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2020年5月の記事一覧

出会いについて、と、柚木さんの伝えたいこと(たぶん)~『幹事のアッコちゃん』~

大人の女の子は魔法のコンパクトで変身なんて出来ないけれど 素敵な出会いは「私」を変える― ランチのアッコちゃんシリーズの第3弾、 『幹事のアッコちゃん』が出ていることを今更知り、読みました。 コロナの渦中だったのもあり、元気をもろて、ちょっと泣きました。 うん、出会いは人生を変えるんだ。 柚木麻子さんの『ランチのアッコちゃん』シリーズは ドラマ化もされた人気シリーズです。 正直でまっすぐだけれどさえない派遣女子の三智子ちゃんが 元は上司、その後、移動販売の店「東京ポトフ&ス

言葉は世界を変えられる、フィーリング・タイミング・ハプニング~『本日は、お日柄もよく』~

言葉は、時として世の中を変える力を持つ。 自分は政治家や宗教家にはなれないだろう。 けれど、スピーチを書くことは出来る。 いつの日か、人の心を動かし世界を変えるスピーチを書く。 ――今読めて!良かった!  原田マハ『本日は、お日柄もよく』を一気読みしました。 初マハです。 なぜか縁がなかった。 書店で欲しい本を買うついでに平積みされていたので手に取りました。 結果、目当ての本より面白かった! わくわく読んで、 読みながら、彼女のSNSをしっかりフォローして、 読後チャリ飛ば

贖罪と書くことと、そして、大きなものへの抵抗と~『ボダ子』など~

作家・赤松利市さんの書くものに圧倒されて 初期の作品を次々と読み続けた時期がありました。 藻屑蟹、鯖、らんちう、ボダ子、純子、犬、女童、下級国民A…… 「人間ってこうだ!こうなんだ!」とがんがん叩きつけられるような衝撃。 中でもご自身と娘の過去をモデルとした『ボダ子』にはただただ圧倒されました。 ご自身と〝ボーダー〟境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)を持った娘さんを 実体験から描かれた一冊です。 主人公である父親はマジでどーーーーーしようもありません。 ほんと、どー

そんな彼女の〝サラメシ〟~『ランチ酒』~

あー仕事終わり! 今日はなにを食べようかな、なにを呑みながらなに食べよう。 今の気分と今いる場所から考えて……よし決めた、これ! と、美味しい1品と酒を楽しみながら、 今日の仕事を振り返り今の自分の想いを噛みしめる。 訳ありな夜仕事、その名も「見守り屋」というなんでも屋さんで 働くヒロインの〝ランチ酒〟は いろんな人に会って、いろんな人の悩みや想いにふれて、 そうしてお昼を迎えるからこそ沁みる。 『ランチ酒』(原田ひ香)、 こんなご時世で食べ歩き呑み歩きどころか 外食もうーん

あなたも私もあの魚~『ナイルパーチの女子会』からの「明日も元気でね」みたいな(笑)~

「置かれた場所で咲きなさい」なんて言葉が流行った時がありましたが。 私たちは今どんな水槽で泳いているんだろう。 家、会社、心おける場所。泳げてますか。気持ちよく。 2015年に柚木麻子さんの山本周五郎賞受賞作の『ナイルパーチの女子会』が面白かった! 私たちが生きていて見て見ぬふりしたいししてる自分自身を ニコニコとぐさぐさと突いてきて、でも、なんだか生きる力をくれました。 ふわふたしたガーリーな表紙や「女子会」の響きに「あー」なんてわかったようなふりしてスルーしようとしている