介護保険を使ってバリアフリー化する手順
webライターのtaeです。
94歳の義理の祖母を在宅介護しながら、介護する中で得た知識や体験を通して感じたことなどを発信しています。
今回は、「自宅をバリアフリー化したい」「介護保険を使った住宅改修の手順が知りたい」そんな方に向けて、少し堅苦しいお話をしていきます。
介護をするにあたり、バリアフリー化を目指した住宅改修(リフォーム)を考える人も多いのではないでしょうか。
自宅をバリアフリー化するには、大きく分けて以下の2つの方法があります。
①介護保険を使う
②自治体の補助金を使う
昔、住環境コーディネーターの仕事してたときに、
介護保険を使った住宅改修をするための書類を作ってたんですけど、
その知識を呼び起こして、ここでは介護保険を使った改修についてお話していきます。
介護保険を使った住宅改修って?
介護保険を使った住宅改修の特徴といえば、
限度額が決まっている
改修内容が限られている
手続きが必要のため工事までに時間がかかる
と、こうやって書くとあまりいい印象を受けませんが、介護保険を使うことで1割負担で工事できるのは非常に大きなメリットです。
介護保険を使った住宅改修の限度額と改修内容
介護保険を使った住宅改修は基本的に費用の1割負担で行えます。介護保険を使った住宅改修の限度額は20万円。ただし、20万円以内なら無料でできるという意味ではありません。
例えば、20万円の改修を行った場合、20万円の9割18万円が支給され、1割の20,000円が自己負担ということになります。つまり、最大支給額は18万円(20万円の9割)という意味なので間違わないようにしましょう。要支援・要介護に関わらず一律です。
介護保険を使った住宅改修の改修内容
介護保険を使って改修できるのは次の箇所のみです。
・手すりの取り付け
・段差の解消
・扉の取り替え
・床や通路の材料の変更
・便器の取り替え
・工事に付帯して必要な改修
意外と少ない印象ですが、段差・手すり・建具・トイレなど、介護が始まってすぐに問題になる箇所が網羅されています。
例えば、手すりの取り付け。介護認定が下りる最初の段階は、足腰が弱くなり転倒のリスクが高まったときです。平らな場所でも転びやすくなります。手すりを付けることで、支えながら歩行できるので普段の生活を維持しやすくなります。
また、トイレの取り換えも依頼の多い工事です。高齢者が住んでいる家屋ではまだまだ和式トイレも多く、しゃがむ動作が難しくなります。洋式トイレに取り換えつつ手すりもつけたいという要望があります。
住宅改修を依頼する流れ
介護保険を使って住宅改修するためには、段階を踏んで手続する必要があります。流れを確認しておきましょう。
①ケアマネに相談する
窓口になるのはケアマネージャ―さんです。顔見知りの住宅改修業者がいたとしても、まず相談するのはケアマネジャーさんなのでお間違いなく。介護される方がどんな状況でどんな改修が必要かを一緒に考えてみましょう!
②住宅改修業者と住宅改修プラン(理由書)を作成する
ケアマネジャーさんと改修業者を交えて改修プランを立てます。(私もこの理由書や申請書類を作る仕事をしていました!)最終的にどんな生活がしたいのかなども含めて、適切な改修プランを作ってもらいましょう!
③申請書類の提出する
必要書類を市・区役所の所定の窓口に提出します。自治体によって書類が異なる場合があるので、詳しくは自治体のHPやケアマネジャーさんに確認してみてください。
一般的には以下のような書類が必要です。
・住宅改修費支給申請書
・住宅改修が必要な理由書
・工事費見積書(複数の住宅改修事業者から選定した見積書)
・完成予定の状態がわかるもの
【注意点】事前申請の場合、役所からの結果通知が届くまで工事を開始してはいけません。保険対象外になってしまいます!
事後申請もできますが、今回は事前申請の流れを説明しています。
④結果通知が届く
住宅改修の支給申請書類を提出したら、審査結果の通知が届くまで待ちましょう。審査に通過してはじめて着工する準備ができたことになります。
⑤着工
結果通知が届いたら着工できます。②で作成した住宅改修プラン通りに工事が進んでいるかを確認しながら、完成を待ちましょう。
バリアフリーには程遠い?
ここまで見ていただいてどう思われたでしょうか?
介護保険を利用した改修は原則1人1回と決まっています。介護保険だけでバリアフリー化を進めるには不十分でしょう。
ただ、介護度のそれほど高くない人にとっては、悩みが解消する可能性もあります。手続きに時間がかかるので、早急に工事が必要な場合は、完成時期を見越して早めの申請が必要です。
また、冒頭でもお伝えした通り、自治体によっては介護リフォームに関する助成制度がある場合もあります。こちらも上限があったり対象者が決まっていたりするので、一度調べてみてもいいかもしれませんね。
住宅改修について興味があれば、ケアマネさんに相談してみましょう!
住宅改修って、言葉で聞くとすごく大がかりな印象を受けますし、家の中を工事するとなると身構えてしまいますよね。
ですが、介護保険でできる範囲の改修はそれほど長時間の工事ではありません。「手すりを付けた方が安心だな」「和式のトイレじゃ難しくなってきたよ」「スロープを付けたら車いすの移動が楽になりそう」そんな風に感じたら、気軽にケアマネさんに相談してみましょう!
住宅改修以外のアイディアももらえるかもしれません。介護される側も介護する側も、どちらにとっても安心安全な方法が一番です。
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