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薬膳空想物語『七十二候の食卓』
清明
玄鳥至 ~つばめ、きたる~ 十三皿目~
冬の間、温かい地方で過ごしていたツバメ達が海を渡ってやってくる頃。
ツバメ達の飛び交う姿を見始めてきたら農作業もいよいよ本格的に始まります。
日照時間の長さを感知して渡りを開始するため、天候や気温に左右されず
毎年3月〜5月にかけて南方から日本へと渡ってくるツバメは、長い道のりを旅する渡り鳥。
その移動距離は2000〜3000kmにもなるそうですが、飛びながら太陽の位置を目印に方角を把握し、迷うことなく目的地へ向かう事が出来るそうです。
ツバメは賑やかな人の出入りのある場所を選んで巣を作り、人間と共生することを選んだ鳥。昔から害虫を食べてくれる益鳥で、人通りの多い家の軒先に巣を作るのが好きでお客の出入りが多い家、つまりは繁栄している家=「商売繁盛」の象徴として昔から大切にされてきました。
ツバメが選んで安住して居つく家は、ある意味幸せの象徴を現しているのかもしれません。
春のまばゆい光を感じて見上げた空に、シュッと空高く飛び交うツバメを見かけたら
何だかいい事が起こる予感がするのです。
『燕の巣風のスープ』2人分
材料:水 450㏄ ウェイパー(味覇)20g 塩 少々 酒 小さじ1
醤油 小さじ1/2 卵 1個 海藻麺(透明のプチプチした加工品) 30g
片栗粉 大さじ1と1/2 水溶き片栗粉用の水 適量
作り方
・鍋に水、ウェイパー、塩、酒、醤油を入れ沸騰させる。
・沸騰したら水溶き片栗粉を回し入れたら一旦火を止める。
・とろみが付いたら溶き卵を流し入れ、海藻麺も入れる。
・仕上げにトッピングで海藻麺を追加でのせる(明記外)
卵: 食味/甘 食性/平 帰経/肺・脾・胃・心・肝・腎
海藻麺: 食味/鹹 食性/寒 帰経/肝・胃・腎
●食味:酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味([かんみ]塩からい味)を五つに分けたもの(五味ともいう)
●食性:熱性・温性・平性・涼性・寒性と食物の性質を五つに分類したもの(五性ともいう)
●帰経:生薬や食材が身体のどの部分に影響があるかを示したもの。ここでいう五臓は「肝・心・脾・肺・腎」の事だが、単に臓器の働きにとどまらず精神的な要素も含まれ、ひとつひとつの意味は広義にわたる。
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