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Circo de NEMO まえがき

◆◇「Circo de NEMO シルコ・デ・ニーモ」12/14(土)〜12/15(日)◆◇
詳細・チケット情報 https://momokakihara.tumblr.com/NEMO

神楽坂・コ本やにて12/14-15の2日間上演する「シルコ・デ・ニーモ」。
踊りと音楽のライブパフォーマンスである。
この”まえがき”ではご来場・チケット購入を検討していただく参考になれば・・と、どんな人が、どんな場所で、どんなことをしようとしているのか、を企画・出演の木原萌花ができるだけ詳しく解説。

言葉の無いダンスというものを、言葉でどれだけ解説できるのかという問いを持ちつつ、文章を読んでからダンスを見るという道筋には、また違った楽しみがあるかもしれないとも思う。
観劇を迷っている方、背景や制作過程に興味がある方、お好みでお読みください。

はじめに

はじめまして。木原萌花と申します。ひとり遊びが得意な性質を活かして(?)2023年/2024年の2回、ソロパフォーマンス「タコダンス」を企画・上演しました。
タコダンスについてはこちら!「タコダンスまえがき」

高校卒業してから日本のバレエ団に入り、バレエダンサーとして仕事をスタートしました。海外の作品や職業ダンサーとしての生活に憧れてヨーロッパへ行き、幸いにクロアチアという国で働く経験もできました。日本に帰ってからも出会いに恵まれ、5年ほどzer○というダンスグループに参加したり、劇場や劇場以外の色々な場所で踊ったり面白い経験もしました。
今はフリーとなっていますが、自分一人では到達できないところがあるなと薄々気づき始めて数年経ち、今まで出会った強力で信頼できる方々と、上演をつくるプロジェクトチーム「NEMO(ネモ)」を立ち上げました。出来立てほやほやです。

そのような木原萌花 / NEMOがお届けするパフォーマンスとなります。


タイトルについて_”誰でもない”を囲む

Circo de NEMO(シルコデニーモ)という覚えにくいタイトルはどこからやってきたのでしょうか。もはや、汁粉と覚えてくださいと言いたいです。

「nemo」は、ラテン語で「nobody」「誰でもない」の意味です。

ここ数年持っている仮説で、人が自分以外に力を注いでいる時、却ってその人自身がよく見えるのではないかなと思っています。そのような瞬間を生み出したいと思って踊りや振付を考えています。例えば職人さんが一心に品物を作っている姿が美しいと感じるようなこと、夢中になる、や、無心、と言ってもいいのかもしれません。
その時、自分が誰だとかどう見えているとかはどこかへ行ってしまって、やっていることそのものになっている”誰でもない”状態だなと思って。
その状態・瞬間を「nemo」と(勝手に私が)呼ぶことにしました。

「circo」は直訳すると「サーカス」ですが、元々は何本かの道路が集まってくる中心にあるような広場、円形広場の意味だったそうです。

”nemoを囲む時間” という意味で「Circo de NEMO シルコデニーモ」というタイトルをつけました。もっとわかりやすい名前にした方がいいかな?と思いつつ、しっくりと来たこちらに落ち着きました。

ダンスや音楽の場合、職人にとっての品物に当たるものは何か。何を心血注いでつくっているのか。動きそのもの?音色?リズム?熱量?ストーリー?
・・・
お客さんに見てもらう場であるなら、踊っている私とお客さんの「間」にある空間の、形や色や味を変えていくことで、何か伝わるのではないか、と思って作ったのが前作のソロ「タコダンス」でした。

今回は1人ではなく、フルート奏者の竹内あすかさん、作曲家の宗像礼さんと私の3人で作っています。
宗像礼さんとの創作について
内容は全く別物ですが、ある意味誰かと一緒にタコダンス、をチャレンジしているのかもしれないです。3人の、無心に何かをやっている様子を眺めるような、時間をせっせとつくっています。
また、これも実験的に、場の調整役として大迫健司さんにも参加していただいています。今の段階では上手く説明できないので追ってまた書こうと思います。

会場のコ本やについて

駅で言うと神楽坂と江戸川橋の間、普通に歩いているだけではなかなか発見できないビルの2階に、「コ本や」と言う書店兼プロジェクトスペースがあります。私は知人のイベントがきっかけで初めて訪れました。
コ本や honkbooks のページ

本は子供の頃から身近な存在です。はい、図書館の虫タイプでした。
膨大に並んだ本棚は、わくわくすると同時に、一生かかっても全てを読むことはできないんだろうな・・と言う一種の畏怖というか、圧迫感を感じる対象でもあった感じを思い出します。しかも一冊に作者の世界や主張がぎっちり詰まっている。その執着の強さみたいな。それでいて、好きになった本の作者を勝手に仲間か相棒のように感じるあの感じとか。
コ本やさんは大きくはないですが、独特のラインナップで宝探しが楽しいお店です。

青柳菜摘/だつお(アーティスト)、中島百合絵(企画制作ディレクター)さんが主宰している「コ本や honkbooks」は、古書から新しいアートブック、アーティストの細々した作品など、いつ行っても興味を惹かれるものが並んでいます。たまに面白そうなイベントも開催しています。

周辺には昔ながらの商店街「地蔵通り商店街」(たい焼き、お煎餅などある)、印刷工場、出版社、今風のカフェ、花屋さんetcetc・・・曲がりくねった路地を歩いていると何かしら発見できる街です。働いている人の活気。街歩き、おすすめです。


公演について予め説明しようと思って書いていながら、ここまで読んでいただいた方に、どういうイベントなのかを理解してもらえるような気がしませんが。

場所や言葉やタイミング、どこかのポイントで興味を持ってくださった方はぜひ公演にいらしていただけたら嬉しいです。


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