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不思議な感覚(『正欲』を読んで)
朝井リョウさんの小説はいつも、この人は何を考えているんだろう。
どうしてこんな文章を書くことが出来るような世界観を持っているんだろうと思うことが多い。
今回もそんな予感がして、しかも自分は絶対こっちの方が読後のモヤモヤを抱きしめられるような気がして、『正欲』を読もうと思った。
朝井リョウさんの作家生活10周年記念作品の〔黒版〕といわれる作品
これは読み始めた時、何が起きているのかわからない。
読み進めていくと、いろんな人の視点で語られる瞬間瞬間が描かれている。
”一方そのころ、あの人は、、”的な感じで
最後まで読んだら最初に戻らずにはいられない。
そして何とも言えない気持ちにさせられるクライマックス
「多様である」とは
自分もよく考えるし、最近はよく言われるからこそ
答えがあるわけでもなければ、答えなんて出ないことである
そして自分がもやもやしていることも、わかったつもりでいる部分もすべて断片的でしかないということをより露呈させられた感じである。
見ないようにしていた、
”わかる事なんてできない”ということをわかること。
しかし、少し思う。
世の言う性欲というものは確かになんで至極まっとうな感覚で、
入り口部分をふれることや少し深部をつくことが許されているんだろうね。
欲望とは何だろうか、、
自分にはそういう快感を得られる何かとは何なのか、、よくわからなくなった。
それにしてもここで語られるほど隠さないと許されない世界ではないような気もするけどなと思ったりするけど、やっぱり外野から見ているということなのだろうか、、んん~
この本、読んで抱く感想、他の人は何を思ったのだろうか。
それにしても10年目にしてこういう作品を作り出せる思考はどう創り出されているんだろうなあ