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『全修。』:補訂版『滅びゆく物語』のストーリー内容
『全修。』は第7話までのストーリー展開の結果、主人公・広瀬ナツ子が入り込んだ世界が元の映画『滅びゆく物語』本来の姿とは大きく乖離してしまった。そこに現れたラスボスと目される鳥監督の「(こんな展開で)いいわけないだろ」のセリフ。意味深だ。
ここであらためて『全修。』の今後の展開を左右する要素である映画『滅びゆく物語』が本来はどんな内容だったのか、そして制作者・鶴山亀太郎が映画に込めたメッセージは何かを考えてみたい。
新情報について
『全修。』の舞台となっている映画『滅びゆく物語』の内容を本作第3話放映後(&第4話あらすじ公開後)の時点で大胆に推測してみた。興味がある人は(ほぼいないと思いますが)下記エントリーをご参照いただきたい。
その後の『全修。』のストーリー展開で映画『滅びゆく物語』の情報が追加公開されている。特に第7話のナツ子回で多くの情報が判明した。主な情報源ごとに一部は推測も含めてまとめると次のとおりだ。
ナツ子のセリフなどからの情報
8つ目のソウルフューチャーが失われた戦いでナインソルジャーのガンガーが死亡(かつ、ジャスティスが大怪我を負う)
最後の街にナインソルジャーのチンゴスマン、アドミラル、カピタン、ガンガーの墓があり、彼らが既に死亡していることがかわる
ジャスティスが墓に向かって話しかけていることも傍証
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『全修。』第6話より
特集記事の情報:その1
第7話で小学生のナツ子が写本していた鶴山亀太郎の特集記事に映画『滅びゆく物語』の設定やストーリー展開が載っている。
この世界の9つの国は互いのソウルフューチャーを奪い合い、争っていた
突如ヴォイドの襲撃が始まり、9つの国は共闘を開始
(おそらく)これを契機にナインソルジャーが各国から選出される
最後の街が襲撃された際、デステニーは子供たちを守るために盾となり、蟻ヴォイドに刺されて死亡
仲間、愛する人を失ったルークは世界にただ絶望するだけ
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特集記事の情報:その2
同じく第7話で、監督デビューしたナツ子の特集記事があり、ナツ子が映画『滅びゆく物語』の思い出を語るインタビュー記事が載っている。
ルークはギリギリの状況になるまで滅びゆく世界を守って戦っている
(ルークは)最後はあんなことになってしまった
最後まで生き残ったのはQJ
ナツ子の発言順から推測すると、ナインソルジャーはチンゴスマン→カピタン→アドミラル→ガンガーの順で戦いの中で死亡してしまったのではないかと思われる
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同じく第7話では小学生のナツ子がルークのことを思い出し、「ルーーークーーー!!!」と絶叫して涙するシーンが描かれており、ナツ子のインタビュー記事にある「最後はあんなこと」が相当深刻な状況だと推測される。
映画『滅びゆく物語』の内容:補訂版
以上の新情報をもとに、映画『滅びゆく物語』がどのようなストーリー展開だったのか、推測内容をアップデートしてみる。
9つの国が互いのソウルフューチャーを巡って争っている
光の国でルーク誕生、生まれたときから「伝説の勇者」として育てられる
ユニオ誕生、ルークの守護獣となる
ルーク、戦いの日々で成長していく
--- 映画『滅びゆく物語』はこのあたりからスタートか?
突如、各国がヴォイドの襲来を受ける
いくつかの国(おそらく3か国くらい)のソウルフューチャーがヴォイドに食べられる
9つの国の住人たちが協力し、対ヴォイドのためにナインソルジャーを選出する
(余談だが、もともと争っていた国同士なので、どこがが滅ぶくらい深刻な状況にならないと共闘しないだろうとこの順にした)
ナインソルジャーとヴォイドの戦い始まる
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いくつかの戦いでナインソルジャーが勝利を収めるが、ヴォイドに押され、徐々に劣勢となる
ルークの両親が死亡(このあたりの詳細は不明)
ヴォイドとの戦いでチンゴスマン死亡
ヴォイドとの戦いでカピタン死亡
ヴォイドとの戦いでアドミラル死亡
ヴォイドとの戦いでガンガー死亡
8つ目のソウルフューチャーが失われる
ジャスティスが大怪我を負う
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ルークたち生き残ったナインソルジャーが最後の街にたどり着く
最後の街にヴォイド襲来(1回目)&撃退
最後の街にヴォイド襲来(2回目?)&撃退
(現在の展開ではナツ子を救ったのがこのとき)最後の街に陸のヴォイドの大群が襲来
戦いの中、ユニオが自爆魔法を使って死亡
最後の街に空のヴォイドの大群が襲来
住民が多数犠牲となり、農作物が大被害を受ける
ユニオと住民の合同葬式を実施
ルークとデステニーが出会う
最後の街にヴォイド(おそらく単体)が侵入
デステニーがヴォイドに襲われるがルークが撃退
ルークとデステニーが恋に落ちる
最後の街に司祭に擬態したヴォイドが侵入
超空洞ヴォイドに化けたメメルンがルークを殺そうとする
ルークとの戦いに敗れ、メメルン死亡
(詳細不明)
ヴォイドとの戦いでジャスティス死亡
(詳細不明)
最後の街にヴォイドの大群(?)が襲来
デステニー、蟻ヴォイドに刺されて死亡
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超空洞ヴォイドの誕生(?)
ルーク、超空洞ヴォイドと相打ちになって死亡(?)
超空洞ヴォイドの消滅により、世界にソウルフューチャーが戻る(?)
(死んだルークの体から生まれたのかも)
生き残ったQJ、勇者たちの戦いを後世に語り継ぐことを決意(?)
ーーー 映画『滅びゆく物語』の終わり
物語に込められたメッセージは?
いやー、書いていて自分でも訳わからなくなってきた。私は何のためにこんなことやってるんだ??? かなり長文になってきたので読んでくれている人は限られていると思うが、さらに追加すると、最後の街にはこれまでに滅んだ国や街の住民たちが流れ込んできているようだ。
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そのため多様な人類、亜人類がいるのだが、その中にほとんど見当たらないのが、石人系(ガンガーの仲間)、ドワーフ(カピタンの仲間)、魚人系(アドミラルの仲間)、機械仕掛けの国出身者(QJの仲間)なので、これらの国が映画の早い段階で滅んだと推測される。
さて、そんな映画『滅びゆく物語』だが、制作者の鶴山亀太郎はこの物語にどんなメッセージを込めたのだろうか。これまた第7話で情報が公開されている。鶴山亀太郎の特集記事の内容から列挙すると、
鶴山にとって初のオリジナル映画
構想期間は20年、仕事の合間などで常に構想を練っていた
壮大な物語を1つの作品にまとめることに苦心
キャラクターそれぞれのバックストーリーや成長を描くために多くの時間が必要だった
あとはアクションシーンとドラマのバランス。観客を飽きさせずにメッセージを伝えることができるのか悩んだ
映画の出来はそれなり。損はしないと思うから1回は観てほしい
アニメ制作技術の進歩はアニメ制作プロセスを大きく変えた。しかし技術はストーリーテリングの手段に過ぎない
本質的なストーリーやメッセージが欠けては作品として意味がない
ということだ。
結果的に『滅びゆく物語』は「平成最大の爆死映画」と酷評されるのだが、鶴山亀太郎が強い想いをもってこの映画にメッセージを込めたことは間違いないと思う。
そして、その内容が表現された箇所を推測すると、
戦いの中で次々と死んでいく、ルークの愛する人や仲間たち
映画世界のルークは「世界にただ絶望するだけ」
それでもルークはギリギリの状況になるまで滅びゆく世界を守って戦う
最後はあんなことになってしまう
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となるだろう。ということで、映画『滅びゆく物語』に込められたメッセージについての私の推測は前回と変わらず、
崇高な使命を背負った人間なら、過酷な運命を乗り越えて生き抜き、戦い抜き、力を尽くして使命を果たす責務がある。
大義を重んじ、個人の願望や命をも犠牲にしてなお使命を果たした人物は賞賛に値する。
となる。
そして、推測が当たっていてこれが鶴山亀太郎の想いだとすれば、現在『全修。』で描かれている『滅びゆく物語』の幸せ過ぎる世界は、鳥監督の言うとおり「いいわけないだろ」となり、予告PVにあった「何をやってもムダだよ」のセリフが暗示する不穏な展開がこの先に待ち構えていると予想される。
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鳥監督=鶴山亀太郎は『滅びゆく物語』の世界の創造主として強力な能力を有していると思われ、ナツ子やナインソルジャーたちを絶望の淵に追い落そうとするだろう。
ナツ子はそれにどう対抗するのか、その困難を乗り越えることができるのか。今後の『全修。』の展開に目が離せない。
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