雑文 #131
4月になった。
「何かを始めるのには 何かを捨てなきゃな」
フジファブリックのアルバムの中で私がいちばん好きな『クロニクル』の中に入っている「エイプリル」という曲の一節である。
すごいよ志村正彦。ほんとそうだよね。
でも私は何を捨てればいいのだろう。ほとんど捨てるものなどない気がするのだが。
(あ、部屋の整理はしなきゃだな)
とりあえず「費やしている時間」であろう。くだらないこと(くだらなくておもしろいことではなく、くだらなくてつまらないことである)に費やしている時間を。
私はつまらない日々を送る自分を反省している。つまらなくても、それを打破しようとぜんぜん試みていないからである。
私はいつからか音楽を丁寧に聴かなくなった気がする。
先日、ハッとした。なんでこんなに音楽に対して雑になったのだろうと。
それはPink Floydの動画を観て気がついた。私はかつて音楽をあまり愛さなくなってしまっていた頃、くるりを知って、転がるようにロックンロールを知った。それまで知らなかった世界。
世界が広がって、ロックって単純じゃないんだ、乱暴じゃないんだって気がついた頃がPink FloydやKing Crimsonを知った頃。あんなにワクワクしていたのに、今はどうだ?
デヴィッド・ギルモアのギタープレイをYou Tubeで観たら、やっぱり最高だと思った。
私はジャキジャキッとしたエレキギターの音が苦手なのだが、彼のはふっくらとした深みのある音。ストラトキャスター。
私にとってエレキギターというものは、デヴィッド・ギルモアのストラトキャスターと岸田繁のストラトキャスターが二大巨頭だ。というか好みなんだろうな。
それと、くるり電波や月刊誌「ラティーナ」で岸田さんが紹介していた音楽。私はそういうのが好きだったのではないのか。いつから雑になったんだ?自分から自然と「音楽を聴く時間」を作って心のリフレッシュ計らなくなったんだ?
時間って作るものなので、忙しいというのはあんまり言い訳にならない。
ならばくだらないことに費やす時間を削ることだし、何かを始めるのには何かを捨てなきゃいけないのだ。
結局私が好む音楽は日本のものではまかないきれない。日本のものにも好きなものはあるが、世界に目を向ければ驚くほどすごいものがいっぱいある。それを探したり楽しんだりすることをここのところ怠けてしまったように思う。
面倒くさかったのもある。CDを買うお金がなかったのもある。
でもそんなのつまらない。心が停滞しちゃう。というかさまざまな停滞の原因のひとつであったのではないかと思える。
停滞して麻痺しちゃう前に、入れ替えてリフレッシュしなくてはな。