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『ネガポジアングラー』2024年秋・オリジナルアニメ:序盤レビュー
私が視聴している今シーズン(2024年秋アニメ)のオリジナル作品3作の中で、第1話時点で最も評価が難しいと感じたのが『ネガポジアングラー』だ。
ここまでの展開を振り返り、今後の期待などを軽く述べたい。
(これを書いている時点で第4話まで視聴済で、この範囲のネタバレを含みます)
物語はどう進んだか
『ネガポジアングラー』の第1話を見終えた時点でこの物語の特徴と今後の要点を次のように考えていた。
テーマは「人生」と「釣り」
この2つのどちらに重点があるかは未知数
借金の取立て屋はコメディ要素
主人公の「余命2年」にどう決着をつけるかが鍵
そして第4話まで見終えたところ、内容は釣り一色になりつつあり、その一方で物語の発端となった借金問題は解決してしまったらしい。
(あの3人組はもう出てこないってこと?)
主人公・ヒロの借金問題はハナや貴明といった釣りメンバーとの偶然の出会いを演出したわけだが、役目がそれだけだったとするとちょっと拍子抜けかなと思う。
キャラクターの掘り下げについて
前回も書いたが、主人公のヒロには全く好感が持てない。しかし、長い人生の中で不運な巡りあわせが避けられない場合もあるので、誰もが彼と同じ境遇に陥る可能性を考えれば共感できるところはあると思っていた。
しかし、病気の件をひとまず置くと、主人公の借金問題は全く共感できない。楽して儲けようとFXに手を出し、それに失敗して借金を膨らますなどダメ人間の典型だ。しかも、その借金に向き合わずに逃げ回るのもダメダメだ。
一方で、その借金問題の解決に手を貸した貴明は、それを行うだけの理由がありそうで、一瞬ではあるがフラッシュバックでそれを暗示されていた。物語創作の面では、彼の人物設計は相当深い所まで検討されているように感じる。
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これはもう1人のメインキャラ・ハナも同様で、両親の離婚問題、1人でコンビニ2階に住んでいることなどいろいろと訳ありで、それがハナという人物の現在像につながっている。コンビニの店長も同様。
こうした人物関係の設定が今後の物語展開に活きてきそうだし、その意味では同時期に放映中のオリジナルアニメ(『まほなれ』『メカウデ』)とは一線を画す完成度につながっていく期待は高いと思う。
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残った重大な問題
上にも書いたが主人公・ヒロは医者から「余命2年」を宣告されている。それ以降、第4話までこの問題には深く触れられてないが、どこかで回収する展開は絶対に必要だ。
もしかすると、シーズン1は物語の中で半年くらいしか時間経過せず、この問題を先送りしてしまう可能性もゼロではないが、それではこの設定が最初から不要だ。
今後の伏線になっているかもと思うのは、借金の取立て屋から逃げ回るときのヒロの元気っぷりだ。
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(『ネガポジアングラー』シーズン1・第3話より)
取立て屋から逃げに逃げて、結局逃げ切ってしまうのだが、余命2年にしては元気過ぎない?
このあたりに物語の落としどころが隠されているのかもしれない。ともかく、制作陣が「余命2年」の設定を軽視せず、物語にしっかり組み込んでくれていることを期待しつつ、続きの物語を見守っていきたい。
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