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「箱」を私の日曜日に適用する:アービンジャー・インスティチュート『自分の小さな「箱」から脱出する方法』

本書は、日本では2006年に発売されベストセラーにもなったそうなので、タイトルをご存知の方も多いかもしれません。

著者のアービンジャー・インスティチュートの拠点はアメリカ。
行動学・心理学の分野から、特に自己欺瞞をテーマとして研究を続け、個人や組織の意識改革や生産性向上の問題に取り組んでいる団体だそうです。

遅ればせながら読んだところ、もう少し気持ちよく過ごせるようになるかもしれない!と希望が湧いたのでメモ。

本書の要点はいろいろなところにまとめられているので、自分の生活の中に適用するとどうなるか、ということを書きます。

「箱」の中に入ると色々うまくいかない


自分なりの解釈として、「箱」の中にいる状況とはこんな感じ。

・相手のために行動をし損なうと、それを正当化するために相手を責めたくなる
・自分を正当化し続けるために、相手を実際以上にひどいやつに仕立てる
・相手も「箱」の中に入れてしまい、お互いに責め合う

実際に自分の生活の中で意識するために、おさえておきたいのはこんなところ。

・相手を責めても状況はなんら改善しない
・責めたくなった時にはもう「箱」の中
・相手が何をしてくれなかったかではなく、自分が何をしなかったかに注目する

重要なのはこれ。

・心の中の本心は、大体相手に伝わっている

これは、心の中で相手を責める気持ちがあれば、たとえ優しく振る舞っても相手の反感を買ってしまうのだということ。

「私の日曜日問題」に適用するとこうなる


状況:日曜日の朝、なんだか夫がぼーっとだるそう

今まで:それを見て私がイライラ。家事も子どものことも私ばっかりやってるよ!と夫を責める

「箱」を踏まえて:だるそうだからもう1杯コーヒ飲む?など安心させるような声で話しかける。午前の予定少しずらそうか?と確認する。
などなど、夫のためになることで、かつ自分ができることをする。

これ、今までも行動としてはやってみたこともあった。けど、もちろん心の中では「なんで私ばっかり」って思いながら、不満たらたらでやっていたわけです。
(本書でいう「箱」の中に入っている状態。その状態で何か行動しても、大抵うまくいかない)

それだと、私の責める気持ちが(例え優しげな行動を取っていたとしても)夫に伝わっちゃっているので夫はよく思わないし、結局なんだかうまくいかない

でも、そんなことできる?

えー自分ばっかり優しくなんてできないよ、と私も思った。
でも、たぶんできるのです。

なぜなら、そもそも私の望みは「家族で楽しく日曜日を過ごすこと」だったから。
だるそうな夫にイライラしたのも、単に私の代わりに家事や子どものお世話をして欲しかっただけでなく、一緒に楽しく過ごしたかったから。

私は、自分が今楽しくない!という状況に頭がいっぱいで、同じようになんらかの意思を持って日曜日を生きている夫の気持ちは、自分の気持ちよりも優先する必要のないものとみなしていたわけです。

でもここで相手を責めるという手法はどう考えても悪手です。本来の目的が叶わない方向へ自ら走り出している…

ここを理解できれば、つまり本来の目的を意識すれば、そのためになら頑張れそう。だって何かしたいことがあって、自分の行動でそれが叶うなら、たぶんやる。

基本的なことだからこそ

たぶんこれって「相手の立場に立って考える」という、幼稚園くらいの時に教わってきたことなのでは…。

すごく基本的なことなんだけど、できていない。
自分を囲む状況がどんどん複雑になる中で、(恋人、妻、母と役割も増えていく、いろんな「私」でいることが必要になる)基本に立ち返ることは重要だと感じました。

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』、読んだことのない方は一読の価値ありです。

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