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雑文 #202 8月31日の夜に

昨日妹と姪と居酒屋に行った。

もうずっと、外食するなら妹と姪とばっかり。
友だちと会うことがなくなった。

世代の近いお客さんや取引先の人と話していると、雑談してるなって思えるけど、やっぱり友だちじゃないので、どこか緊張している。

話したいこといっぱい話せる気の置けない友だちと、何時間もグダグダくだらない話がしたいな。

でもなんか、誘う気持ちにもなれないんだよね。
電話する気にもなれない。
もちろんこの欲望は、メールやLINEじゃ解消できない。
実際会わなきゃ解消できない。

友だちとずっと話せなかった状況は、初めてではない。
でもあのときは病気で話せなかったのだ。
それに、パートナーもいたし。

本当の自分を解放できるような会話を我慢している人はいっぱいいるのかな。
マニアックな重箱の隅みたいなことを突っついてゲラゲラ笑ったり、小さな出来事から長い妄想を意味なく繰り広げたり、自虐ツッコミ自虐ツッコミを小気味よく繰り返したり、そういうバカな会話がしたい。
冗談混じりのキツい言葉も、思い出話も、会話の谷間にまったりする瞬間も、しばらく体感できていない。


そうか、私はこうやって生きてきたんだ。
旅をして、友だちとバカ話して、ライブに行って、読書して…全部できなくなってしまった。
本を読めなくなったのは気持ちの問題だけど、これがまたキツい。
キツいけどこれも病気になったとき数年間そうだったから、経験済み。
あのときよりキツくない。
あんなにキツいことなんかあるもんか。

そう思ってしのごうとするけれど、やっぱりキツい。


セミが至る所でひっくり返ってる。
暗くなるのが早くなった。
夕方外へ出ると、心地よい風が素肌を撫でた。
秋風だった。

大変だった2020年の8月、さようなら。
9月はもっと笑えるかな。


#8月31日の夜に #日記 #雑文 #散文 #毎日note

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