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シン・ニホン

AI×データ時代における日本の再生と人材育成 | 安宅和人

これが日本の今の現実

現在の世界経済を牛耳る分野はいずれも ICT(:Information and Communication Technology)に関わるもの。SNS、EC、検索、チャット。日本の経済成長を引っ張ってきたハードウェアの分野ではない、そもそも技術革新・産業革新の中心が変わった。今の日本はデータ、利活用、処理力、人、いずれの視点でも勝負にならないレベルにある。これが現実。

一旦落ち着こう。そもそも、この国は技術・産業革新をゼロベースで立ち上げたことは、歴史上、一度もない。

蒸気機関車、電気の発見といった、「新エネルギーや技術の発見」を日本がしたことはない。これらの技術を、新幹線、家電、パソコンといった高度な応用により発展させることこそが、この国の真骨頂。今、AI、SNSなど、様々なICTに関わる新技術が立ち上がる「フェーズ1」の段階は既に過ぎている。新技術を如何に高度に発展させるか。ここからが日本の力の見せ所だ。

貴重な人材とは。その「モノサシ」が変わる。

今まで・・

・みんなが走る、決められた競争(試験・就職)で強い人。

・科学、工学、法律、医学など個別領域の専門家

・自分でなんでもできる人

これから・・

・あまり多くの人が目指さない領域のいくつかでやばい人

・夢を描き、複数の領域をつないで形にする人(課題×技術×デザイン)

・どんな話題でも、自分が頼れるすごい人を知っている人

→技術や課題をつなぎ合わせ、新しい価値を作れる人、その夢が描ける人になると良い!「空気を読む人」でなく、「真の、芯の課題とは何か」を考えて捉える人になるべき。

過去でなく、未来に投資できる日本にしたい!

GDP世界第3位の国にも関わらず、投じられている科学技術費の額はアメリカ、中国と比べてダントツレベルに低いそうだ。(2016年のGDP比は日米で3.8倍、日中で2.3倍だが、科学技術予算はそれぞれ4.7倍、3.7倍でめちゃめちゃ開きがある)未来でなく、年配者への手当を始めとした「過去への投資」が根付いているらしい。それも、年配者への投資をゼロにするなどということではなく、「ちょっとだけ配分を変え」ればかなりの課題が前向きに進むようだ。(社会保障給付費年間120兆円に対しての2%ほど、2兆円のリソースが確保できればと本書には書いてあった)

未来に投資しなければ、この国の未来だって暗い。未来に投資できる国にしたい!



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