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梅雨と吐き気と人助けと

もうそろそろ梅雨に飽きてきた。
ジメジメしてるし、雲はどんよりしていてまったく晴れないし、今年に至ってはマスクをしなきゃいけないので尚更息苦しい。

というか、私は18年間北海道にいたので、関東の梅雨に慣れていないのだ。

北海道にも蝦夷(えぞ)梅雨というものがあったが、せいぜい雨が多いなぁくらいのものだった。
空気はカラッとしてたし、関東の梅雨とは大違い。

関東の梅雨は湿気がすごいし、肌にまとわりつく感じが気持ち悪い。
この時期になると、なぜか上京したての頃を思い出す。

多分、4年前の同じ時期。
慣れない土地に無理やり慣れながら、毎日フルで講義を受けていた大学1年の頃。

その日はまともに朝ご飯を食べずに家を出た気がする。
最寄りから乗り換え3回で大学に通っていた私は、1つ目の電車でキツイ香水の匂いにやられた。

普段から匂いには敏感で、父親に「お前は犬か」と言われるくらいだった私。
香水の匂いで少し気持ち悪くなっていたが、外に出て新鮮な空気を吸えば治るだろうと思っていた。

だがダメだった。

乗り換えをして、2つ目の電車に乗っているとき、急な吐き気に襲われた。

冷や汗がすごくて、でもこんなところで吐くわけにもいかない。
立っているのもやっとの中、頭の中だけ冷静で「うわ、電車止めるやつ……?????」と冷や汗がマッハで進んだ。

運悪く、駅と駅の間がバカ長いところだったので社会的な死がよぎった。

なんとか耐えて、次の駅で降りた私は急いで水を買った。
このとき、そのまま家に帰れば良かったのだが、なんの根拠なのか「いける」と思った私は大学へ向かった。(本当バカ)

何とか大学にたどり着くも、具合の悪さがマックスになって突っ伏してしまった。
講義終わりまで耐え切った私は先生に呼び止められた。(サボってると思われるよね)

だが、吐き気は空気を読まない。

「すみません!!トイレに!!」と駆け込んだ私。
水面と顔を合わすも特に何も出てこない。
そりゃ、ご飯そんな食べてないもの。

また治って、教室に戻ると待ってくれてた先生。(めちゃ優しい)
「保健室行きなさい」と教えてくれたので、向かう私。(小中高大と保健室コンプリートした)

私の大学は、一般的な病院の上に保健室があるところだった。
着いた瞬間、完全なるダウン。

保健室の先生もびっくり。

止まらぬ吐き気。

別に何も出ないので終わらぬ苦しみ。

「死ぬんか?」と思った。
しかし救世主現る。

病院の先生が来てくれて「下で吐き気止めの注射打ってあげるよ」と助けてくれた。
まじで神様かと思った。

注射を打たれ「気にせず横になってていいからね」と休む私。
人の優しさで泣きそうになる田舎者。

しばらくすると治って、念のため薬を処方してもらったのだが、粉薬苦手民の私は玉薬トレードを申し込んだ。

なんとかマシになった私は講義なんてサボって家路についた。


今思えば、あれは完全なる低血糖症だった。

その後も何度か同じことがあったが、今では対処法もわかったので何とかなっている。(オレンジジュースとか、ラムネとか)

あのときは慣れない環境とストレスと、ジメジメな感じとでごっちゃだったのだろう。
毎日、頑張ってたよなぁと自分でも思う。

電車の中では誰も助けてくれなくて都会を感じたけど、助けてくれる人の優しさを知った。

あのとき「注射代はいいから〜」と助けてくださった院長さんにはずっと感謝してる。

だから私はできる範囲で人を助けたいなぁと思う。
困っている人を見かけたとき、足が動かなくて後悔することも多い。

最近は「しないで後悔するより、して後悔したほうがマシだ」と行動できるようになった気もする。

まだまだ理想には程遠いが、なるべくそうでありたい。

せめて、自分がもらった分は誰かに渡したいと思うのだ。


みんな、ちゃんと朝ご飯食べようね。

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モモナ
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