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日々日々

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1日(なるべく?)1エッセイ。思うこと考えることを綴っています
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2024年1月の記事一覧

流星 「私は留学生です。生活に困っているので、お菓子を買って下さい」

あなたは出会ったことがありますか?  会うかもしれません。   事は先週とある日夜の鶴橋駅。 乗り換えのために降りたら、知らない女性が近寄ってきた。 異国の若者だった。 すみません、と、呼びとめられた。 「?」 彼女は、気を向けたこちら(わたし)の目線を向けさせるように、 自身の持った紙袋の中を指さした。 紙袋の中には、手書きの紙。 ≪私は留学生です。生活に困っているので、お菓子を買って下さい≫ 「!」 ごめんね正直に言うね。 こわかった。なんかわからんけどこわかった。 だか

「お待ちどぉさん」の極意 美味さつまりいい仕事に満足

食べる前からもう気持ちよかった。あったかかった、 「いらっしゃいませ!」 暖簾をくぐるとまっさきに迎えに出て下さる御店主であろう年配の男性の、 うるさくなく嘘くさくなく爽やかなのに押しつけな爽やかさじゃない上品で清潔な色と大きさの声と、その声にしっくりぴったりな笑顔。 席に通されると、若いひとがお手拭きと一緒に運んでくれるのは2種類。 お水と、程よいあったかさのほうじ茶。わあ! その日は夜と夕方のあいだくらいの時間なのにちいさな店内は程よく賑わっていて、客の顔ぶれはさまざま。

花子さんと海 『高嶺の花子さん』

すべては距離感の問題、かもしれない。   昨年の & 解決済みの話。 とはいえSNS上なので(これでも)配慮の上だと前置きをしておくが、 全然知らない絡んだこともない人からSNSで偶然過ぎるメッセージが来て、 不審に思い確認したところ、 長年の知人に粘着していた人がわたしとの仲を疑っていたことを知った。 勿論事実無根である。 知人のまわりの女性たちを意識し自意識を向けていたようで、 その中の一人としてわたしも入っていたらしい。 知人のリアル知り合いで、 よく言えば(?)深情け

Message in a bottle 古本屋で買った本から出てきた知らない人のレシートに

古本屋で買ったなんてことのないエッセイを読んでいたらレシートが出てきた。   どこの誰かもわからないけれど、 3年前の秋に紀伊國屋書店新宿本店でこの本を買って読んだ(?)人のそれを今わたしは手にした訳で。   手にしたそれには著者が「伝えたいな」と思って書かれたことが詰まっている訳で。   誰かが想いをこめたものを、受け取ったひとが居て、それをまた受け取った。   大袈裟かな? 大袈裟かもやけど、 それだけのことが、それだけじゃないから、なんだか、とても、うれしいな、すごいな

聞く

なにかやそれを経験してきたひとの話を聞くのが嫌いじゃない。 例えば年をとったひとだったり、なにかの先達先輩にあたるひとだったりから。 確かに「うぜぇな」と思うことがないかと言われたらそんなことはないこともある、 ないとは言えないよ、時と場合によっては(笑) でも自分の経験してこなかったときやことの話を聞くこと聞こうとすること、 わたしは、好きだ。好きとは言葉おかしいときや場合はあるな。嫌いじゃない、かな。 なんかこれも偉そうだな。なんて言うたらええんやろ。   大事なんじゃな

七草と七つの大罪 おつとめ品コーナーにて

おつとめ品のコーナーに七草がゆセットが並んでいた。 野菜セット(100円)、乾燥粉末セット(50円)、どちらも4セットくらい並んでいた。 昨夜のこと。 こいつらどうなるんやろう。 合わせて8セットは買えないし買う義理もないしそもそも買う意味もない。 ほなあいつらはどうなるんやろう。   別のおつとめ品のコーナーも見た。   クリスマスのブーツ(お菓子入ったやつ)が投げ込まれるようにして置かれていた。   誰か買う? 誰が買う?   旬のものはきらきらしてる。 でも、旬は

自動ドアは自動で開かないから皆で生きよう

たまに行くコインランドリーの自動ドアが開かない。 中に人は居る。洗濯してる。乾燥させてる。  でも自動ボタンを押しても開かない。 引き戸のようにスライドさせてみた。 開いた。半自動みたいに開いた。 なんやねん。なんでやねん。 コインランドリーは不思議な場所だ。 目的がはっきりしている。 その目的のために皆来て終われば帰る。会話とかない。黙々と。極めて個人的な公共の(?)場。 そんな空気が面白くてたまに利用したりする。大きいものやらのときとか。で、ぼーっと、あの場に、居るのが

それらはコインの裏表 何とかならない時代のシェイクスピアや近松

今朝「おすすめされていた作家さんの本を買いました」というメールをいただいて、なにかが繋がったような、不思議な気持ちになったのは、 ここ最近、このnoteを思い出していたからかもしれません。 ちょうと一年前に書いたものです。 振り返りネタが続いてしまっていますがサボっている訳ではない(笑) 赦しと復讐とコインの裏表のこと。 シェイクスピアとか近松とか己のことや、 いくつかの本と舞台の話とかと併せて、なんか憑かれたような気持ちで書きました。 ちょっと長いけど、ほんま、いろいろ

からだ 年明けのプロレスビッグマッチに人間を想う

身体。肉体。からだ。   1.2と1.4が終わった。 プロレスリングNOAHと新日本プロレスの年明けビッグマッチだ。 現地では観ていない。配信を観た。 前者は身内というか親戚の寄り合いというかごちゃごちゃ的なものから逃げれないのに逃げ切って観て、後者は仕事をしながら観た。 どちらにも特にめっちゃ好きな選手がいるかと言われたらそうではない。 どちらにも団体や会社へ思うところがありまくるというか、でも、観る。ツッコんだり怒ったりしながら観る。   例によって詳しいことは書かない、

声 声なき祈りを聞き分け、形なき心の気配を感じ、結びつくこと

年をまたいで読んでいて読み終わった本が印象深かった。 昨年訪れた書店の〝新聞各紙の書評欄で紹介された本〟コーナーに 1冊だけぽつんと置かれていて何気なく手に取った。 タイトルだけをみて読み始めると「ん?」かもしれない。 〝その本〟〝それだけの本〟ではない、なかった、から。 研究者であり小説家にもなった著者による調査や研究の内容と共に「私」の話が語られる。 というか、あちこちに書かれたものがこの1冊としてまとめられた。 でも、ばらばらな話がまとめられている訳でもない。 この1冊

2024 今日もありがとうございます今年もよろしくお願いします、と、虹

2024が始まりましたね。   年始のご挨拶はこちらに書いてみた。  大晦日のご挨拶もこちらにしてみた。    昨年の御礼と新年の抱負的な(?)noteは少し書き直すというか言いたいことを書き足したりした。 年末だお正月だという空気や雰囲気を物理的に精神的に迎えられない人も居るし、この空気や雰囲気がしんどい辛いという人も居る。   大晦日も元日も一日一日の中の一日であることには変わりなかったりもする。   いろんな皆が、いつもずっと心身共に絶好調ということはない。 で