アルコール依存性の女 そして専門病院へ
「Pさん(私)の通いやすい所がいいと思います」
カウンセラーのアドバイス。
でもどこが良い病院とか、自分に合っているとかこれだけじゃ分からないしなぁと思っていたとき、ピンっとくる病院があった。
「大阪で先駆けてアルコール依存性治療専門病院として開業」
歴史あるってことはいいんじゃない、という単純な理由でHというクリニックに決めた。
家から近いというのも利点だった。
さっそく電話をし、診察の予約を入れる。
(紹介状が必要だったかはうろ覚え)
その病院は住宅街の一画にあって、少し歩けばラブホテル街という奇妙な場所に建っていた。
初診ではまずケースワーカーさんがあらゆる質問を尋ねてきた。
「親族にアルコール依存性の方は?」
「親族で自死された方は?」
「元気になったらやってみたいことは?」
親族の事情を聞くってことは、やっぱりある程度遺伝性が認められている病気なんだろうなぁと思った。
長い尋問のあと、ようやく医師の診察。
先生は60代前半ぐらいのひょろっとしたおじさんだった。ここの院長らしい。
初診で先生と何を話したかはもう覚えていない。コロナ禍だったので、先生と患者の間には透明のビニールシートが吊り下げられていた。
とりあえず、レグテクトという飲酒欲求を抑える薬と精神安定剤を処方してもらった。
このレグテクト、効果が出る人と出ない人で別れるらしいが、私には合っていてこれを飲んで10分ほど経つと飲みたい気持ちが消える。
これでお酒やめれるのかな。
やめれる自信はなかった。
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