妖怪ゲームを作っているから「すみだ北斎美術館」に潜入してきた!
突然ですが、私は現在、以下のような和風のアクションRPGゲームを制作しています。
きっかけは「自分が大好きなハリーポッターシリーズを和風な雰囲気のゲームにするとしたら?」というアイデアによるもの。
『ハリーポッター』が魔法の世界の物語、なら日本だと妖怪の世界でしょ!と考え、妖怪たちの世界を冒険するゲームを作ろうと思い立ちました。
そこでゲームを作りながら妖怪について色々と調べたところ、妖怪の現在のキャラクター的な立ち位置を形成した要因の一つが、浮世絵だと知りました。
著名な浮世絵師たちが、妖怪や怪談を題材に作品を制作したことで、今に至るイメージや見た目の固定化が進んだらしいです。
どこかで浮世絵を実際に観てみたいなぁと思っていたところ、両国にかの有名な浮世絵師である画狂老人卍葛飾北斎の作品を展示している「すみだ北斎美術館」という美術館があるとのこと。そこで先日足を運んできました。
思い立ったが吉日!ということで、あまり何も調べずに訪れましたが、当日は三階の企画展は準備中でした、残念。
一階はミュージアムショップや図書館が設けられており、二階は事務室で立ち入ることはできません。
四階の常設展と企画展のチケットを購入し、早速見学へ!
2025年3月30日(日)まで開催されている企画展「隅田川両岸景色図巻(複製画)と北斎漫画」
まず目に飛び込んでくるのは、中央に展示された「隅田川両岸景色図巻」
なんと全長約7mという作品で、北斎の作品としては最長らしいです。名前の通り隅田川の両岸を描いた作品で、最後はかの有名な吉原遊郭で遊ぶ人たちが描かれています。
壁際に並ぶのは「北斎漫画」の数々。漫画といっても現代でイメージするようなものではなく、「絵手本」、つまり絵の描き方を学べるイラスト教本ですね。
中でも興味深かったのが、「略画早指南」。絵を単純な図形で捉えて描く方法について書かれています。え、これ現代でも余裕で通用する教え方じゃね??
他にも、絵の指南だけでなく、踊りを学ぶための本なども出版しています。めちゃくちゃわかりやすい…。ていうかアニメの原型ってもしかしてこれ?
常設展では、北斎の20歳くらいから没年90歳までの約70年にわたるキャリアを、6つの時期に分けてそれぞれ展示しています。
各時期で作風が全く異なり、本当に絵の道を探求しまくっていたんだなと思わされました。ちなみにその生涯で生み出した作品数は3万4千点以上にも上ると言われています。一日一作品制作したとしても約93年かかります。途方にくれますね。
個人的に印象に残ったのは「冨嶽三十六景『遠江山中』」
「冨嶽三十六景」は、富士山(冨嶽は富士山の別称)をさまざまな地域・角度から描いた版画集です。かの有名な「神奈川沖浪裏」も冨嶽三十六景の作品の一つです。
もちろん「神奈川沖浪裏」は知っていましたが、そのほかの作品はだいたい初めて見ました。中でも「遠江山中」は角材と支柱が作り出す三角形の中に、富士山という三角形が収まっているという構図が目を惹きました。
超大好きな漫画「ブルーピリオド」にて、「すべての名画は構図がいい」「乱暴に言えば名画は5つの幾何学形態で分轄できる」と言っていましたが、こういうことなのかなぁと初心者ながらに感じました。
当初の目的であった妖怪やお化けの作品はほとんど展示されていなかったのがちょっと残念でしたが、江戸時代の生活をありありと描いた北斎の作品の数々は制作中のゲームイメージにもぴったりでとても参考になりました!
当初の目的であった妖怪やお化けの作品は少なかったものの、北斎の作品から得たインスピレーションはゲーム制作に大いに役立ちそうです。今後のゲーム世界の作り込みに活かしていきたいと思います!
一通り鑑賞し終えて、最後にミュージアムショップで本を二冊も購入してしまいました…。お金ないのに…。でもめっちゃ満足です。
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