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12歳の死にたいわたしへ。15年後も死にたいと、思ってるよ
12歳の死にたいと思っているわたしへ。手首に傷をつける度、付けた傷から血が滲むのを見る度、「ああ、まだ生きてる」と実感するけど、それ以上深く切るとばい菌が入ったり、面倒で大変なことになりそうで、切れないんだよね。
死にたいと思っているのに臆病で、心配性で、怖がり。あなたは15年後も自分自身で命を終わらすことは出来ずにいます。そして、27歳になった今も、ときどき込み上げてくる「死にたい」という欲求に振り回されながら生きています。
わたしが生きている今の時代は、「うつ病」などの心の病気を持っている人が増えた気がする。わたしも、心療内科に掛かれば診断してもらえるかもしれないけど、わかってても行かないのは、自分の手首を切り切れないあのときの恐怖心と、一緒なのかもしれない。
「うつ病」と診断されたら、薬をもらって通院するだけじゃなくて、「うつ病と診断された自分」と向き合わないといけない。それはちょっとわたしには重い。だってこれまでも現実と向き合うことは苦手だったし、良い方向に向かったこともなかったから。
今のあなたはきっと、行き場のない不安や悲しみを、切ることによって満たしてる。切ることで心が落ち着くし、怒りや悲しみや辛さがすべて吹き飛ぶような錯覚に陥るからね。
死にたいと思っていても、心の奥底で「本当はもっとすてきな世界があって、わたしは楽しく理想な人生が送れるはず」という希望がまだ残っていて、それが自殺を止めてるんだよね。
でもね、厳しいようだけど、そんな理想な人生なんて送れない。高校に進学してもいじめは続くし、大学に行っても、日本を出ても、あなたはあなたのままなの。いくら環境を変えたって自分が変わらなきゃ、人生は変わらない。社会に出たってパワハラやセクハラに遭って、今のわたしは正社員にさえなれないの。
結局、いつまで経ってもあなたの理想の人生なんて送れない。夢なんかみてる余裕ないんだよ。
最初でも言った通り、あなたは12歳では死ねないし、生き続けた今も時々込み上げる「死にたい」という気持ちと戦うことになる。辛くて、辛くて、何もできない日もあるし、誰にも相談できなくて一人で抱えることになるの。
だけど、大人になって一つだけよかったことは、お金を稼ぐことで自分の人生をコントロールできるようになったこと。
今のあなたじゃ考えられない、想像できないくらいのお金を、社会人になったら手にできる。それを使っていろんなことができる。
たとえば、欲しい洋服を買ったり、化粧品を買ったり、日本から出て旅をしたり。自分のお金だから、何も言われずに使えるようになるの。
もちろん、お金がすべてじゃない。だけど、お金があるからこそ、美味しいものが食べられて、人と出会えて、すてきな体験ができる。それであなたは、感情のコントロールができようになるの。
20歳を過ぎるとお酒が飲めるようになるね。あと8年だね。お酒にも気をつけて欲しい。お酒はわたしにとって、第二のカッターになるから。手首を傷つけていたあなたは、20歳を過ぎると、酔っ払うことで悲しみや苦しみを忘れようとするの。
幸か不幸か、あなたはそこまでお酒が強い体質ではないからすぐに酔ってしまうし、これまで記憶をなくしたり、病院のお世話になったり、吐いたりすることはないんだけどね。
ちなみに、今は禁酒中。お酒に逃げることはやめたの。このことはまたいつか、話すね。
きっと今のあなたも、これからのわたしも「死にたい」という気持ちと一生付き合っていくことになる。「死にたい」という欲求は消えることなく、上手にコントロールしていかなきゃいけないの。
これから先、たくさん恋愛をして恋人もできるけど、彼らには怖くて言えないし、家族にももちろん言えない。誰にも頼らず、一人で背負っていくしかないの。
だけど、世界には、今もどこかであなたと同じように「死にたい」欲求と戦っている人がいる。だからこうして、文字にして、一人じゃないよって伝える活動をはじめました。
自殺を、自傷行為を、肯定しているわけじゃないし、わたしもいつ命が燃え尽きるかわからないけれど、世の中にはこんな人もいるよって、声を挙げていくことに決めました。
だから、12歳のわたしへ。無理して「死にたい」と向き合わないで。逃げて、逃げて。27歳になった今でも、「死にたい」とは向き合えないし、向き合うと死を選んでしまいそうだから。
だから、一緒に逃げ続けよう。少しでも良い人生になりますように、と、自分なりに歩みを進めながら、逃げていこう。
ちなみに、14歳の時に初めて遺書を書いて、その後何年に一度か遺書を書くことになるんだけど、最初の遺書は怖くて捨てちゃった。10年後にそれを見つけたわたしは、あまりにもリアルで、生々しくて、悲鳴が聞こえて泣いてしまったの。また、その話は次の機会にするね。
12歳の、死にたい私へ。27歳のわたしより。