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少年院 №19 完敗

目が覚めると、慌しく独房の1日が始まった。布団をたたみジャージに着替えたら、すぐさま部屋の掃除。掃除が終わる頃には、朝食。朝食後は畳のベッドの上で壁に向かって黙想。正座じゃなく胡坐が許されてるのが唯一の救いだ。俺は昨夜眠れなかったので、黙想中に軽い睡眠をとっていた。一般寮が出寮して、朝礼が始まる。その間に黙想を一時中止し、体操服に着替える。着替え終わったらまた黙想。壁に向かって目を閉じ同じ姿勢で、いい加減辛くなってくる。しかし、見回りの教官にさぼったり、眠ってるのがばれたりすると、こっぴどく叱られて、その後筋トレの罰が待っているのであった。その為耳を澄まし見回りの教官の足音を聞き分ける為、五感の1つである聴覚が発達するのだった・・・。朝礼が終わり、一般寮生が作業棟に移動すると、独房で罰を受ける者達が外に出される。順番に鍵の空く音がする。それと同時に、


「でま~す!!」と声がこだまする。規則を破った悪や問題児が体操服姿で、集まった。その後整列して、点呼!!基本中の基本の挨拶をして、朝礼の行われていた中庭に行進して移動する。俺は、独房の各部屋の名札の横にある札が気になり見ていた。名前の横には、昼夜間単独・調査・謹慎14日・禁固20日などと、人によって裁かれた刑罰が書いてあったのだった。俺の名札の横には調査の札があった。

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