立て札の前で、思案してしまいました
毎朝、近くの公園でラジオ体操をしています。
その後、公園をぐるりと散歩。
草花や木々に季節の移ろいを感じる癒しのひとときです。
ところが、あまりにもたくさんの立て看板が・・・。
「猫にえさをやらないでください」
「バーベキュー禁止」
「ハトなどの鳥にエサをやらないでください」
「ボール投げ禁止」
「ゴミは家に持ち帰ってください」
「トイレの壁にボールをぶつけない」
「トイレの中で寝泊まりしないでください」
「タバコが苦手な人に配慮してください」
「犬のふんは買主が持ち帰ってください」
「禁止」と「しないでください」の嵐でうんざりです。
それでも、毎朝、ハトにエサをやっているオジサンがいます。
花見の時には、バーべキューをする人が後を絶ちません。
さて、「真正極楽寺 真如堂」を参拝した時のことです。
境内の立て看板(写真)の「謹告」に目が留まりました。
普通なら、
「犬の散歩禁止」
あるいは、
「犬の散歩はお断りします」
と書くところでしょう。
それが、
「犬の散歩をお断りするか・・・思案中です」
と書かれているではありませんか。
「思案中」
たった三文字ですが、きっと、こう言いたいのではないかと思いました。
「ここは、檀家さんも、地域のみなさんも、そして観光客の皆さんも自由に入っていただける場所です。
中には、犬の散歩コースにされている方もいらっしゃるでしょう。
でも、ほんの一握りの方が、その犬の糞の後始末を怠っておられるため、
他のみなさんが不快な思いをされています。
わざわざ当山に、遠方からいらっしゃった観光客の方が、
犬のふんを踏んづけてしまったシーンを思い浮かべてみてください。
それは、京都人として、この寺の近辺に暮らす者として恥ずかしい気持ちにならないでしょうか。
あえて、「禁止」とは書きません。
寺は修業の場です。
己を見つめ直し、生き方を修正するところでもあります。
だから・・・みなさん、自分の行いを振り返ってみてくださいね」
ご住職の深い思いを読み取ることができるのでした。
この立て札の効き目があったことを祈るばかりです。