【ペルソナキャンバス、共感マップ、ニーズウォンツマトリクス】ターゲット分析に役立つフレームワーク
「ターゲットの分析やっといて.......」のオーダーにとまどう人はたくさんいます。
みなさんは次のような経験をされたことはありませんか?
「とりあえず、ターゲットをザックリ分析しといて」と、上司に丸投げされた。
キレイな資料を作ったのに「的を得ていない」とケチを付けられた。
ターゲット分析がはじめてで、「なにか見本になるもの見せてもらえませんか?」と相談したのに、「自分で考えて!」と事務的に返された。
ネット検索でターゲット分析についていろいろ調べてみたけれどよくわからない。
このような目にあった方は、さぞ、嫌な思いをされたことでしょう。
「誰もが一発で納得できるターゲット分析方法があったら、こんな目にあわずに済むのに」そう思った方は、たくさんいらっしゃいます。
おまかせください。
効果的なターゲット分析の方法があります。
それがペルソナキャンバス、共感マップ、ニーズウォンツマトリクスです。
こちらで、それらのフレームワークを活用して、ターゲット分析の資料を効率的に作成する方法をご紹介します。
ぜひ、ご活用ください。
まず、ターゲット分析の構造を理解しましょう
ペルソナキャンバス、共感マップ、ニーズウォンツマトリクスの、具体的な話に進む前に、まず、ターゲット分析の構造について解説します。
ターゲット分析の構造
ターゲットは次のプロセスで決定されます。
マーケティングを展開する市場を設定する。
市場のセグメンテーションを実行する。
ターゲティングの項目を決定しターゲットを特定する。
ターゲットの設定例
さて、ここで質問です。
30代男性、独身、会社員、中間管理職、首都圏在住、趣味はスポーツ......
これらの情報から、どんな人物かイメージできますか?
ターゲットの人物像を明瞭にイメージできる状態まで落とし込んでいくことが、「ペルソナ」、「共感マップ」、「ニーズウォンツ」です。
上のチャートのターゲットの下部に、この3つが配置されていますが、この3つは相互補完的な位置づけで、ターゲットをより明瞭に、ステークホルダー全員に同じ解釈とイメージを伝達する役割を担っています。
それではひとつずつ解説していきましょう。
ペルソナキャンバス
ペルソナとは
ペルソナはやターゲットとして設定した人物のパーソナリティを示す情報を指します。
ターゲットとの違いは人物設定のリアリティにあります。
ターゲットは「30代、独身男性、会社員、趣味スポーツ」などのバクっとした大まかな人物設定に留まりますが、ペルソナの場合は以下のレベルまで細かく設定します。
ペルソナの設定例
35歳男性のA太郎
独身(婚姻歴無し)
東京都港区の社宅に居住(2DK)
大手商社のマーケティング部係長(勤続10年)
年収450万円、預貯金300万円、投資は未経験
趣味はゴルフ(ゴルフ歴3年、今年スコア100切りを達成、月1回ラウンド)
ゴルフ仲間の友人とよく飲みに行く。
現在、交際相手はいないが募集中。
ファッションに気を使い、ブランドグッズを身に付けている。
最近ダイエットと筋トレをはじめた。
好きなブランドは、ナイキ、アップル
ツイッター、インスタ、フェイスブック、ユーチューブのヘビーユーザー
アマゾンと楽天でよく買い物をし、ポイントを貯めている。
どうでしょうか?
ここまで設定すると、人となりについてリアリティを感じませんか。
このペルソナ設定を落とし込むテンプレートが「ペルソナキャンバス」です。
ペルソナキャンバスのテンプレート
次のテンプレートをご覧ください。
テンプレートの上段は対象者のプロファイリング要素を記載するスペースで、下段は将来と現状に対する意識を記載するスペースとなっています。
ペルソナキャンバスの記載例と記載方法
テンプレートの記載例をご覧ください。
ここまで書き込むと、人物像がはっきりイメージできると思います。
「いる、いる、こういう人」という感じまで落とし込めればOKです。
テンプレートを記載する際の注意点としては、臨場感を持たせながらも、現実離れしないようにすることです。
ペルソナの設定は、想定要素が強くなりイメージに流されがちなります。
しかし、そのイメージはあくまでペルソナ作成者の仮説に過ぎず、実際のところ、同じペルソナの人物がどれほど実在するのかも確証はありません。
ペルソナ設定で人物像の詳細イメージを掘り下げていくのはよいですが、あまり都合のいいペルソナにならないよう、調査結果などのファクトと照らし合わせながら設定作業を進めていくことをおすすめします。
共感マップ
次は共感マップを活用して人物像の意識面にアプローチしていきます。
共感マップとは
共感マップは、ペルソナ設定している人物像が現在置かれている状況と、その人物の意識や感情について可視化していくためのテンプレートです。
かんたんに言うと「どんな事を考えていて、行動している人か」を明確にしていくということです。
共感マップのテンプレート
次のテンプレートをご覧ください。
共感マップでは次の6つを分析していきます。
ペルソナの人物像が見ていること
聞いていること
考えていること、感じていること
言っていること、行動していること
悩みやストレスを感じていること
欲しいもの、達成したいこと
実際に共感マップの記載例を見てみましょう。
共感マップの記載例
下の記載例をご覧ください。
共感マップも、ペルソナキャンバスと同じように、臨場感を持たせながらも、現実離れしないことを注意してください。
調査結果などからピックアップした情報を、わかりやすく肉付けするぐらいの感覚でコメントを記載するようにしてください。
ニーズウォンツマトリクス
次は、ニーズウォンツマトリクスを活用して、ペルソナの欲求願望を可視化していきます。
ニーズとウォンツ
まず、ニーズとウォンツについておさらいします。
ニーズ
ニーズは「Needs=必要」で生活者の欲求を指します。
理想と現実の間にあるギャップを埋めたいために生まれる欲求です。
ニーズには以下の2種類があります。
お客様自身が自覚している「顕在ニーズ」
➡「自動車を買い替えたい」お客様自身では自覚していない「潜在ニーズ」
➡「自動車の維持費が安くなるといい」
ウォンツ
ウォンツは「欲求」で、生活者のニーズを満たす具体的な商品やサービスへの欲求です。
ウォンツには以下の3種類があります。
基本ウォンツ:ニーズを満たすための具体的な商品やサービスを求める欲求
➡「プリウスが欲しい」条件ウォンツ:基本ウォンツを満たし、理想により近づけるために生まれる欲求
➡「実はプリウスでなくともエコカーであればいい」期待ウォンツ:満たされることが期待されている欲求
➡「エコカーで燃費を3割程コストダウンしたい」
ニーズ・ウォンツ インサイトとの違い
ニーズやウォンツと混同される言葉として、インサイトがあります。
ニーズもウォンツも欲求自体はすでに本人の中で存在しています。
一方、インサイトとは「深層心理」を意味し、生活者自身の中でまだ生まれていない欲求を指します。
インサイトは以下の記事でも取り上げています。
ニーズウォンツマトリクス
ニーズとウォンツの欲求レベルの高い低いをマトリクスで分類し、対象者の欲求意識の状況を可視化するためのフォーマットです。
かんたんに言うと、その人がやりたいことの優先順位と実現性を明瞭にすることができます。
ニーズウォンツマトリクスのテンプレート
次のテンプレートをご覧ください。
ニーズとウォンツを次の四象限に分類します。
未だ手に入れたいモノに気付いていない状態
手に入れたい欲求はあるが必要性は高くないと感じている状態
欲しいモノに気付いているが、手に入れるべきか検討している状態
必要性がかなり高く、それが今すぐ欲しいと感じている状態
欲求が一番明確かつ高いのが「必要性がかなり高く、それが今すぐ欲しいと感じている状態」の枠に記載されるモノとなります。
ニーズウォンツマトリクスのテンプレート記載例
それではニーズウォンツマトリクスのテンプレート記載例をご覧いただきましょう。
ちなみに、この対象者の方はいろいろな欲求の中で、昇格試験の合格や結婚などの実現願望が強いですが、まずはWebマーケティングセミナーを受講して、スキルアップすることを最優先しているということが読み取れます。
ターゲティング分析のチェックポイント
最後にターゲティング分析で重要なチェックポイントを解説します。
ターゲティング分析で扱う情報の正確性や鮮度は適切か?
ターゲティング分析のフレームワークでは、ユーザー意識や行動、ライフスタイル、テクノロジーやサービスの利用実態など、さまざまな情報を活用します。
ここで、重要なチェックポイントとしてお伝えしたいことは、ターゲティング分析で扱う情報の「正確性」と「鮮度」が、適切なものかどうかということです。
フレームワークを有効活用しても、そこで扱う情報やデータが、事実と乖離していたり、古い情報であったりした場合、考え出される仮説の価値がとても低いものになってしまいます。
ターゲティング分析に取り組むときは、マーケティングの専門性と信頼性の高い情報源を活用するようにしましょう。
情報の正確性
出典が明らかな情報を使用しましょう。
なるべく一次情報を使用しましょう。
専門性が高く、信頼できる情報源から入手しましょう。
情報の鮮度
なるべく新しい情報を収集しましょう。
リリース後、1年以内の情報を使用しましょう。
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