結局いつ産むのが正解?
さては特急呪物か、高齢出産か?
数ヶ月前に見たXのポスト。20代会社に入ってからすぐ妊娠したら「特級呪物」。特級呪物って何よ?すごくショックを覚えました。さらに、30代前半で産んでも「時短は職場の人に皺寄せがいく」「ワーママはお荷物」と言われ、さらに35歳超えたら高齢出産で「他のママに比べておばあちゃんみたい」「授業参観の時に子供がかわいそう」と言われる始末です。じゃあ一体いつ産んだら「正解」なんですか??と問いたくなりました。
働いている女性にとって、「いつ結婚して」「いつ産むか」「いつ子育てをするか」ってすごく悩ましい問題だと思うんです。会社員をやっていて思うのは、「仕事が楽しい」と感じたりある程度主導権を握れるようになるのはおそらく30代以降だと思うんです。それだと高齢出産と言われる35歳までにあと5年しかない。20代も30代も仕事を頑張りながら、同時進行で婚活もしなくちゃいけない。婚活したところで、自分が産みたいと思う時期までに結婚できるかもわからないわけです。仮に35歳までに結婚できたとしても、パートナーが「まだ父親になりたくない」「DINKS」でいたいと思うかもしれません。妊娠出産は女性一人ではどうにもならない問題です。
【私の場合】新人〜26歳までひたすら修行期間だった
新人のころは、先輩や上司と同行がメインでした。仕事やり方を悪戦苦闘しながら覚えて、商品のことや業界知識を勉強する日々でした。上司や先輩に叱責され、クヨクヨ悩んだり、一人で泣いたりそんなどんよりした毎日が続いていました。土曜日は平日の疲れが取れず夕方まで寝ていることもありました。一人暮らしだったので、土日はもう廃人になってお酒ばかり飲んでいる時もありました。まだ若くてこれといった実績や目立つこともなく、部署異動の希望を聞いてもらえるわけではありません。今置かれた場所で頑張るしかない、今の部署で成果を出すことが目標でした。残業もするし、飲み会もあるし、出張もありました。このまま仕事に忙殺されていたら婚期を逃すと思い、アプリ婚活も頑張っていました。
27〜28歳で転機が来る、異動、結婚…
私の場合、上司ガチャでやっと当たりがやってきたのが27歳でした。上司がキャリア形成に対してめちゃくちゃ前向きで「君は将来何をしたい、そのためには何をするべきか」を一緒に考えて、アドバイスをくれるタイプの人でした。当時の私の職種は営業だったので、とにかく売上を上げる、新商品を売る、数字を作ることが正義でした。不幸にもコロナがやってきます。基本対面で営業をかけに行く仕事だったので、当然お客さんも来てくれるな〜、面談なんてまっぴらごめんといった状況でした。上司は「自己研鑽」「データ分析」「資料作り」を私に課題として与え、コロナで営業実績が作りにくい中、「monakaさんはこんな資料を作りました」「monakaさんはコロナ禍だったけれど、こんな勉強をしていました」と言えるようなサブ実績を一緒に作ってくれました。
そんなこんなで、サブ実績も作りつつ、今までぬるくやっていた仕事に本腰を入れてターゲット先を絞って営業を死ぬ気で頑張りました。なんとか履歴書に描けるような営業実績も作ることができ、手上げ制度を利用して希望していた部署への異動が叶いました。と、同時にお付き合いしていた彼とも結婚しました。(3年くらい付き合っていたので「そろそろ結婚せんのかーい」と圧はかけていました。笑)
希望の部署に異動できたけれど…
希望の部署に異動できたものの、超優秀な先輩たちと仕事をすることになります。ほとんどの先輩が営業出身でコミュニケーション能力抜群、頭脳明晰、社内での立ち回りが上手い人たちでした。私はその真逆。コミュ力もそんなにない、立ち回りも上手くない、たまたま運だけがよかった人です。土地や顧客に縛られた営業活動よりは新しいことだらけで、自分で考えて自分で選択できる幅が広がったので、仕事自体はワクワクするものが多かったです。ただ今までの自分のやり方では通用せず、毎日怒られたり、お小言を言われたりして半ば鬱状態でした。時々、夜夫と近所のスーパー銭湯に行ってサウナに行くのがいい息抜きになっていました。ここの部署で、仕事が一人前になるにはあと何年かかるんだろう、そもそも一人前になるまでここの部署に置いてもらえるのかさえ不明でした。
タイミングに悩みながら妊娠…
希望の部署に異動できて、コロナを経て在宅勤務が多くなり、比較的ワークライフバランスがとりやすくなりました。ただ、仕事ができるorできないでいうと本当にポンコツのまま1年経過してしまい焦りを感じていました。「今妊娠したら職場に迷惑がかかるのでは」という葛藤と「このまま2〜3年妊娠出産を後回しにして授からなかったら?不妊治療になったらどうしよう」という不安の板挟みになっていました。
この時の私は29歳になって、周りは結婚している人もまあまあいて、早い子は第二子もいました。普通は異動して2年〜3年は奉公してから妊娠するのがセオリーなのかと思います。この時の私は、異動先のストレスが最高潮に達していたのと、「もうどうにでもなれ…」という気持ちも相まって、結婚式の後から妊活することにしました。
上司に妊娠の報告をするときは本当に心苦しかったし、上司に何を言われるかわからず心の中で怯えていました。何か問題のあることを言われてもいいようにApple Watchで録音しながらミーティングルームに入りました。結論からいうと「おめでとう」と言われて他には何も言われませんでした。
復職してほぼ社内ニートになった
私は一人目の妊娠から1年ほどで復職しました。いわゆる「保育園の洗礼」を受けて、復職直後は保育園から呼び出しの電話が毎週のように鳴り、急いでお迎えに行く、そして小児科に駆け込む日々でした。時短で復職したので、今までのように残業もできず、あっという間に終業になってしまいました。「子供を産んだらもう今までのようには働けない」ということを実感しつつ、この先のキャリアが全く見えなくなりました。小手先の努力やパフォーマンスだけでは通用せず、子育てをしながら自分を追い込み、超効率化しないといけないことを思い知らされました。
同じ部署に、私が一人目の産休に入るのと入れ替わりで戻ってきた先輩がいます。彼女は今年平社員から一個上のポジションに昇格しました。彼女は外資から転職してきた人でしたが、転職して数年経ったあとに妊娠出産、育休をとっていました。復職してからは、フルタイムで戻り家族の協力や上司の理解を得ながらうまいこと仕事を回していました。
私と同じように子供の体調不良で突然早退したり、遠方への出張を断っているのに、彼女だけ上司や同僚に認められて、どんどんステップアップしているように見えました。なんとなく贔屓されているように見えて、いつも彼女はずるいなと思っていました。私がどんなに羨んでも、あの人はずるいと思っていても何も変わらないので、表面的には友好的に接するように努力していました。
私が時短だったこともあり、その先輩に仕事をかなり巻き取られて、出張もなくなりほぼ社内ニートになっていました。毎日雑用をしたり、今すぐ必要ではないけどこの先役に立ちそうな資料を読んでまとめたりと、とりあえず作業をして時間を凌ぐ日々でした。一人目を妊娠する前にもっと働いて、今の部署に奉公してから妊娠すれば変わっていたのかもしれませんが、後の祭りです。
PCOSの診断、第二子妊娠
異常な汗と、イライラと不安など、産後の不調が続いていたので、婦人科を受診しました。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と診断されました。エコーで見ると卵巣の周りに小さいつぶつぶがくっついていました。前回のようにスムーズに妊娠できるかわからない、不妊治療が必要な場合があることを医師から言われました。自分は至って健康で妊活したらすぐ妊娠できるものだと思い込んでいたので、青天の霹靂でした。
「二人目妊娠」が仲の良かったママ友や保育園ママからも聞こえてくるようになりました。受験や奨学金などの面、子育ての負担を考えて、2歳差で授かりたいという思いが強くなってきました。夫ともよく相談して第二子の妊活を始めました。当時はPCOSと言われてかなり焦っていたのもありました。予想外に数ヶ月後にすんなり妊娠して、通院していた婦人科の先生も驚いていました。二人目の妊娠も一人目と同様かそれよりも酷いつわりがありました。それでも遠方の出張、面談も行きました。自分なりに無理をしてでもこの部署にしがみつこうとしていました。
まとめ…「子持ち様」とその子供たちがこれからの社会を支えていく。そして、学校の性教育を変えてほしい。
そんなこんなで二人目の臨月を迎えています。仕事の悩みや不安から今は解放されて、二人目の出産も近づいてきているので、とても幸せで精神の安定を感じます。
ただ復職のことを考えると憂鬱で、まず保育園に入れるのか、子供二人を抱えながら仕事ができるのか、不安でいっぱいになります。復職時にフルタイムで戻るか、時短にするのかそれも悩みどころの一つです。
話は少し変わりますが、今年も出生率は過去最低になるそうです。私の周りは年齢的なこともありベビーラッシュで、赤ちゃんがいる友達や同期がたくさんいます。専業主婦になる人はおらず、みんな働きながら子育てをしています。
我々のような子育て世代やワーママが、冒頭のように「特級呪物」とか「子持ち様」などと言われているうちはこのまま出生率は下がる一方かと思います。社会保険料増額、税金、物価高が現役世代に重くのしかかっています。育休や保育園の制度が整ってきたとはいえ、働きながら子育てをするのは昭和の時代よりも大変です。
我々のような働きながら子育てをしている人たちのことを、「特級呪物」や「子持ち様」と揶揄する人たちには、私たちの子供らが将来生み出す労働力、税金や社会保障制度をどうか利用しないでほしいですね。いっそどっかの無人島にでも、子供嫌い村、ワーママ嫌い村を作ってそこから一生出ないで自給自足で、国の社会保障制度も使わずに元気に暮らしていただきたいです。(苦笑)
こういう人たちも、自分も昔は子供だったこと、多くの人に支えられて大人になったことをちゃんと思い出してほしいです…
最後に、学校の性教育にひとこと言いたいと思います。
保健体育の授業をみなさん受けてきたと思います。先生たちも小恥ずかしいだろうし、早くこのコーナーを終わりたい、さらっと流したいと思っているのだろうなと思います。「SEXをしたら妊娠する」「ちゃんと避妊具をつけて避妊しよう」とか「性病に気をつけよう」ぐらいの話で終わったと思います。実際はそんなことよりも、「女性には妊娠できるタイムリミットがあって、それを逆算しながら生きないといけない」ことをもっと強く伝えるべきだと思います。女性も働くことが当たり前になっていく中で、単純な生殖の仕組みだけでなく、時間軸を意識させるような性教育をしてほしいと思いました。
妊娠出産のタイムリミットの話は、何も女性のことではないのです。男性にも知っておいてほしいです。男性だけが、アラフォーやアラフィフになっても生殖能力があって子供を作ることができると思われがちですが、男性にも男性特有の不妊症状があります。また高齢になると生まれてくる子供に色々リスクがあります。このことも学校の性教育で伝えるべきだと思います。
下記は妊活や高齢出産について、高校生、大学生に読んでほしいと思う本です。実際手にとるのは30代の女性が多いかもしれませんが、男女ともにご興味ある方はご覧になってみてください。
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