中小企業の人手不足対策の選択肢「オンラインアシスタント」
人手不足が慢性化している昨今、優秀な人材確保と業務効率化を両立する手段としてオンラインアシスタントが注目されています。
こちらでオンラインアシスタントサービスの検討に役立つ、基礎知識、活用メリット、サービスの比較情報やおすすめ情報などを提供しています。
ぜひ、ご活用ください。
中小企業における人手不足の実態
データで見る中小企業における人手不足の実態と対応策
日本商工会議所の調査によると、人手不足と回答した中小企業は60.7%で、対前年比16.3%増加しています。
同調査において、人手不足を感じる中小企業の対応方法は以下の順に多いです。
採用を増やす:72.3%
IT化、設備投資による業務効率化・自動化:35.4%
業務プロセスの改善による効率化:32.1%
人手不足の原因と企業経営に及ぼす影響
中小企業が人手不足に陥る原因
中小企業は大企業と比較すると、「待遇が悪い」、「経営が不安定」、「将来性がない」などの潜在的な負のイメージがあり、人手不足になりやすい状況にあります。
そのため、将来に不安を抱き、転職や早期転職などが増え、従業員の流動化が高い傾向にあります。
人手不足が中小企業へ与える影響
商品やサービスの質の低下
人手不足により、商品の開発や改善、サービス提供、顧客対応などに十分な労力をかけることが困難になります。
また、従業員のモチベーションが低下し、ミスやクレームが増えます。
このような状況が慢性化すると、SNSなどで悪い評価が拡散してしまうなど、信頼性やブランドイメージが損なわれます。売上減少・倒産のリスク
人手不足が慢性化すると、商品やサービスの供給量や品質の低下を招き、顧客ニーズに対応できなくなり、売上の減少を招く可能性があります。
売上減少により、運転資金の確保や設備投資が困難になり、経営安定性や持続可能性を損ったり、状況によっては倒産のリスクもあります。商品やサービスの質の低下
人手不足により、商品の開発や改善、サービス提供、顧客対応などに十分な労力をかけることが困難になります。
また、従業員のモチベーションが低下し、ミスやクレームが増えます。
このような状況が慢性化すると、SNSなどで悪い評価が拡散してしまうなど、信頼性やブランドイメージが損なわれます。離職率の上昇
人手不足が深刻化すると、従業員は過重な労働や多岐にわたる業務を強いられて、自社へ不満が蓄積されます。
これがトリガーとなって、転職や退職の可能性が高まり、離職が増えます。
離職が増えることによって、生産力やノウハウが喪失します。
オンラインアシスタントサービスの基礎知識
オンラインアシスタントとは
オンラインアシスタントとは、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービス事業者に採用された専門スタッフがリモートで企業の業務サポートを行うアウトソーシングサービスです。
秘書・総務・労務・人事・経理・営業事務・Webサイト/SNS運用・動画制作など、幅広い業務に対応可能です。
オンラインアシスタントサービスは、厳しい採用基準で専門性の高いスタッフをそろえており、業務の「正確性」、「スピード」、「アウトプットのクオリティの高さ」、「ホスピタリティの良さ」が強みです。
採用や教育コストをかけずに、専門知識や実務経験を持つプロのアシスタントをチームとして一括契約することもできます。
オンライン事務代行サービスの市場動向
アメリカでは、既に経営者の約70%がオンライン事務代行サービスを活用しており、サービスを活用することで約2割のコストダウンを実現しています。
人手不足を解消する上で、非常に利用しやすいサービスとして普及しており、中小企業の中でも特に採用力に課題を感じている、バーチャルオフィスやレンタルオフィスを利用している企業と相性がよいサービスです。
また、イギリスの調査会社「Technavio」が発表した市場レポートによると、世界のオンライン事務代行サービス市場は2021年から2025年にかけて、年平均成長率12%を見込まれており、グローバル規模で成長が期待されています。
特に、アジアでの拡大が見込まれており、年平均成長率12%のうちの40%はアジアが占めると予測されています。
日本国内においても、社内人材をコア業務にシフトし、生産性向上と効率化、そして、コスト削減と人手不足の解消を図れるオンライン事務代行サービスの利用ニーズが高まっています。
オンライン事務代行サービスがカバーする業務
オンライン事務代行サービスに依頼できる業務は主に次の4つの業務領域です。
定型業務(定期的に発生するルーティンワーク)
単純作業業務(複雑な判断が不要)
指示が明確な業務(マニュアルがある・指示命令者がいる)
簡単な制作業務(ツールを使えばできるもの)
経理・総務・人事・秘書
見積書、請求書作成
記帳代行
月次決算対応
備品発注
問合せ対応メール対応
データ入力
書類作成
架電(関係者対応)
Web・SNS運用
ECサイト更新
HP、ブログ、記事などの更新
SNSアカウント運用
広告配信
バナー更新
メルマガ制作
動画編集
営業事務
見積書、請求書作成
メール対応
データ入力
書類作成
架電(顧客フォロー対応)
オンライン事務代行サービスに依頼できない業務
専門性やスキルが必要な業務
企画やコンサルティングなどの非定型業務
マニュアルが無い・明確な指示がない業務
オンライン事務代行サービスの料金相場
オンライン事務代行サービスの料金体系は、時間制(スタッフの実働時間に比例して決まる)ものが主流です。
他に、タスク制(業務量に応じて決まる)や、定額制(業務量に関わらず毎月一定額の決まった料金を支払う)の事業者もあります。
オンライン事務代行サービスの料金相場は、時給換算で、2,000円〜5,000円です。
実際に支払う月額費用の相場は、5万円〜10万円が多いようです。
利用時間が増えるほど時給単価は下がっていくモデルが多いので、多く利用するほどコストパフォーマンスがアップする仕組みです。
社員を1名雇用することと比較すると、オンライン事務代行サービスのコストパフォーマンスは明らかに魅力的なメリットです。
オンラインアシスタントの一般的な稼働時間帯
オンラインアシスタントに業務を依頼できる時間帯が、自社の営業時間や担当者スケジュールにマッチするかどうかも重要なポイントです。
標準プランで平日9:00~18:00を対応可能時間としているケースが多いですが、海外在住の担当アシスタントを指名したり、追加オプションを付けたりすることで、土日祝や深夜時間帯の業務依頼にも対応可能なプランもあります。
タスクの納品ベースで料金を支払っている場合は、アシスタントの稼働時間帯がそこまで業務に影響することがないかもしれませんが、連絡を取れる時間帯は把握しておいた方が良いでしょう。
オンラインアシスタントで使用するコミュニケーションツール
オンラインアシスタントへの業務依頼やタスク納品、そのほか通常の業務連絡は、ビジネスチャットやWeb会議(ビデオ会議)などのコミュニケーションツールを利用するのが一般的です。
多くのサービスではSlackやChatworkに対応していますが、新しいツールを導入せずに済むように、自社で利用しているコミュニケーションツールに対応してもらえるサービスが望ましいでしょう。
電話やメールで対応可能なサービスも一部ありますが、ビジネスチャットはスピーディーなやり取りと業務効率化が見込めるため、自社で利用していない場合は、この機に導入を検討してみてもいいかもしれません。
オンラインアシスタントの活用メリット
必要な時に必要なだけ人的リソースをコントロールできる
社員雇用の場合は、採用から入社まで約1ヶ月程度の時間を要しますが、オンラインアシスタントは最短即日から導入できるため、必要な時に必要な人材をアサインすることができます。
無駄な人件費や固定費がかからない
正社員、派遣、パートなどの形態で直接雇用すると、仕事が発生しない場合でも人件費や固定費が発生します。
オンラインアシスタントサービスなら、採用や教育コストをはじめ、不要な固定費がかかりません。
幅広い業務を一括で依頼できる
オンラインアシスタントは、依頼する業務に応じて適切な条件をクリアしたアシスタントをアサインします。
オンラインアシスタントサービスなら、多種多様な業務を、一括で依頼できます。
異なる業務案件別に契約をする必要もなく、依頼から業務完了まで最短スピードで進めることができます。
時間・手間・教育コストをかけずに業務を円滑に進めることができる
オンラインアシスタントは、依頼業務に対して、専門知識と実務経験を有したアシスタントがアサインされるため、最低限のオリエンテーションで業務を円滑に進めることができます。
コア業務の生産性をアップできる
単純な定型作業からスキルや専門性を要する業務まで、オンラインアシスタントは、ほとんどの業務をカバーできます。
オンラインアシスタントを有効活用すれば、保有している人材リソースをコア業務にシフトさせることできます。
新規プロジェクトを始める際や、経理や労務の担当がいない中小企業にとって、オンラインアシスタントは非常に有効なヒューマンリソースソリューションと言えます。
オンラインアシスタントサービスのサービス動向
オンラインアシスタント業界は急速に進化しています。
人手不足による需要拡大に伴い、大手テクノロジー企業、BPOベンダー、スタートアップまで、様々な企業が参入しています。
コミュニケーションサービスや、クラウド業務ソフト、セキュリティ対策などの進歩により、個人用からビジネス向けまで幅広いニーズに対応するサービスが提供され、競争が激化しています。
主なオンラインアシスタントサービスのポジショニングマップ
こちらのポジショニングマップで、各オンラインアシスタントサービスのポジションを見える化しました。
オンラインアシスタントサービス選びの目安としてご活用ください。
※執筆者作成
オンラインアシスタントサービスを、利用する業務や内容に応じて、専任コンサルタントが付く場合もあります。
各サービスに問い合わせを行い、見積を依頼して、ご検討されることをおすすめします。
優良オンラインアシスタントサービスのご紹介
オンラインアシスタントサービスを検討する際の注意点・Q&A
Q.オンラインアシスタントサービスを選ぶ際の注意点を教えてください?
A.オンラインアシスタントサービスは事業者によって、取り扱う業務のカバレッジや専門性に特徴や強み弱みがあります。
まずは、委託したい業務・達成目標・委託条件などを明確にして、本記事で紹介したオンラインアシスタントサービス事業者にWebで問い合わせを行い、簡単なオリエンテーションをしましょう。
専任コンサルタントと面談を行うとより具体的な情報を入手できます。
その上で、受託条件と見積金額を入手し、客観的かつ合理的な判断を行いましょう。
Q.オンラインアシスタントサービスの導入にあたって準備するべきことは何ですか?
A.オンラインアシスタントサービスの導入に向けた準備としては、委託したい業務の具体的な内容・達成目標・委託条件・スケジュール・予算などを明確にして、文書化することです。
その文書は、業務委託の社内決裁や、オンラインアシスタントサービス事業者へのオリエンテーションなどに活用できます。
Q.オンラインアシスタントサービスの安全性とは具体的には何ですか?
A.オンラインアシスタントサービスの安全性は、「セキュリティ」、「業務遂行性」、「ユーザーサポート」、「事業継続性」があげられます。
具体的には、秘密保持契約(NDA)と業務委託契約を明確な内容で締結していること、機密情報管理体制が万全であること、チーム体制で業務遂行していること、専任コンサルタントが付くこと、提供事業者の経営安定性や受託実績がしっかりしていることをチェックしましょう。
中小企業の課題解決に役立つおすすめ情報
これらの情報が皆さまのビジネスのお役に立ちますとうれしいです。
ぜひ、ご活用ください。