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中村桃子
2019年8月12日 20:23
花火をしませんかと誘ったのは星がとても綺麗な夜のことだった。この夏はじめての花火だった。子供と呼ばれる年齢ではなくなっても、火花がはじける様子にはどこか心が浮き立つ。けれど一人でそれを眺めるのは寂しいから、誰かと一緒にその色を眺めたくて、誘いをかけた。これをきっかけに距離が縮まればいいな、というほんの少しの下心もあったけれど、もっと単純に、感動の共有をしたい、みたいな欲求で。 庭先でちょっと