手にしたもの
「ダメだね」
そう言った夫が手にしていたものは、泥だらけの「糸大根」だった。
「糸大根」とは、夫が庭の隅で育てている(放置)、糸のような大根の事です。
「糸大根」については、私の「糸のような」の記事に書いてありますので、よかったら読んで下さい。
もしかしたら、キツネリスの生まれた訳がわかるかもしれません。
(すいません、ウソです)
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私は、その泥だらけの「糸大根」をキッチンで受け取り、綺麗に洗った。
綺麗になった「糸大根」を私はガリリと噛んだ。透明のしぶきが立つ。
(そんなにみずみずしくないです)
甘くて、遠くにとても遠くに苦味を感じる。(いや、苦くないだろ)
大根のような、大根ではないような、大根の友達くらいのもののような、大根の前を通りすぎたような味がしました。(それ、大根?)
「糸大根」一本では足りないので、庭の隅にあるソレを、何本か抜きとりました。
驚いた事に、夫が抜いて私に渡してきたソレは、この間私が抜き取って、舌打ちしてそっと土にかえしたソレでした。
夫と私がソレを通して、シンクロした出来事でした。
(多分、抜きやすかった)
私は抜き取ったソレを丁寧に洗い、皮をむいた。(ほとんどなくなった)
油揚げとワカメの仲間に入れてもらったソレは、味噌汁の具となりました。(おいしかったです)