旅と計画とわたし
毎回、完全個人手配の旅行なのだけど、よく「すごいね、大変じゃない?めんどくさくない?」と聞かれるので、いかにその【計画】が楽しいものかを伝えたい記事を書いてみる。
計画はじめ
2019年秋頃。入籍して1年半あたりたったところで「そろそろ新婚旅行考えようか」ということになった。
なぜそのタイミングだったか…というと、2019年は夫婦揃ってめちゃくちゃ仕事が忙しく、「休みを取る」と決めて動かない限り、絶対に行けないような気がしたからである。
新婚旅行でフィンランドに行くというのは、入籍前から決まっていた。
(「旅と夫とわたしの目論見」参照)
あとは日程を決めてしまうだけ。
「オーロラが見たい」という希望を叶えるには、時期を選ぶ必要がある。
フィンランドの公式サイトや、科学的な解説のサイトなど色々調べると、オーロラは真冬より春秋の方が、天気的に見られる確率が高いということだ。話始めたのが秋だったため、じゃあ2月終わり〜3月くらいかなという、ざっくりとした日程が決まった。
やりたいことのリスト化
旅行の計画を立てる前、私はまず「やりたいこと・行きたいところ・食べたいものリスト」を箇条書きにする(DropboxPaperに)。
参考になるサイトのリンクも一緒に張っておき、夫の意見も聞きながら優先順位をつけていく。
フィンランド旅のやりたいことリストは次のような感じだった。
【優先順位:高】
・オーロラを見たい
・ガラスドームのホテルに泊まりたい
・ARABIA & iittala に行きたい
・サンタクロースエキスプレスに乗りたい
・Finnair(フィンランド航空)に乗りたい
【優先順位:中】
・犬ぞりやってみたい
・サンタクロースに会いたい
・ヴィンテージショップで食器見たい
・海外でスキーしてみたい
各種予約
わたしは個人旅行派なので(「海外への憧れと趣味の話」参照)、すべて個別で手配して組み合わせる必要がある。
まず一番大事なのは飛行機。
いくら予約が取りづらいホテルが取れても、飛行機に乗れなければ意味がない。しかも私はどうしてもフィンエアーに乗りたかった。
なぜならアメニティや機体のデザインがmarimekkoでおしゃれだから!(ミーハー)
アメニティポーチもクッションもmarimekko
機内お飲み物のカップとペーパーナプキンもmarimekko
可愛すぎでしょ?
そんなわけでFinnairを調べてみると、東京は成田からしか直行便がない。
成田遠い。できれば羽田がいい。絶対羽田からでは行けない国じゃなければ羽田発がいい(帰国後の車移動が成田だとしんどい)
そこで更に調べてみると、羽田発でFinnairに乗れる方法があった。フィンエアーはJALと提携しているので、JALで名古屋または関空まで行き、そこからフィンエアーに乗り換える方法だ(ちなみに2020年後半には、羽田発の直行便が出ることになっている)
名古屋セントレア空港にある、矢場とんキャラが並ぶバゲージ・クレーム
出発や乗り継ぎの時間、フィンランドの到着時間を考慮すると、名古屋経由の便がちょうどよかったので、それに決めた。が、まだここでは航空券は取らない。とりあえず、目処を立ててる日程をざっと見て、何曜日発が安いのか、座席はあいてるのかをチェックするだけにしておく(メモっておく)。
セントレア空港で見たFinnair。そしてその後ろに初めて実物を見れたドリームリフター
次に、もっとも予約が取りづらいものを調べることに。人気のホテルだ。
フィンランドのツアーパンフレットや、テレビなどでよく見るガラスドームのホテルは、この「カクシラウネッタン」というホテルだと思う。
色々調べてみたら、同じようなガラス張りのホテルは他にも2つくらいあった。比較検討したのち、レヴィというスキーリゾートにある「Golden Crown - Levin Iglut」に決定した。
なぜこちらにしたかというと
・スキーリゾートのエリアにある
・リゾート地なので、スキー以外もアクティビティが豊富
・部屋数が少ないのでお客さんも少ない
あとは交通手段。個人旅行なので、自分で手配しやすく、安全な交通手段を考えなければいけない。ここはリゾート地ということもあって、公共の長距離バスという簡単なルートを見つけられた。行ける!
ホテルが決まったところで、部屋の空き状況をチェック。
せっかく行くので2泊はしよう。そして外を眺める側の窓の外には、他の部屋がないグレードの高い部屋にしよう(少しだけ値段が違う)。
だって新婚旅行だもの(呪文)
スケジュールをたてる
ということで、その部屋の空き状況をざっと調べてリスト化し、出国からレヴィまでの行程を逆算する形でスケジュールを決めた。
わたしのスケジュールの立て方は、次のようになっている
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1. 飛行機で6時間以上移動する場合は、なるべく午後に到着する便を選ぶ
早朝着でうっかりチェックイン時にベッドに転がってしまい気付いたら夜!寝れない!時差ボケGO!にならないようにするため
2. 長距離移動の到着後すぐは別の移動を入れない。到着したエリアで1泊する
もう若くはないから、無理は禁物なのじゃよ
3. せっかく長距離移動したならば、そこを満喫できるくらいの日程で滞在する
たまに色んな所に行きたいからと、分刻みでいろんな国に移動する旅を組んでる人いるけど、疲れないのか心配。
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以上を踏まえて、以下のようなスケジュールをたてた。
ヘルシンキに午後に到着
↓
翌日に乗る寝台列車出発駅目の前のホテルで1泊。
↓
翌日の深夜、寝台列車で北極圏へ移動。
↓
昼前着。長距離バスでレヴィまで移動(3時間弱)。
↓
バス停からタクシーを拾い、ゲレンデ内にあるホテルに移動(「サウナ初心者が本場のサウナに行く vol.3」参照)2泊。
↓
夢のガラスイグルーに移動。2泊。
↓
行きと同じバスでロヴァニエミに戻り、寝台列車でヘルシンキへ戻る
↓
ヘルシンキ滞在
ゲレンデホテルに泊まってる間にスキーをし、他の日に犬ぞりでもやるか。
ヘルシンキに戻ってからは1週間くらい滞在しようかねーという、まぁまぁざっくりだけど贅沢なプランができあがった。
やりたいこととスケジュールの確認
ここで、最初に作ったやりたいことのリストを見てみる。
【優先順位:高】
○オーロラを見たい
○ガラスドームのホテルに泊まりたい
○サンタクロースエキスプレスに乗りたい
○Finnair(フィンランド航空)に乗りたい
【優先順位:中】
○犬ぞりやってみたい
○海外でスキーしてみたい
なんとやりたいことリストの半分以上は、この計画でクリア。
さらにヘルシンキでは次の2つは簡単にクリアできる。
【優先順位:高】
○ARABIA & iittala に行きたい
【優先順位:中】
○ヴィンテージショップで食器見たい
そして寝台列車が発着するロヴァニエミは、世界で唯一のサンタクロース村がある街である。バスの時刻表を見ると、ロヴァニエミに着いてから寝台列車の時間まで、軽く6〜7時間はある。
【優先順位:中】
○サンタクロースに会いたい
やりたいことコンプリートである。
まとめ
そんなわけで新婚旅行を思い立った10月のある日、航空券とホテル、寝台列車(サンタクロースエキスプレス)の手配を終わらせた。
ロヴァニエミからレヴィまでのバスは、まだその時点で春の時刻表が出ていなかったために後回し。
スキーやら犬ぞりやらについては、手配をすっかり忘れたまま2月になったのであった(忙しかった…)
というわけで、この「計画」こそが私の趣味なのである。
楽しくない?あれこれ考えて組み合わせていって、ピッタリハマったときのこの快感!全部ツアー会社に任せちゃうなんてもったいないよ!
セントレア空港で買った名古屋のソウルフード「鬼まんじゅう」を、ロシアの上空で食べた。こういうのもまた良い(私は愛知県出身)
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(おまけ)オレサマ的個人旅行の組み立て方
ここまで書いて、私の中では旅行の計画も仕事のやりかたも、たいして変わらない事に気付いた。
・優先順位をつける
・スケジュールを逆算して決める
・効率の良い進め方をいくつかパターンを考えて比較検討する
・詰め込みすぎない
まぁ、「詰め込みすぎない」って点は仕事だとイマイチできていない気もする…(いつも仕事詰め込みすぎって夫に怒られる)
スケジュールの逆算は結構大事で、やりたいこと&行きたいところが休みの日などは最初に確認必須。訪問可能なスケジュールで組まないと後悔することになる(例えば、日曜日にほとんど店が空いていない国に、日曜日に着いたりすると、まじで初日なにもできない)
ただし「スト」とかはどうしようもないので、ストが頻繁に起こるような国に行く時は、「そんならそんで仕方ない」という精神を最初から持っておく。
効率化は私達夫婦の性格の問題なので、参考にならない気がする。
あとこれは計画とはちょっと違うのだけれど、次のことも必ず毎回やるようにしている。
・ DropboxPaperで旅のしおりを作る
・何かあった場合のリカバリ方法を予め調べておく
・保険はきっちりかける(クレカの保険だけじゃ弱いので旅行保険は毎回ちゃんとかける)
・日本にいる家族用(主に夫の家族)に、スケジュール表(日本時間版)と保険の書類などをまとめ、Dropboxで共有しておく
仕事感すごい。でもこれを作っている時間はかなり楽しいので、向いているのだと思う。
実際に使った旅のしおりの一部
予約したものの時間や公式サイトへのリンク、Eチケットへのリンク、ホテルはマップや連絡先など全部まとめて記述しておくと、とりあえずここ見たらなんとかなるのでよい
この他に、人の旅行記などで調べた情報や、雑誌の情報を見て、気になる場所・行きたいお店をチェック。
GoogleMapに旅行先ごとのリストを作ってまとめている。
それは今後の旅行にも役立つし、友人におすすめを聞かれたときにも役立つ。
この計画と準備が本当に楽しい。たまに失敗して、ちょっと値段が高いチケットを買ってしまったり、時間を間違えて予約しちゃったりでトラブルもあったのだけど、それもまた思い出になる。
全部自分でやると、旅行が終わったときに「達成感」というものも味わえるので、ちょっとお得だと思うの。
そんなわけで、おまけのオレオレ旅計画話はここまで。
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余談だけど、今回はオーロラは目視できず(前回の記事の写真のみ)。
なぜなら、うっかり月の満ち欠けのことを調べるのを忘れていた。
めっちゃ月が明るい時期だったうえに、太陽フレアさんのタイミングがいまいちだった。
とはいえ、夫も私もそこにガッカリすることがまったくないほど、この北極圏の旅を満喫できた。最高の旅だった。
オーロラはまたいつか確率の高いエリアを狙って行くつもり。
TOP写真:北極圏の上空。白いのは氷の大地。すごすぎてずっと見てた。