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2025年冬アニメ:視聴候補を予習する

放映開始が目前に迫った2025年冬アニメ。このシーズンも主にオリジナル作品に注目して視聴する方針で考えている。そして過去エントリーで宣言した「1話切り」にトライする初めてのシーズンとなる。(興味がある方は下記ご参照)

前シーズンは全く事前情報なしで『ネガグラ』『まほなれ』『メカウデ』の各作品を見始めたのだが、やはり放映開始前のマーケティングで展開される情報も踏まえて、作品本編が制作されていると推測されるので、今シーズは各作品のPVやキャラ紹介を前もって一通り確認した。
それらの情報に基づき、視聴候補に挙げている作品への期待を述べたい。


『全修。』

MAPPA制作のオリジナルアニメ

異世界転生モノ。現時点では今回の視聴候補の中で本作への関心が最も高い。
なろう系をはじめとするラノベで散々描かれてきた異世界転生という題材をあえてモチーフとするからには、何か相当な工夫や捻りがあると期待される。

MAPPAと言えば「アイドル」×「ゾンビ」のかつてないイノベーションをモチーフに取り込んだ作品が思い出されるが、今回は物語の創作者が創作物の中に入り込む異世界モノ。創作者ならでは能力をどう活かすのかが展開の肝になりそうだ。

本作の展開を予想しておくために、参考図書の文章を引用すると、

ストーリーで最も重要な瞬間は、登場人物が周囲からプラスの反応が返ってくることを予想して行動を起こしたのに、結果として敵対する力を呼び起こしてしまうときだ。登場人物の世界では、予想とは異なる反応や予想以上に強い反応、あるいはその両方が起こる。

『ストーリー』ロバート・マッキー著より

『全修。』では、主人公が子供の頃に没頭した物語の中に入り込む展開が予告されている。その物語は鬱展開を伴う、バッドエンド(?)につながっているらしい。
おそらく主人公はその展開を阻止し、物語の進展に自分が望む方向へ影響を与えようと、創作者ならではのスキルを活かして物語世界への干渉を試みるだろう。これが「プラスの反応」を期待する行動だ。

しかし、物語の環境は主人公のそうした事前予想を裏切る、もしくは想定以上の極端な反応を返してきて、主人公の期待通りには進展してくれない。
これが主人公の障害となり、葛藤を呼び起こし、ストーリーが展開されていくのだろう。

そこで鍵になるのが予告での主人公のセリフ「自分でやった方が早い」だと予想する。主人公はアニメ制作の能力が高いため何でも自力で解決を目指し、仲間を信用して任せることができないようだ。
これが主人公がこの物語で克服すべき課題の1つであり、転生先の世界でも同じように自力で課題解決を試みるがうまくいかない展開に陥るはずだ。
打開策は仲間を信じ、仲間と協力して事態に対処することであり、それに主人公はどのように気づき、どう行動するのだろうか。

こうした物語展開の中で、本作ならではの、そしてこの物語の主人公ならではのドラマが描ければ良作になると期待される。

逆に物語の展開に意外性がないと、期待の大きさに反比例して作品への評価が厳しくなると思う。

『空色ユーティリティ』

Yostar Pictures制作のオリジナルアニメ

ゴルフをモチーフとした女子高生のコメディもの、らしい。
公式サイトの限られた情報だけから想像すると本作のジャンルは「金の羊毛」と予想される。
が、一方でオッサン視聴者を狙って、女子高生がワキャワキャするのを見せるだけが目的の可能性もある。なんせゴルフだからね、、、
(ちなみに私はゴルフやらないし、ゴルフ自体に興味ないです)

と書いていたら、数年前に習作的なショートアニメが既に制作されていたようで、公式サイトで視聴したらごく普通にゴルフするストーリーだった。逆に言えば、ありきたりの内容で本作ならではの独創性は感じられなかった。

何か新しいことに取り組み始めた主人公が成長していく様子を描くのは定番中の定番で、例えばハリウッドで『スパイダーマン』や『バットマン』が繰り返しリメイクされるのは、始まりの物語が一番面白いからだ。

本作もゴルフに興味を持ち、ゴルフを始め、ゴルフの難しさにつまずき、それでもゴルフを好きで上達を目指す主人公の姿が描かれると予想される。
そうした定番展開の中で、本作ならではの要素をどう盛り込んでいくのか作品の要点になるだろう。

『もめんたりー・リリィ』

GoHands制作のオリジナルアニメ

オリジナルアニメなので視聴候補に挙げているのだが、今回取り上げた中でもっとも地雷臭がするのが本作だ。
あまり予断を持ちすぎるのは良くないが、PVを見た印象では私が求める作品とは程遠い雰囲気をひしひしと感じる。
バトルと料理がモチーフらしいが、どんな物語になるのか全く想像がつかない。

映像面ではバトルシーンでの派手な動きがウリなのかな? あとはキャラの髪の動きにこだわっているので「すごいでしょ!見て!見て!見て!」感が強い。

でも、こういうの、わざわざアニメにする必要なくなくない?
ビデオゲームやってればいいんじゃない???

『誰ソ彼ホテル』

ピー・アール・エー制作のゲーム原作アニメ

本作はオリジナル作品ではないが、個人的に異色枠として候補に挙げた。
一般論として、ゲームのシナリオは事前に緻密に作り込んでいく必要があるし、そうだとすればゲーム原作のアニメも物語の開始から終了まで緻密な展開を見せるかもしれない。

本作にはそれを期待しているので、他のオリジナル作品同様に第1話の完成度が期待に満たなければ1話切りする方針。


さしあたっての視聴候補は以上で、各作品の第1話を視聴して「1話切り」するか、視聴を継続するかを判断していきたい。
判断基準は2024年秋アニメでトライした方式を踏襲する予定(詳細は下記エントリーにて)で、第1話に関しては物語の構造分析を中心にできるだけ細部まで詳しく見ていこうと考えている。

ということで、2025年冬アニメが開始目前で、はやい作品は1月2日に放映予定だ。冬休み中に可能な限り第1話レビューを書いてしまいたいと思っている。

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