実写ドラマ「推しの子」

※ネタバレあり

総評

個人的には「なるほど、100点」といったところ。
漫画原作の再現度だけを考えれば正直30点くらいだが、別のアプローチで新たな価値を生み出している。原作以上のリアルさを感じる部分が多かった。


漫画原作の再現度について

キャラ再現度が高いと感じたのはアクアとかなちゃんだけ。その他のキャラクターには以下のような違和感を抱いた:

  • みやこさん:原作のような控えめさがなく、出しゃばり気味。

  • ルビー:前世を感じさせる振る舞いが全くない。

  • あかね:天才というより「ただの真面目」。

  • MEMちょ:気配り上手な部分が薄い。

  • アビ子先生:原作の面影がなく、キャラが崩壊。

ストーリーも飛び飛びで、展開の都合上ゴリ押し感が目立つ。特にアビ子先生とGOAさんの部分は、無茶苦茶に感じた。原作を知らない視聴者にはわかりにくい構成で、「本当に原作を読んだの?」と問いたくなる再現度だった。


だが評価基準がそもそも違う

ドラマ版は漫画の「子」ではなく、「兄弟」のような作品。
原作が描いていた芸能界の暗部や葛藤を、漫画的なキャラクター造形ではなく、演者のリアリティで表現している。

アニメ版が漫画を忠実に映像化した120点の作品だとするなら、ドラマ版は原作のテーマを別の形で表現するドキュメンタリー的な作品。以下のような意図を感じた:

  • 漫画キャラクターを「作る」のではなく、テーマに共感できる演者を「探す」アプローチ。

  • フィクションとしての枠を越え、「実在感」を重視した表現。

視聴者にとっての興味は、作品そのものというより演者の背景や感情に移る。演者たちが役をどう感じ、どう演じたのかに焦点が当たるのが独特だ。


印象的だったポイント

  • 演者の感情
    特にアイ役の方のインタビューでは、並々ならぬ葛藤と緊張が見て取れた。どんな思いで演じたのか知りたいが、公表されているのはワールドプレミアのインタビュー程度。こういった裏話がもっと聞ければ、作品としてさらに深みが出そうだ。

  • メタ的な演出と小ネタ

    • 「天照大御神のシーンがカットされた」とか、「赤ん坊にオタ芸やらせるのはCGでも無理」などのメタ発言は笑えた。

    • 東京ブレイドのシーンでかなちゃんとあかねが真顔で踊る謎ダンスがシュール。

    • アイとMEMちょ、志田未来のビジュアルがひたすら良い。


まとめ

総じて満足度は高い。漫画とは別物として楽しむべき作品であり、むしろこの違いを楽しめる人にこそお勧めしたい。

ドラマ版ならではの結末や、演者の背景を掘り下げたインタビューなどが今後公開されれば、さらに面白さが増すだろう。続編にも大いに期待!




(ちょっと試みとして、以上がChatGPTで以下が原文です。両方載せてみます)

 寝る前にドラマ版「推しの子」を観ようとして途中で辞められず、結局朝まで一気見してしまった。
 その感想を書いていく。当然ネタバレ有り有りなのでご注意されたし。
 総評としては個人的には「成程100点」って感じ。「原作」再現度はむしろ漫画より高く感じた。

 まず最初に、正直漫画原作の実写映像化という点では正直30点くらいである。
 キャラ再現度高いと思えたのはアクアとかなちゃんくらいで、他は正直別物。演技がどうこう以前に、それこそ「ウチの子はこんなことしない!」ばっかり。
 みやこさんはこんなライブ感で出しゃばらない。ルビーの振る舞いにカケラも前世を感じない。あかねは天才じゃなくてただの真面目じゃん。気配り上手なMEMちょはどこ? アビ子先生なんて面影皆無じゃん!
 ストーリーも飛び飛びだし、マジで展開の都合上の皺寄せでなんか経緯がゴリ押しに見えるところ多数。アビ子先生とGOAさんの所なんてもう無茶苦茶よ。というかこんなの漫画の前提知識が全部入ってないと話の流れ分からんでしょ。
 「本当に漫画原作読んだんですか?」って聞かれかねない再現度だったが、多分間違いなくこの脚本は赤坂アカ先生の手が滅茶苦茶入ってる。複数の意味で原作者じゃないと変えられない変更点ばかりだったからだ。

 結局の所、ドラマ版は漫画の「子」作品ではなく、同じ「リアル」から生まれた「兄弟」作品というのに尽きる。
 漫画の時点で、現実の芸能界の裏に秘されたダークな部分や葛藤、ディスコミュニケーションを描くのがテーマだった。それを漫画に落とし込んで(最後あんな感じになったが)エンタメとして面白くしたのが漫画で、漫画原作を映像化するというのを120点満点で成したのがアニメだ。
 一方で実写化するにあたって、漫画のようにキャラクター造形を漫画映えする形に「作る」のではなく、描きたかった人生を背負った演者を「探す」というアプローチに切り替えたのだろう。
 「漫画のキャラなんて用いなくてもほら、ここに張本人がいるじゃないか」ってな具合で。
 一定、漫画というフィクションであることをぼかさなければならなかった一線を、実写化の名のもとに踏み越えてきた。

 「現在や過去の実在の人物または団体の名前、特徴、若しくは歴史との類似性または同一性は完全に偶然であり、意図したものではありません」

 なんてよく言ったものだ。
 視聴者はもう漫画やアニメでストーリーを把握している前提でストーリーテリングを切り捨て、演者本人が実際に感じてきた感情をどうスクリーンに乗せるのかだけにフォーカスした。
 そういう意味で、漫画「推しの子」の実写化という点では30点くらいだが、一種のドキュメンタリーとして見るには100点満点、というのが個人的感想である。
 見て興味を持つのは推しの子という作品ではなく、演者自身のプロフィールや人柄なのが特徴だろう。

 そう、だから願わくば演者達がどんな気持ちでそれぞれの役を演じたのかを知りたいのだが、まぁワールドプレミアのインタビューくらいしか公表はされてないわけで。
 この作品においてだけは演者本人の感想がノイズどころか、むしろそのピースが揃ってこそ完成する気がするのだが、難しいのだろうなぁ。ワンチャン公開後1週間とかでインタビュー上げてくれないだろうか。
 特にアイ役の人なんて、本当にどんな気持ちで演ってたんだろうか。並々ならぬ葛藤と緊張が見て取れたが、流石にアイドルとしてアイに共感したなんて言えないだろうからなぁ。

 なんにせよ僕としては大満足だし、続きがどうなるのか気になる。
 そもそもTRPGと同じで凡そのストーリーラインこそパクっているものの、キャラクターが変われば物語も変わる系の作品なので、漫画と別の結末を迎えてもおかしくないと思うし。
 小ネタとしてルビーがなんで手元にあるのか重曹ちゃん持ってたり、「天照大御神名乗るとこ好きだったんだけどな」「赤ん坊にオタ芸やらせるのはCGでも無理だよ」とかメタ発言してたり、東京ブレイドの最後かなちゃんとあかねが真顔で謎ダンス踊ってたのシュール過ぎたり、アイとMEMちょと志田未来の顔が良かったり、そういう細かい所も中々面白かった。

 以上、感想でした。


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