その景色を見ることは、私自身が選び続けてきた
WEBで小説を書くようになったのは、もう10年以上前のことになる。
元々、書くことが好きだった。そんな私がまず出会ったのは、ケータイ小説の世界だった。
10年以上前、ちょうどケータイ小説が大ブームになったころだ。
そのころは、実話と言われるものに人気があり、私も少し実体験を交えながら、小説と詩を書いていた。
読み手より書き手が多いのは、その頃も同じだった。誰もが持っている携帯で、脳内に浮かぶ物語を言葉にして発表することができる。
そこにいたのは、本気で小説家を目指す人だけではなかったと思う。だけど、書いたものを読んでくれる、続きを待っていてくれる人がいるということは、とても幸せなことだった。
当時書いていた場所は、「魔法のiらんど」さんという場所だった。2回ほど、ケータイコミックの原作賞をいただいた。
学生恋愛と大人恋愛の小説をメインに執筆していたけれど、その比重がやや大人恋愛小説に傾いてきたころ、「ベリーズカフェ 」さんという場所がオープンした。学生恋愛が好まれる「魔法のiらんど」さんから、「ベリーズカフェ 」へとメインの活動の場所を移し、それからもずっと恋愛小説を描き続けてきた。
「ベリーズカフェ 」さんでは、フェチをテーマにしたコンテストで、短編集に掲載していただくという、とても素敵な機会をもらった。だけどその後は、どんなに描いても何にも選ばれることはなかった。求められる恋愛小説の世界観と、私の描きたいと思う世界観が違ったことが大きかったのだと思う。自分の描きたいものではなく、コンテストのテーマに寄せて書いた作品も、コンテストで受賞することはできず、何度も心が折られた頃、活動の場所を「エブリスタ」さんにも増やしていった。
エブリスタさんでも、一度だけ短編コンテストで短編集に掲載していただいたことがある。
いろいろな恋愛小説を描きながら歩いてきた道の中で、素敵なチャンスをいただいたこともあったように、絶望のような気持ちを味わってきたことも何度もある。
続けていく中で、何度味わってきた絶望。
そんな中、私を想ってくださった言葉で、私は一度書くことから逃げた。
それでも、言葉で想いを綴ることを嫌いにはなれなかった。雑記のようなブログを待っていてくれる人がいたこともあり、日常を綴ることはあったけれど、やっぱり想いを綴ってきた楽しさと苦しさを忘れることができなかった。
そんなときに出会ったのが、このnoteという街だった。
他のサイトに比べれば、noteはとても小説が書きにくい。小説サイトには、本棚やしおり機能があったりで、読み手が読みたいものに迷うことも少なかったと思う。
だけど、小説サイトではあまり読まれることなく、あっという間に流されていってしまう短編小説だったり、読者さんのほとんどつかない詩のようなものは、noteではとても書きやすかった。
ただ、夢を追いかけて、その夢に絶望してた私は、このnoteの街にきて、居心地の良さと使いやすさ、そして今まで知っていた自分の世界の狭さなど、たくさんの衝撃を受けた。
最初は自分がアウトプットするだけの場所として選んだプラットホームだったけれど、素敵な人たちの描くたくさんの言葉に出会うことで、インプットもできる、マイホームへと変わった。
夢を叶えられていないという、その現実は変わってはいない。
だけど、このnoteという街で、毎日書き続けて1年半、私は「日々、歩いていく」という有酸素運動を続けている。
書くことを「筋トレ」と表現している人もいると思うし、私もときどきはこの「筋トレ」をしつつ、たくさんのことに挑戦しているつもりだ。
それでも、私はこの日々の「有酸素運動」を大切にしたい。
毎日毎日、ストイックに「筋トレ」を続けることは難しい。毎日毎日、全力で走り続けることもやっぱり難しい。だから、私はゆっくりと自分のペースで「日々、歩いていく」という有酸素運動を続けていきたい。
このnoteの街に出会えなかったら、私は「筋トレ」の日々に疲れ、ときどき「全力疾走」をして疲れ、描きたい世界と現実に求められる世界に疲れ、また逃げ出していたかもしれない。
私の百瀬七海としての分岐点は、間違いなくこのnoteの街に引っ越してきたことだ。
ナンバーワンを目指すカタチじゃない、オンリーワンを感じる夢をカタチにして、いつか百瀬七海として送った人生に終わりを告げたい。
下記の企画に参加しています。
この企画を知ったとき、改めて自分の執筆スタイルだったり、歩き続けてきた今までの道、これから叶えたいと思う夢などを考えてみました。
叶えたいと思う夢への第一歩を踏み出し、なかなかうまくいかない現実と悩みながら、それでも歩き続けたいという結論に達して、この企画への参加を決めました。
たなかともこさん、とても素敵な企画、ありがとうございます。
上記名付け親企画にも参加しています。たくさんの名付け親イラストがある中、このイラストだけは未参加でした。でも、このイラストを改めて見つめることで、心が整理されました。Kojiちゃん、ありがとうございます。
2020.6.28