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介護される側の葛藤を見逃してはいけない

※今回お話する内容は、
介護者を責めているわけでは
決してないことを
最初に言っておきます。ペコリ


介護していると、
どうしても「してあげている」っていう意識に
なりやすいと思うんですよね。

いや、ほんと、
介護ってやっぱり並大抵の覚悟でできることじゃないし、
すごく大変で思い悩む人も多い。

だからこそ
「こんなにしてあげてるのに!」
って感じてしまうことって
結構あると思うんです。

これは、ある意味
当たり前の感情で
起こらない方が稀なんじゃないかな。

よく子どもにね、
「言うこと聞かないと置いてくよ!」
って言いそうになるんだけど
これって専門家からすると
良くないって言われる。

こういう脅し文句って、
結局は大人が
「子どもは大人に言われたとおりにするべき」
っていう意識があるからなんだよね。

それと同じで
介護者はつい
「もう○○してあげないよ」
って言っちゃいそうになる。

してあげてる側の立ち位置が
上だって意識になっちゃうから。

例えば、トイレ。
たぶん、介護で悩むことベスト3に入ると思う。

何度言っても失敗するとか。
何度きれいにしても
維持できないとか。

「なんでポータブルを使ってって言ったのに
トイレに行こうとするの?
もう失敗しても洗濯してあげないよ!」

「どうして自分で処理しようとするの?
汚れが広がるから辞めてって言ったよね?」

イライラする気持ち
とっても良く分かるんだよね。

自分の生活もあるから
ずっと構ってるわけにいかないのに
結構時間を取られちゃうからね。


ただ、
いったんイライラを置いておいて
考えてみてほしいんです。

介護されている側のキモチ。


入院中に感じてた「なんか、すみません」

私はありがたいことに
入院した経験って
出産のときくらいなんだけど、
その時のキモチを思い出してみると
いつも
「なんか、すみません」
って思ってた気がする。

別に悪いことしてるわけじゃないんだけど、
ご飯を持ってきてもらって
「なんか、すみません」

沐浴のやり方教えてもらって
「なんか、すみません」

夜中泣いててあまり眠れなかったから
預かってもらって
「なんか、すみません」

そんな感じで
よく分からない
申し訳なさがずっとあった気がしてて。

退院するときに、
心底お世話になりましたm(__)m
(なんか、すみませんでした)
って伝えた記憶がある。


何が言いたいかっていうと、
介護される側って
いつも
そんな感じなんだと思うんだよね。

たぶん、
自分でやりたいんだよ、ほんとは。
でもできなくて。
うまくやりたいんだけど、
でもできなくて。

今まで難なくできてたことが
少しずつ
少しずつ減ってくる。

助けてもらわなければ
できないことが
どんどん
どんどん増えてくる。

想像するしかできないけど
それってかなりつらいと思うんだ。


施設に預ける選択肢~実は幸せかもよ~

ついこの前、
友だちのご実家の話を聞いたんだけど
友だちのおうちにも
おばあちゃんがいて
お母さんが在宅で介護してたんだって。

お母さんも一生懸命介護をしていたみたいだけど
働きながらの介護は
やっぱりストレスが多かったみたい。

おばあちゃんも、
介護されるのがしんどくなって
「早くお迎えがこないかな」
って言うことが多くなっていったらしい。

在宅介護から数年後、
友だちの両親は
おばあちゃんを老人ホームへ入所させた。

そしたら
どうなったと思う?

友だち曰く、
おばあちゃん、
よく笑うようになって
家にいたときよりも
元気になったらしい。

友だちの父親(おばあちゃんからすると息子だね)も
おばあちゃんが家にいたときは
「ただいま」
くらいの会話しかしなかったのに
毎週末会いに行っては
しばらくお話して帰ってくるようになったんだって。

友だちが言ってた。
「うちの場合は
デメリットは一個もなかった。」
って。

もうおばあちゃんは亡くなってしまったけれど、
両親も全く後悔してない。
預けてよかったよねって言ってるんだそう。


友だちのおばあちゃんの本当のキモチは
今となっては確認できないし、
これを読んで、
「それは自分たちが預けたことを
肯定したいだけでしょ?」
と思う人もいるかもしれない。

でも、
周りから見て
介護する側もされる側も
笑顔で接することができるようになったのは
よかったんじゃないかなって思う。

うちのおばあちゃんもよく言う。
「生きているのがツライ」
「お迎えが来ないから仕方ない」

私はそんな風には言ってほしくないけど
きっと介護される側も
いろんな葛藤があって
ここにいるんだなって思う。

自分で施設に入れてほしいとも言えない
家で面倒をみてほしいとも言えない
自分がいると家族に迷惑がかかるんではないか
家にいるよりどこかに入所した方が気持ちが晴れるのではないか

介護される側も
いろんなキモチを抱えてるってことを
覚えておかなきゃいけないなって。
せっかくだから書き留めておきます。

何がいいか分からんけど
家で看るのが当たり前
家で看るのが一番いいに決まってる
って思い込みは
そろそろ捨ててもいいんじゃないかな。

必ずしも
そうとは限らないと思うから。


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