こだわりのハムチーズトースト
むっくりとだんご虫のように背中を丸めて起き上がり、そのまま両手を空に向けて伸ばす。
「むううううっ」
と、息を吐いて顔をあげる。
あ、家の中だった、上を見て空が見えたらなあ、なんて思いながら朝のルーティンに移る。
もう東京に引っ越してきて早いもので半年近く経つ。
転職もして、やっと生活のリズムが掴めてきた。
「おはようゥ」
夫に朝の挨拶を。
昨日使ったタオル類をまとめて洗濯機に入れ、ボタンを押したら洗濯スタート。
その後に顔を洗う。
冬でも目が覚めるので、つい冷たい水で顔を洗ってしまう。
「つめたっ」
という独り言がだいたい朝の三言目だ。
鏡を見ても目が悪いので何も見えない。
コンタクトを入れてスキンケアをする。
このくらいからやっと意識がハッキリしてくる、今日も1日がはじまるのだと。
白湯を飲んで毎朝5分のヨガをする。
この後が朝の一番のお楽しみ、朝食タイムだ。
朝の白湯もヨガも、朝食を美味しく食べるための儀式みたいなものである。
朝食は昔からパン派だ。
特に食パンにハムとチーズをのせた、ハムチーズトーストが大好きだ。
もう何年…15年以上定番の朝食になっているので、美味しく食べるためのこだわりがある。
まずは、ハムチーズトーストの呼び方だ。
昔から「ハムチー」と呼んでいた。
実家で暮らしていた時も、トースト何で食べる?と聞かれると、だいたい
「ハムチー!!!」
と答えていた。
そんなハムチーのトッピングの仕方にも、こだわりがある。
片面トーストしたら裏返してハムをのせる、その上にとろけるチーズをのせるのだが、スライスタイプの場合は、手で四分割にする。
そのまま一枚のっけると、ハムとチーズを一緒に味わえる部分が中央だけになってしまう。
パン全体的からハムチーを味わうためのポイントだ。
そうして焼き上がったハムチーは、お気に入りのオレンジ色のお皿へ。
自家製ヨーグルトとオリーブオイルドレッシングのサラダといただきます。
こだわりの朝食で1日のスタートを穏やかに過ごせる。
ハムチーは心の拠り所でもある。