呼 上がったり下がったり、高低差があったり、呼んだり、来たり
ひとり乗りみたいなエレベーターで2階へ上がって2階で受付をする。
順番を待って名を呼ばれるとまたひとり乗りみたいなそいつに乗って3階へ上がり、
3階にてありがたいお話を拝聴し終わったらまた2階へ降り、
お金を払ってまた乗って1階へ降りて帰る。
なんのアトラクションやねん。
先週アレルギーでお世話になっていた耳鼻科だ。
アトラクションとはまだ明るい例えで、
初めて行ったときはテンションめっちゃ下がっていて
不謹慎な例えしか頭に浮かばなかった。
「そうか乗って運ばれて最後の審判が下されるのか」
通ううちガタンゴトン響くこいつの存在がなんだかじわじわ来だした。
「超昭和だけれど近未来の乗り物なのかもしれない」
「これはきっと未来エレベーターだ」
そんな頃には声も出るようになってへらへら笑っていたら
ドアがひらき3階にいたアングラ女優銀粉蝶そっくりの医師先生が半笑いでのたもうた。
「そないして油断したら終わるで(笑)」
やめてくれ。
銀粉蝶はさらに言う。
「連休は? どっか出かけたりする?」
「(なぜばれているのだ)ええと、たぶんちょいちょい」
「気を付けんと、移動とかのとき、気圧とかで、耳ツーンと来るよ」
「え。ツンときたらどうしたらええんですか」
「スチュワーデスさんとかは耳ひっぱったりあっためたりするらしいわ」
「(なぜスチュワーデスの話、てゆーかスチュワーデスって言い方、いや飛行機は乗る予定ないねんけど)やってみます(笑)」
未来エレベーター(違)のボタンには2と3と共に「呼」っていうボタンが並んでいる。
最初は使い方がわからず「??」と悩んでいたら、
同じく診察を受けに来ていた別の人が「呼ぶねん。呼ぶを押すねん。呼。」と教えてくれた。
押しても何もならず「?」ってなっていたら「もう来てる」やって。
上がったり下がったり、高低差があったり、呼んだり、来たり。
連休、関係あるひとも、ないひとも、どっか出かけるひとも出かけないひとも、どうぞ楽しい時間を呼んでね。
街中が上がったり下がったり浮かれたりそわそわざわざわするこの期間の日々にね。呼。
◆◆
【略歴や自己紹介など】
構成作家/ライター/エッセイスト、
Momoこと中村桃子(桃花舞台)と申します。
旅芝居(大衆演劇)や、
今はストリップ🦋♥とストリップ劇場に魅了される物書きです。
普段はラジオ番組構成や資料やCM書き、
各種文章やキャッチコピーなど、やっています。
劇場が好き。人間に興味が尽きません。
舞台鑑賞(歌舞伎、ミュージカル、新感線、小劇場、演芸、プロレス)と、
学生時代の劇団活動(作・演出/制作/役者)、
本を読むことと書くことで生きてきました。
某劇団の音楽監督、
亡き関西の喜劇作家、
大阪を愛するエッセイストに師事し、
大阪の制作会社兼広告代理店勤務を経て、フリー。
lifeworkたる原稿企画(書籍化)2本を進め中。
その顔見世と筋トレを兼ねての1日1色々note「桃花舞台」を更新中。
【Twitter】と【Instagram】 など、各種フォローも、とてもうれしいです。
詳しいプロフィールや経歴やご挨拶は以下のBlogのトップページから。
ご連絡やお仕事の御依頼はこちらからもしくはDMでもお気軽にどうぞ。
めっちゃ、どうぞ。
Webマガジン「Stay Salty」Vol.33巻頭に自己紹介エッセイを寄稿しました。
12月Vol.34からは不定期コラムコーナー「DAYS」も書かせていただいています。
東京・湯島の本屋「出発点」では2箱古本屋もやっています。
営業日と時間は「出発点」のXをご参照ください。
ぜひぜひ遊びに来て下さい! 自己紹介の手書きペーパーもあり!
読書にまつわるエッセイ集(ZINE)、
tabistorybooks『本と旅する』もお店と通販で取り扱い中。
旅と思索社様のWebマガジン「tabistory」では2種類の連載をしています。
酒場話「心はだか、ぴったんこ」(現在19話)と
大事な場所の話「Home」(現在、番外編を入れて4話)。
noteは「ほぼ1日1エッセイ」、6つのマガジンにわけてまとめています。
旅芝居・大衆演劇関係では各種ライティング業をずっとやってきました。
文、キャッチコピー、映像などの企画・構成、各種文、台本、
役者絡みの代筆から、DVDパッケージのキャッチコピーや文。
担当していたDVD付マガジン『演劇の友』は休刊ですが、
YouTubeちゃんねるで過去映像が公開中です。
こちらのバックナンバーも、さきほどの「出発点」さんに置いていますよ。
あなたとご縁がありますように。今後ともどうぞよろしくお願いします。