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Traditional Quilt vs. Modern Quilt
最近では、キルトのイベントが催されたりクラフトショップやコットンを多く扱った布屋ができたりして、キルトも存在感を増したようですが、私が日本にいた頃(2004年以前)は、一般的にパッチワークは知っていても「キルトといえば、名前は聞いたことはあるが具体的には何か知らない」というくらいの知名度でした。実は私も当時はそのような知識しかなく、キルトを作り始めたのは渡米後です。ここで、念の為にキルトをあまりご存じない方のためにキルトの基本的な説明をします。
キルトとは?
キルトと聞くと、ブランケット?タペストリー?パッチワークとはどう違うの?と混乱する人が多いかと思いますが、キルトとは基本的に「表布・キルト芯・裏布」を順番に重ねて、その三層を縫い合わせたものを言います。使われる布はコットンが主流で、キルト芯にはコットン、ポリエステル、竹繊維、ウールなど色々な種類があり、キルトの用途に合わせて素材の特徴を生かしたものを選びます。
パッチワークとは布を縫い合わせる作業のことで、縫い合わせたものをキルトの表布(「キルトトップ」とも呼ばれます)として使います。一般的には図案に沿って小さな端布を縫い合わせていくつかのブロックを作り、そのブロックを縫いつなぎ大きくしていきます。
キルトの大きさによって、小さい物はランチョンマットだったりテーブルマットだったりタペストリーだったり。もっと小さい物ではコースターだったり鍋つかみだったり。逆に大きい物だとブランケットやベッドカバー、敷物にもなったり。ブランケットとして作った物でも飾るスペースがあればタペストリーにもできますし、キルトは1つの用途に収まらないので、とても便利です。また、素材が布なので洗えますし(洗濯可能な布の場合)、畳んでしまっておくこともできます。
キルトのスタイル
キルトにはいくつかスタイルがあります。大きく分けて2つ。
昔ながらの図案に沿って作ったものを「トラディショナルキルト」、昔ながらの図案にとらわれず現在の感覚を使いながら自由にデザインしたものから作ったものを「モダンキルト」と言います。
一般的にトラディショナルキルトは方眼状に正方形の図案が規則正しく並んだデザインのものが多く、その図案は複雑なものからシンプルなものまで多岐に渡ります。キルトの図案には一つ一つ名前があり、その数も膨大です。私の過去キルトから数例です。
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つけたパターンのキルト。
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モダンキルトは規則性にこだわらず、布を使って描いた絵のようなものから、幾何学的なものまで様々です。モダンキルトの中にも種類があり、アート性のあるものをアートキルト、特に21世紀に入ってからの新しいデザインのモダンキルトをコンテンポラリーキルトと呼ぶようですが、境界線ははっきりと定まっていません。
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ちょっとインベーダーゲーム(古いか…)みたい。
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計算ミスで失敗したパーツを使って作ったキルト。
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モダンキルトの種類にアートキルトというのがあります。その名の通り、アート性を含んだキルトで、絵画のように飾られる目的で作られることが多いです。
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絵画に様々な手法があるように、抽象画のようなキルトをアブストラクト(抽象)キルトと言います。
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絞り染で布も手染めしました。
切って使うのがもったいなかったので、そのまま使いました。
この他にも様々なスタイルのキルトがあります。インターネットで検索をかければ、次から次へと容赦なく出てきますので、ご興味のある方はご覧になってください。
Flickr:上記でご紹介した過去作品以外にも色々と写真をあげていますので、ご興味のある方はどうぞ。