LBGTQの理解が深まるこの時代に、「籍が入れられる」幸せだけを噛み締めて
正月スペシャルとして「きのう何食べた?」の特別ドラマが放映された。主演は西島秀俊さんと内野聖陽さんの男性カップル。同棲をしている二人が美味しいご飯を作って食べる、ホームドラマだ。
二人は、家族に認められるのにも苦労したり、周りにバレないようにいろんな言い訳を考えたりと、四苦八苦する。ただ、家に帰れば大好きな人のためにご飯を作って、二人で囲む食卓が本当に幸せそうに映されている。
私がLBGTQをちゃんと理解し始めたのは、18歳のとき。本当はもっと前からわかってはいたけれど、あまりよくわかっていなかったのかもしれない。
当時英語の勉強として観ていた海外ドラマ「glee」には、さまざまな個性豊かなキャラクターたちがいて、白人・黒人・アジア人・ユダヤ人・キリスト教信者・ゲイ・レズ・バイなどが一緒のグループで一つの目標にむけて努力をする。
それもそのはず、「glee」のプロデューサーは売れっ子のライアン・マーフィーで、彼もゲイを公表している有名人の一人。
「glee」では、ゲイだからという理由でいじめられたり、自分がバイセクシュアルであることを恥じていることを公表するエピソードがある。とにかく、彼らには当たりが強い。LBGTQの理解が日本よりも深いと言われているアメリカでも、まだまだLBGTQのいじめはなくならない。
18歳の私は、受け入れるのに時間がかかった訳でもないし、むしろドラマを見てスッと理解ができた。世の中には男性なのに男性が好きな人もいる、心は女性の人もいるし、男性と女性両方が好きな人もいる。ただそれだけだ。
だけど、アメリカに留学したり世界を飛び回っている中で、私がスッと受け入れられたことが、宗教的な理由だったり文化の違いから、なかなか受け入れられない人もいるそう。
実際に、実写版「美女と野獣」や「スターウォーズ エピソード9」では、LBGTQの描写があることから、そのシーンをカットしたり、上映禁止になった国だってある。
そんなときに、「オッサンずラブ」がドラマ化し、2018年の人気ドラマランキングで1位を獲得した。2019年には、先ほど紹介した「きのう、何食べた?」が放送され、正月スペシャルまで作られた。
これまでゲイやレズの人=性同一性障害という障害だと思っていた人たちも、このドラマを見てきっと意識は少しでも変わったはずだ。そして、確実に、LBGTQの理解は深まっているはずだ。
ただ、まだまだ「気持ち悪い」「漫画ならいいけど現実じゃ無理」「イケメン同士ならいいけどブスは嫌」と、ネットを見ると、こんな意見さえ溢れていて、思わず目を背けたくなる。
LBGTQとして自分の性に悩む人は、AB型や左利きの人と同じ数だけいると言われている。日本も例外ではない。
私は、たまたまストレートだった。心も体も女性で、男性が恋愛対象だ。それ以上でもそれ以下でもない。
本当にただそれだけなのに、日本は同性の結婚は認められていない。一緒に住むことだって、難しいと耳にしたこともある。
おかしくない?左利きなのに法律が適用されないことってあるの?AB型同士は、家が借りれないって変だよね?
もっともっとゲイも、バイも、トランスジェンダーも、ポリアモリーも、みんなが生きやすい世の中になればいい。2020年はそういうスタートの年であって欲しい。
結婚したい、婚活しなきゃと27歳になると周りは騒ぎ始めるけれど、私は今日も、この時代に「籍が入れられる」幸せだけを噛み締めて、恋をする。