゃあコレ!」

マジか!!一番デカくてすごいやつ!!遠慮がない!

動揺しながらも言われたとおり注文し、支払いを済ませます。

打ち合わせが無事に終わり、イベント自体も大盛り上がり。モニターさんたちも楽しんでいるようでした。

いかにも新入社員です!といった出立ちのわたしに、モニターさんたちは優しく接してくれましたし、最後には「がんばってね〜」と温かいお言葉も。

わたしの人生の中でも、上位に入るぐらい印象的な仕事でした。

イベントとしては、間違いなく大成功!

…だったのですが、後で大失敗を犯していたことに気づきました。

イベントのことで頭がいっぱいで、スタバで領収書をもらい損ねていたんです!

領収書がないものは、もちろん経費にはならず…

ポケットマネーで、たまたまその日出会ったAさんにスタバを奢るという結果に。

「いいんだけど。大金じゃないから、別にいいんだけどさ…」

自分のせいなんだから、仕方がない。だけど、なんだろう、このやり切れない感じは。

仕事で使うお金は、少額だからって、自腹はダメよ

あの日に戻れるなら、社会人1年目のわたしに言ってあげたい。

こうしてわたしは、とりあえず領収書はもらっておくような大人になりました。

それに…自分が先輩だったら、コソッと領収書のことも教えてあげたわ!!くそー先輩めー!

そんな、思い出深い「一番デカくてすごいスタバ代」

あれ、自分じゃ絶対頼まないな…これから頼むこともないだろうから、最初で最後の「一番デカくてすごいやつ」だったかもしれません。

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空豆もなか
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