北海道ノート 9月 赤く燃え立つアッケシソウ
アニマの里
泊まったアニマの里は羊や馬がいる個人の農場。産まれた羊を売っているのだそう。馬は肉にされるところを引き取ったそうで、2頭いたけど今は1頭だけ。かなり高齢で、来年ぐらいかなあと仰ってた。最後まで寄り添って貰えて幸せな馬さん。
食堂の窓から鳥のご飯台が見え、鳥達の小劇場がずっと繰り広げられている。メインキャストはヤマガラ、ゴジュウカラ、コガラ(ハシブトガラ?見分けがつかない)で、入れ替わり立ち替わりやってくる。ずっと見てると、先人がいる時は近くの枝で待機しているのに気がついた。結構律儀なんだな。一番気が強いのはゴジュウカラで、他の鳥たちを追っ払っている。そんな中、アカゲラがサーっとやってきて味見するが、ちょっと物足りないのか2度と来なかった。全然飽きない、長い劇場。
羊たちの近くへゆっくり行ってみる。近づきすぎると逃げてしまうから、少し離れたとこで見る。顔が白い子と黒い子がいるな。一心不乱に食べている様だが、ちゃんと私達を見ている。少し近づくと少し離れる。永遠に距離が縮まらない関係。
お馬さんのとこにも行く。雨で毛がくるくる縮れた道産子さん。足が太い。体が痒いらしく体を柵に擦り付けるつもりが私に擦り付けてくる。受け止められないよー。そんで水ガブガブ。めちゃマイペースのかわいいお馬さん。
能取湖のアッケシソウ
アッケシソウ、別名サンゴソウを巡る旅が始まる。この時期しか見れない赤く紅葉したサンゴソウ。海水と真水が混ざったとこが好きらしく、内湖にしか見られない。近くでみると肉みたいで可愛くないんで、離れて見る事にする。
能取湖のサンゴソウはまとまって生えてて、近くで赤さを堪能できる。水鳥などいるとなおよし。人が多いのが残念かなあ。
サロマ湖へ向かう道中、能取湖の端でふと目に入った風景。ここのアッケシソウが一番綺麗だ。遠くにいるのは季節的にガンの仲間かな。人が近づけなくて、鳥達の楽園。自然な姿に見惚れて立ち去れない。
ワッカ原生花園
サロマニアンという名のお宿で自転車を借り、サロマ湖のワッカ原生花園を目指す。7km が思ってた以上に時間がかかる。が気持ちいい!ずーっとサロマ湖沿い。サロマ湖大きいな。ワッカ原生花園に着いて一休みである。今から始まるんですけどね。
秋の花が咲く原生花園はとにかく広い。丘も越えるし、海を覗きに行ったり、橋を渡ったりもする。自転車で片道20分ぐらいかかる。その間、両サイドにずーっとずーっと花畑が続く。今頃目立つのはアキノキリンソウの黄色。その間にハマナスのピンクとかエゾフウロのピンクがポツポツ。
最後に到達したのはワッカの名前の通り水の湧く場所。井戸がある。海と汽水湖に挟まれているのに真水が湧く。地下水はずっと深いところからやってくる。目に写っているだけでは自然のことわりは語れない。
この辺りからは木が増える。林床が明るいのはエゾシカが食べるからだ。ウンコの匂いもする。
折り返して走っていると、いきなり目の前にエゾシカが3頭。でかい!足も太い!ぜんぜん怖がりもせずムシャムシャ何か食べている。すごい食べてる。かわいいんだけど、花畑が消滅した伊吹山を思い出しめちゃ焦る。大好物たくさんあるもん、気持ちは良くわかるが、ここはそんなに食べないでー。いつまでも残って欲しいワッカ原生花園。
最後にサロマのアッケシソウも確認。これまでと違い砂浜だけど、平気らしくたくさん生えていた。ここはアッケシソウの隙間に緑の草が生えてないので、普通の草エリアとのコントラストが綺麗だ。同じ様で少しずつ違うアッケシソウの風景。こうなったら全部回りたい。
サロマ湖の反対側を目指して自転車を漕いでいるとかなりの雨が降ってきた。ソーラーパネルの下で雨宿りするも止みそうになく、仕方なくズブ濡れながら帰る。
猫のコムギが過ごしている宿の納屋で服を全部干させて貰う。コムギは知らん人のぬれそぼった姿を微動だにせず見てる。得体が知れず目が離せないといった感じ。
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