ラノベ原作アニメに期待していいこと、ダメなこと(その1)
毎シーズン大量の作品が放映される現在のアニメ業界。限られた時間の中で、ここから何を視聴し、何は見送るのか、誰もが課題を抱えていると思う。面白く評判になる作品に乗り遅れたくない、つまらない作品に時間を浪費したくないなど、考え方は人によって様々だ。
私の望みは何よりも「素晴らしい物語に出会いたい」で、実現にあたって乗り越えるべき壁が毎シーズン多数放映される「ラノベ原作アニメ」との付き合い方だ。来シーズンの放映が始まる前に、これに関して1つの結論が出たので紹介したい。
(以下の内容は個人の意見で、タイトル画像の書籍とは無関係です)
まず結論から
この結論にいたる過程は順に説明していくが、まず現時点での私の考えは次の通り。
一般的なおすすめ方針
オリジナルアニメは「1話切り」
もちろん全部を1話切りせよと言っているのではなく、まず第1話を見て、自分に合わないと感じたら1話時点ですぐに切るのがよいという意味で使っている。
このご時世、知名度で不利な原作なしのオリジナルアニメを製作するのは、関係者に相当の覚悟と気合いが必要だ。
1クールの限られた長さで物語として完成させることに全力を注ぎ、第1話から最終話までの作品構成と展開を細部まで設計し、第1話で確実に視聴者の関心をつかむ必要がある。
それが出来てない、そう感じられない作品は全体の完成度も期待できない可能性が極めて高い。よって、1話切り。
逆に言えば、オリジナルアニメは上記のような意気込みで制作されているはずなので、第1話は必ず見るべきだ。事前の先入観や他人のいい加減な評価に惑わされるのではなく、第1話を視聴して自分の感性で作品を評価してほしいと強く思う。
ラノベ原作/マンガ原作アニメは数話視聴して判断
原作が好きならアニメも見ればいいので、問題は原作未読の場合だ。そして、ラノベやマンガを原作とするアニメは、原作なしのオリジナルアニメとは異なる作品として評価すべきと考えている(理由は追々説明する)
ラノベやマンガ原作アニメの場合、1話、2話の視聴では作品が自分に合うかどうか判断は難しいと思う。
なぜなら、ラノベやマンガはストーリー展開の自由度が高く、途中で自分好みの内容に変わる可能性が十分にあるからだ。辛抱して数話見て、それから継続するかどうかを判断すればよいと思う。
私自身の個人的な視聴方針
オリジナルアニメは「1話切り」
これは上記の方針と同じラノベ原作アニメは「0話切り」(ラノベのコミカライズを含む)
私は今後、ラノベ原作のアニメは原則見ないことに決めた(これまた理由は後述)マンガ原作アニメは数話視聴して判断
最近の私はマンガはほぼ読まないので、ほとんどのアニメが上記の「原作未読」の場合にあたり、視聴方針は上記と同じだ。
ただし、数話視聴するにしても、その対象とするのは原作の評判をみて、自分に合いそうだと感じたものだけに絞るつもり。
「ラノベとマンガで違いが出るのはなぜか?」がポイントで、ここを現在言語化中。徐々に考えがまとまってきているので、追々説明していきたい。
事前のお断り
さて例によって「最初に言っておく!」なのだが、これから扱っていく話題はとても微妙な内容だ。
世間的に定義が定まってない概念や用語が登場
それぞれの主語が大きい
各用語が示している範囲が時によって人によってブレる
各用語や概念について、読み手によって受け取り方が様々
どんな物でも例外はある
ということで、ここで書いている内容はあくまでも個人の見解であり、私自身にとっては1つの判断軸になるものだが、これに対して意見・フィードバック・批判をもらっても適切な応答が難しい場合もあるので、ご了解いただきたい。
考え始めた契機
こうした内容を考え始めたのは、主に以下の2つをきっかけとしている。
1.『異世界失格』
下記エントリーでも述べたが、私は第1話視聴時点で『異世界失格』にとても期待していた。しかし、この期待感が中盤以降で如実に失速し、最後は失望に変わってしまった(あくまでも私の印象では)
この原因の1つが、原作マンガにとっては連載を続けること、ストーリーを先へ先へと継続させることに主眼があるため、そもそも私が求める物語と合致しない可能性が最初から高かったのではないかと感じたことだ。
2.『けものフレンズ』
ちょっとした酔狂で今年(2024年)になって『けものフレンズ(シーズン1)』を視聴した(自分なりに大変な経験だった)のだが、その中で大きな気づきがあった。
それは「ストーリー」と「シチュエーション」の違いだ。
「ストーリー」と「シチュエーション」の違いの概略は上記エントリーに記載した通りで、私が求めているのは「ストーリー」であって「シチュエーション」ではない。
その一方で、毎シーズン放映されるアニメ作品の多くが「ストーリー」ではなく「シチュエーション」を描いていると解釈している。
そして、物語でこの2つのどちらが中心に描かれているかを事前に判別できるかもしれないと考えたのが、今回の内容につながっている(これまた詳細は追々書いていく)
ラノベ的作品の読書歴(の一部)
上記の結論を読むと、私はラノベを軽視する立場のように受け取られかねないので、必ずしもそうではないことを弁解するために、若い頃の読書歴の一部を紹介しておきたい。
(でも、さすがに最近はラノベは読まない。そして、これがすべての結論かもしれない)
ノベライズ版『天空の城ラピュタ』
子供の頃はアニメを自由に見られる環境になく、上映中の映画を映画館で見るなど無理だった。そこで映像作品を見ずにノベライズ版でラピュタに初めて触れた。ラストのパズーとシータの別れのシーンがとても印象に残っている『黄金拍車』
個人的にはラノベの始祖に位置すると認識している作品。麗しのエトワールのために奔走する主人公は読者が自己投影する存在で、その後のラノベの作りそのものだと思う『青の騎士ベルゼルガ物語』(当然『絶叫の騎士』も)
『ボトムズ』からここに進んだ人は多いと思う。最近、子供がやっているゲームにパイルバンカーが登場していて個人的に盛り上がった『吸血鬼ハンター"D"』
最初に読んだのは『風立ちて"D"』、次が『D‐妖殺行』だった。「妖殺行」はアニメ化されていて、実は最近DVDを購入したばかり『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
高校生の頃に読んで、それなりによい作品だった記憶はあるのだが内容自体は忘れてしまった。これまた最近になって劇場版が公開されたが未視聴だ。今ではガンダムには興味がないので『ロードス島戦記』
誰もが知る、和製ファンタジーの元祖ともいうべき作品(『ロード・オブ・ザ・リング』の和風翻訳だけど)オルソンとシーリスの話は今でも印象に残っている
こんな感じだ。
ということで、ここから本論に入るつもりだったのだが、事前情報の説明でいい感じの文字数になって区切りもよいので、続きは別エントリーとしたい。
ともかく、これから始まる2025年冬アニメでは早速、
オリジナルアニメは必ず第1話を見る
ラノベ原作アニメは最初から見ない
でやってみるつもりだ。さて、どうなることやら。
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