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芸と人。人と芸。NHK新人落語大賞での柳家権太楼師匠の「目」

巧い人、芸のある人が必ずしも評価されたり報われたりするほど世の中は甘くない。
甘くないどころか、もしかしたら、結構な割合で、ないことも多い。

NHK新人落語大賞、審査員のひとりである柳家権太楼師匠は、
これまで生きてこられた中で、御自身はもちろん、たくさんの芸人と出会って、
そんなことをきっとわかりすぎるほどわかっておられて。
だから、芸を人をちゃんと観て、出場者ひとりひとりにちゃんと伝えるのだろうと思います。

時に〝公開処刑〟と言われるほどにグサリと、
褒め言葉だけでなく本気本音のアドバイスを、言葉を選びながらも、嘘いつわりなく。

適当に観ない、ちゃんと観る。ちゃんと観て、ちゃんと伝える。
お世辞もよいしょもしない。
でも、これほどまでの芸と芸歴があっても、「上から」観ない、「上から」言わない。
同じ芸界に現役で生きる芸人として、でも先人として。

そうすることが、先に生きてきた者の役目であり、
これからの若者たちに芸界のこれから日本のこれからを託す者の役目と責任として。
奢らず、歳だからと下手に出ることもなく。

だから、あたたかくもピシャリ、ピシャリでもあたたかいのだろうと思います。

ああ、こういう目をもち、こういう風に人と接したい、人に伝えたい。
己も表現や言葉で生きるものとして、人として、書き屋として人として。
私はまだまだ(若くはないけど)ベテランや大御所でないけど、人と人、芸と人に向き合ううえで。

毎年楽しみにしている『NHK新人落語大賞』を観るたびに、そんなことを思わされます。胸が熱くなります。
賛否はあるかもしれないけれど賞レースという場だからこそ出てくる芸たち、その芸をみせる若く輝く東西の噺家さんたちの芸と人。
そして、その芸を審査する審査員、の中でも、この人、権太楼師匠。

審査をする審査員、ではあるものの、もうこの人のここでの言動が「芸」「人」そのもののような気がして。

芸と人。人と芸。芸が人や世界にできること、人が人や世界にできること。なんだか、未来を、信じられるような気がしてならなくなります。

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写真は、去年やっとこさゆっくり観に行けた末広亭。楽しかったなあ。

◆◆◆

あー、でも個人的には、ぴっかり☆さんがよかったなー。
本当によかったなー。
女性の落語家さんの未来を強く確信できる、と思った。泣いた。
ちょっとマジで感動しました。
うれしかった。
でもでも優勝した羽光さんも、すごかった、飄々としながら血が滲んでた。

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momo|桃花舞台
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