心理職の年収で子育てできる?日本の平均所得から考える
子育て中は出費が多いですね。
食費・生活費・教育費etc・・・と考えていくと
心理職の仕事を続けながら、子育てをしながらやっていけるのか?
という疑問もわいてきます。
ここでは心理職の平均年収と一般家庭の年収と支出を比べてみていきたいと思います。
1.心理職の平均年収は?
日本臨床心理士会の「臨床心理士の動向調査(第7回)」によると、臨床心理士の年収は、300万円台が最も多く19%。
累積%を見ると400万以下で50%とちょうど半数になっています。
公認心理師の年収が臨床心理士より高いとも低いともいえないので、同じ区分になるでしょう。
2.子供がいる家庭の平均所得
厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査の概況」によると、18歳未満の児童がいる家庭の平均所得は約745万円。
ちなみに「収入」から「必要経費」を引いて残った額が「所得」です。
会社勤めの場合は「収入」から「必要経費=給与所得控除」を引いた額が「所得」。
つまり平均収入は約745万円よりもっと多いということになります。
心理職の4分の3は女性、4分の1は男性ですが、平均所得に追いつくのは共働き必須といえるでしょう。
平均年収に追いつかなくてもなんとか生活していければということもありますよね。つぎをご覧下さい。
3.家計の平均支出
総務省の「家計調査年報(家計収支編)2021年結果の概況」では、世帯あたりの平均支出つまり生活費をみてみましょう。
二人以上の世帯のひと月の支出額は27万7926円
単身世帯のひと月の支出額は 15万506円
二人以上の世帯とは子供がいる家族・子供がいない家族も含めます。
コロナで前年度より減少傾向とはいえ、家族が増えると生活費も大幅に増えますね。
2人以上世帯の1年に必要な支出は
ひと月27万7926円を12か月で換算すると333万5112円
生活費でこの金額がかかるととなると、心理職の年収だけで子供の学費のための資金作りや老後の資金作りを稼いでいくのは厳しいですね。
また、心理職としての自己研鑽のために研修や学会の参加、書籍購入、SV(スーパービジョン)も受けたいということもあります。
さらに、臨床心理士であった場合は5年毎の更新に研修や学会への参加が必要になります。そういった費用も1つ1つ重ねていくとけっこうな額になっていきます。
つまり一般的な子育て世帯の支出にプラスにして心理職の自己研鑽にかかる費用、資格維持費がかかるということです。
まとめ
心理職を続けながら、子育てしていくには共稼ぎや副業は必須。
正規職員の雇用の間口も狭い中、非常勤で仕事のかけ持ちが多い心理職。この状況はこれからも続くと考えられます。
どのように仕事を獲得していくかは今後もひきつづき課題といえます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?