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マチルダ〜相応しくないVS正しくない〜

今日は舞台が観たい!と猛烈に思った日があり、2時間前に当日引換券で突撃してたのですが、正解でした❣️
キャスケは以下の通り↓

大貫さんトランチブル回!✨


1.マチルダ

主人公マチルダですが、本好きの人なら共感する部分があるのではないでしょうか。私自身、地方出身で他に大した娯楽がなかったため本の虫だった幼少期の自分と重ねてしまうところがありました😌
そうなることがわかっていたので、観劇後の自分のメンタルがどう転ぶか分からず、観劇を躊躇っていました……

普段自分が好んで観る種類の作品ではないのですが、観てよかったとしみじみ思います

元々入学時点で最高学年と同等の知能を有している彼女ですが、終盤では「自分の見ている赤と他人の見ている赤は同定できない」クオリアの問題にまで思考が及んでいるのは、目を見張るものがありました


2.トランチブル校長

体育会系で規律(discipline )が守られることを至上とする全体主義者、とまでは言わないものの学校の独裁者🏫
ギチギチの刑は想像したくもないです😨

ハニー先生が校長室になかなか入れないシーンはわかるわかる!と共感の嵐
昔塾講師のアルバイトをしていた時期があったのですが、教室長に話しかけ行く際は、不機嫌じゃないかとかこの質問は無能だと思われないかとか私もヒヤヒヤしてました🥶

音楽面では、トランチブル校長と重低音の相性◎


3.ワームウッド夫妻


いわゆるマイルドヤンキー夫婦

毒親とはまた違うけどこういう親もいるよね〜と割とリアリティ感じました


誇張してコメディタッチに描かれることでグロさを軽減してます
これは同じくマチルダをいじめるトランチブル校長の描かれ方ともよく似てます

写実主義ではなく
演出や舞台美術を大がかりなものにしてファンタジーチックな世界として見せることで現実味を持たせる

ことで、大人が子供をいじめる惨虐性に襲われながらもギリギリ胃もたれしないライン、というものが保たれていたように思います

うわぁと思うことは多々あったけど目を背けたくはならなかった

4.ハニー先生とストーリーインストーリー


なんだかんだハニー先生に一番共感しました🍯

序盤からマチルダが図書館のおばさんに物語る場面が度々挿入されます
物語はよくできているのですが、その話をする意図が掴めずにいました
ところが2幕中盤、ハニー先生とマチルダの交流の中で、突如その物語の意味が明らかになっていきます

初見でよかったランキング堂々の第1位🥇
マチルダとハニー先生を重ね合わせずにはいられなくなります!!!!!


この場面は個人的には鳥肌もので、そういうことだったのか!!!!と舞台に惹きつけられました


また、第1幕である男の子がチョコレートケーキをつまみ食いした罰として、チョコレートケーキをワンホール食べ切るという罰が科されます。
彼が見事食べ切りトランチブル校長に勝ったとき、普段は穏やかで優しいハニー先生が我も忘れんばかりの喜びようを見せます


少し笑いも起きるようなシーンだったのですが、先ほどの場面を見た後だと、彼女がなぜあれ程子供っぽい喜び方をしていたのか得心がいきました


とにかくこの場面は、ちょくちょく差し挟まっていた脳内の疑問符が一気に解消された気がして、ある種のカタルシスを感じました……


5.相応しくないVS正しくない


マチルダは終始ワームウッド両親やトランチブル校長の悪行を「正しくない!」と一喝します


一方でミスター・ワームウッドは、マチルダが誕生した時からずっと息子であれば良かったと思い続け、マチルダのことを「坊主」と呼び続けます
これをマチルダは「私は女の子よ!」と必ず抗議するのが可哀想で胸に来る
ミスター・ワームウッドにとってマチルダは
「女の子として生まれてきた」というだけで相応しくない存在
なのです
※最後にちょっとだけ救いはあります


ミセス・ワームウッドは、女の子は髪やメイクに興味を持って本なんか読まないの!と強くマチルダを非難します
ダンスに熱中する彼女の生き方からすると
地味な服を着て本を読んで読んで考えてばかりいるマチルダやハニー先生は「女として相応しくない」
振る舞いをしているように見えるのでしょう


トランチブル校長は、体育教育こそ教育の基本だと考え、ハニー先生が読み書きや計算がとんでもなくできる生徒がいることを伝えても、相手にしてくれません
「彼の教育理念にそぐわない生徒=無能」
という烙印をいとも容易く押します

また、トランチブル校長もミセス・ワームウッドも「知った被り」は見苦しいといった趣旨のことを何度か口にします

幼いマチルダの知性を口から出まかせだと言えてしまう彼らは、自分の価値観にとって相応しいか否か、という尺度でしか物事を捉えられていないことが分かります

しかしマチルダは、曇りなき目で何が正しいかを大人達に問います

その幼さを眩しく感じてしまうような凝り固まった大人に自分もなってしまいましたが、もっと純粋に物事を見られていた頃を思い出させてもらいました

ありがとう、マチルダ💌

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