絵描き活動中に「他人から評価されたい」という悩みを克服した話③【努力の方向性】
前回の記事はこちらです。
ペンタブを手に入れ、浮かれていた私。
本当に大変なのはここからでした。
今だからわかりますが、デジタルイラストって色々なテクニックがあるんですよね。
・下描き、色塗り用などのレイヤー分け。画風によってはレイヤーが何枚にも及ぶことも
・そもそもレイヤーとかクリッピング、オーバーレイとかの用語
・ペンの種類
などなど。
お恥ずかしながら私はペンタブを手に入れるまでは「ペンタブさえ使えば、絵が上手くなる」と思い込んでいた人間でした。
アナログイラストが上手ならばデジタルにしてもやはり上手に描けるとは思うのですが、当時は私のアナログイラストも世の中的に見れば
「上手!これほんとに中学生が描いたの?」
というレベルへは全然本当に全く達していませんでした。
これは絵描き界隈でも時々見かけるのですが、私も例に漏れず
「学校のクラスという限られた環境の中で絵が上手いと言われた子」がインターネットに投稿し、自分の実力を思い知ったタイプの人間
でした。
そうなるとインターネットという広い世界へ飛び出して、自分の絵をもっとたくさんの人に見てもらいたい!もっと評価されるはず!
という流れになるのは当然のことだと思います。
しかし、私の場合その過剰な自信が「自分の納得できる絵を描ける」ようになるまでの遠回りの原因、そして長い間悔しい思いをする原因になったと思っています。
出来上がったイラストは、ぼやけていて背景真っ白、色塗りはみ出し放題の棒立ちのキャラのイラストでした。
解像度やレイヤー、バケツツールの概念がわかっていなかったんですよね…
もちろん出来に納得はいっていませんでしたが、初めてペンタブで描いた絵だし消しちゃうのもったいない…
よし!投稿しちゃおう!
と、投稿することにしました。
投稿すると、マイナージャンルゆえなのかそんなクオリティのイラストでも2人の方にブックマークしてもらえました。
(このとき居たジャンルはどれだけ人気の絵描きさんでもブックマークが100users行けばいいほうだったと記憶しています)
コメントも1件。(アンチとかではなく、絵を褒めるといった内容のものでもなく原作についていいよね〜系のコメントを頂きました。嬉しかったです)
これ以降、当時人気の絵描きさんの絵やメイキングを見ては真似っこをして絵を研究し、毎日数時間絵を描いていました。
学校から帰ってきた後や休日の余った時間をほぼ練習にあて、親からは「体力と集中力がすごいね〜。絵を描くのが余程好きなんだね」と言われるほどでした。
しかし、進歩はほぼありませんでした。(滝汗)
これは絵描き始めたての人あるあるだと思うのですが、
当時絵を最後まで完成させられず、描いては消し、描いては消しだったため完成作品をなかなかアップできなかったんです。
「上手い一枚絵」を描いてやろうと躍起になっていたんですよね…
そのとき憧れだった絵描きさんがまさに「上手い一枚絵」で人気を博していたのが確実に私に影響を与えていました。
塗り方はいわゆるギャルゲ塗りっぽい感じの方でした。
髪のツヤ、肌のグラデーション、目の描き込み具合…
一枚あたりにかける時間は割と多くなる画風です。
初心者が真似するには厳しすぎるっ…!
それでも、当時の私は憧れの絵描きさんに近づきたくて仕方がなくて自分の向き・不向きを冷静に把握することができませんでした。
親からは子供が「絵を描くのが好きでたまらなくて熱中している」と認識されていましたが、単に焦りでとにかく絵を描いていたというのが実情でした。
「早く憧れの絵描きさんのような絵を描けるようにならなければ」
「100usersブックマークをされるようにならなければ、絵描きなんて名乗れない」
「一枚絵だけで評価されないといけない」
当時本気でこう思い込んでしまっていましたが、全て大間違いだったと今は断言できます。(汗)
今では「商業でやってるわけではないのだから、描いてる本人が楽しくないなら今すぐやめたほうがいい」と思えるのですが、当時はとにかく盲目的に自分が掲げた目標を力ずくで達成できなければ死…とまで思い込んで謎の努力をし続けてしまっていました。w
続きます。