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妻のPMS
私の妻はイライラする。
悪いのは妻ではなく、私でもなく、PMSという病気であると認定している。
イライラする妻に、小言を言って火に油を注ぐ結果になったこともあったが、これを理解してからは私の心の中でグッと堪える。
一旦話はそれるが、幼少の頃に私の父母はよく喧嘩をしていたのだが、これを何度か目の当たりにすると、子供ながらに両親の喧嘩を察知する事が出来るようになった。
そんな一触即発となる時にはコタツの中に身を潜めて、事が過ぎるのを待っていた。
以来、どんな相手で、どんな状況か、そして自分はその相手との関係性を瞬時に悟って、空気を読むということに敏感になっていった。
話を戻すが、妻との関係においても例外はなかった。
妻のPMSは、本人の自己申告による体調の変化から伝わっており、年々辛そうに思う。
前述の通り、私が空気を読むことで、未然にイライラの芽をつむことも少なくないが、意図せず、ほんの些細なことで飛び火する事があるし、娘の行動が起因となることも多くあり、事が起きてしまうと、妻が落ち着くまでは滝行にうたれるように、ただ耐え忍ぶ。
最近は、妻は疲労感が半端ないようで、仕事を終えて帰宅してからの家事は、大袈裟のようにも聞こえるかもしれないが、命がけで行なっているように見えていた。
そこで私は、1月から会社のリモートワークの制度を利用して、自宅で勤務するように切り替え、休憩の合間に家事をするようにした。
妻の帰宅時には、洗濯が済んでおり、台所も綺麗な状態を保っている。
流石に夕食の支度までは手が回らないため、妻の出番となるのだが、体調が悪い時には悪態をつきながら料理することもあるし、あらかじめ解凍していた肉がありながら、ギブアップを宣告されて、私が仕事終わりにお弁当を買いに行くこともある。
もちろん、食事の後片付けも専ら自分の担当なのは言うまでもない。
日曜日は平日前ということで、家事に対する意欲は無くなり、夕食の支度をする時間になると、決まって妻の体調が悪くなるのは恒例だった。
この時の献立は、調理が大変なものや自分が慣れてない料理だと代わることが出来ないので、なるべく簡単なものにしようと提案するようにしている。
ある日、夕食に何を作るかスーパーで考える妻はギョーザを包む気満々でいるのだが、夕方の疲労感や、低いテンションで作れるはずがないとして、これを制止する。
またある日には、夕食に何をしようか考えた挙げ句、トンカツを揚げることになったが、案の定、疲労感やイヤイヤのメンタルで、雑な所作になっている為、火傷をしたことがあった。
世の中には色々な病気があるが、人の感情に作用する病気は本当にタチが悪いし、周囲の理解を必要とする。
実は4月から自分の仕事が多忙になったこともあって、リモートワークを解消し、出社している。
相変わらず体調に左右される妻だが、今日はLINEで洗濯を干してほしいと自分に対してリクエストがあった。
家に帰れるのが23時近くなっても良ければやると伝えたが、自分で干すことにしたようだった。
これは流石に遅すぎたらしく、素直に謝った。
妻は自分が忙しいのを知っていながら、LINEで伝えてきたところをみると、本当にしんどかったのだと思う。
自分もそれに応えられない状況はあるのだが、家に居る時はなるべく休ませてあげたい。