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【投稿企画】若者にこそ良い物を
おはようございます。ももたろです。
本日は思い出話をひとつ。
私は臨床検査技師として働いており、担当部署では毎日顕微鏡を使用しています。患者さんの血液細胞を観察して異常があればすぐさま医師へ報告するお仕事。
新人の頃から顕微鏡を覗き続けている訳ですが、当時は検査室内で一番新しい顕微鏡を使わせてもらっていました。
反面その頃の技師長が使っていた顕微鏡は何年物か分からない古い物(細胞観察に支障はない)。
ももたろは「技師長より良い顕微鏡を新人である自分が使わせてもらうのはもったいない」と感じていたので、ある時「自分が古い方を使わせて頂いてもいいでしょうか?」と技師長に聞いた事があります。
そこで技師長は言いました。
「ももたろ君。私が新人の頃実習に行った病院では学生や新人にぼろ〜い顕微鏡を使わせていてね。担当技師さんも”学生は古い顕微鏡で十分”とか言ってたのね。」
「当時はそんなものかと納得していたけれどね。私、逆じゃないかと思うのよ。学生さんや新人さんにこそ良い物を使ってもらって、学習しやすい環境を提供しなくてどうするのって。」
「だからももたろ君はあの顕微鏡を使って頂戴。私のが壊れたらすぐ新しくするから大丈夫。」と。
なるほど。これは心に響きました。
ももたろはどちらかといえば体育会系の武闘派(剣道部)なので常に先輩が優先されて良い環境にいるという事に疑問を感じていませんでした。
でも技師長の考えの方が優しいし、そんな対応をされたら新人も嬉しいですよね。
結局ももたろはそのまま新しい顕微鏡を使い続け、今では後輩がその顕微鏡で日々血液細胞を観察しています。
ちなみに当時の技師長が使っていた顕微鏡は壊れて新しい物に代わり、その顕微鏡は今の技師長が使っています。購入年数にそれほど差がないのでこれは問題ないですね。
当時の技師長や先輩方には色々な事を教わりましたが、この”若者にこそ良い物を”という言葉はももたろの心にしっくり収まって今でも後輩指導の際に思い返されます。単純に嬉しかったんですね。
自分がされて嬉しかった事は、誰かに対して行ってもきっと喜んでもらえるはず。
今後も技師長の言葉を忘れずに若者達と接していこうと思っています。
というわけで。本日は『日本経済新聞』様とnote公式様の共同投稿企画に応募するための記事でした。
お題は『心に残る上司の言葉』
新人の頃を思い出してノスタルジーな気持ちになりますね。
それでは皆さん、今日も良い一日を。