見出し画像

85. WHY GREENLAND? なんでグリーンランド?

トランプ大統領は12月22日、自身の立ち上げたソーシャル・メディアのTRUTHで、パナマ運河とグリーンランドの購入を示唆した。

”何故?”の疑問と同時に思い浮かんだのは、トランプ大統領は”不動産王”だった、という事。これはただの個人的な憶測だが、私は、トランプ大統領は、その理由と背景は別にして、パナマ運河とグリーンランドの購入という国家的戦略も所詮はただの”巨額な不動産取引”、と考えているのではないか、捉えているのではないかと思った。そして、”不動産王”としてかつては中国本土でも大儲けしたらしいトランプ大統領は、意外に成功するのではないか、と思った。(後述のTHE EPOC TIMESの記事で、所詮は”不動産取引”、に近いトランプ発言が実際にあったようだ。)

まず、”何故、グリーンランド?”の意図を探るうえで、大きなヒントになりそうなのパナマ運河ではないか、と想像した。パナマ運河は、言うまでもなく、大西洋(カリブ海)と太平洋を結ぶアメリカの生命線のチョークポイントだ。しかし、今では中国共産党が運河管理会社等の買収を進め、運河の管理をするようになってしまった、と私は様々な記事や本で知っていた。この脅威を取り除かなければ、アメリカの安全保障が成立しない。だから、トランプ大統領が、”元々はアメリカ資本が作ったパナマ運河を買い戻す”、と発言した事には、なるほど、と思った。であれば、仮にグリーンランドでも中国共産党が着々と進出しているかもしれない。そして中国共産党の封じ込みとアメリカの安全保障のため、グリーンランド買収にも言及したのかもしれない、と想像してみた。

まず初めに、トランプ大統領の”パナマ買戻し発言”のTRUTHへの投稿(12/22)を以下全文を載せ、拙訳を付ける。

トランプ大統領のパナマ運河買戻し発言

パナマ運河は、アメリカ経済と安全保障にとり決定的な役割を持ち、存立のため不可欠な資産と考えられる。保全されたパナマ運河は、大西洋と太平洋を結ぶ合衆国の交易と海軍の急速展開、および合衆国への輸送時間の大幅な短縮のため必要不可欠だ。
現代世界の不思議の一つとしてみなされる、110年も前に開通したパナマ運河は、合衆国の命と巨額な資産をかけて建設された。運河建設には、3万8千人もののアメリカ人がジャングルのマラリア蚊で亡くなった。当時大統領で運河建設を進めたテディー・ルーズベルト(セオドア・ルーズベルトの愛称)は、海軍力と貿易の力が分かっていた。
しかし、ジミー・カータ大統領が、愚かにもたった1ドルでパナマ運河を手放した時点では、運河はパナマが単独で管理し、(パナマから)中国や他の国に渡すものではなかったはずだ。
そしてこのパナマへの譲渡は、合衆国、海軍、そしてアメリカ企業の国内取引に対して、パナマが法外な価格と通行料を課金させる事を意図されたものではなかったはずだ。パナマが課金する料金は, (わずか1ドルの譲渡金という)あり得ない気前の良さを考慮すると馬鹿げた高価格だ。この(パナマによる)我が国へのぼったくりは、ただちに終わらせるつもりだ。

著者の拙訳

パナマ運河建設とその後の所有権の変遷は注1)を参照頂きたい。

またジブラルタル海峡(地中海と大西洋を繋ぐチョークポイント)のスペイン側は、現在もイギリス統治領のままだ。さらに紅海と地中海を結ぶスエズ運河についてはその所有権と運用権を求めて戦争になっている。各々注2)と3)にまとめたので、参考にして頂きたい。

しかし、中国がグリーンランドに進出しているとしても、なんで中国というグリーンランドから真反対にある国が、と理解できなかった。

そこで自分なりに、そもそもグリーンランドにはどんな戦略価値があるのか調べてみようと思いたった次第だ。
以下順をおって、分かった事をまとめてみた。少し長い記事になるが、できれば終わりまで読んで頂きたい。きっと、”なぜグリーンランド?”の疑問は解けるものと思う。

1. グリーンランドとは?

まずタイトルの写真を見て頂きたい。

この写真の標識には、ニューヨークまで4時間、モスクワまで5時間20分、ロンドンまでは3時間35分、と示されている。つまりアメリカ東海岸と欧州のほぼ真ん中と仮定すると。大西洋の真ん中あたりのはず。

しかし、東京までは10時間5分とあり、アメリカ東海岸から東京までよりも近い距離を示す。またロサンジェルスまでは6時間20分と、東海岸から西海岸まとほぼ同じ距離のはず。ちなみに東京ニューヨーク間は、季節(貿易風の強さ)により変わるが、13時間程度はかかり、西海岸まででも6時間近くかかる。

そんな魔法のような場所(空港)はあるはずない、と思うだろうが、実際にあるんです。

地球儀をイメージし、A点とB点を結ぶ最短距離の航空路を想像してみて欲しい。これは、”The Great Circle Course” (地球の)大圏(タイケン)コースと呼ばれる。(大圏は注4)参照。)

例えば、アメリカと欧州の大圏コースは以下の図のようになる。つまり、欧米を繋ぐ最短距離はグリーンランド上空(北極圏)を通るのだ。

グーグルマップに筆者が追記した

また東京までなら、グリーンランドからほぼ真北にあがり北極を通れば、東海岸からよりもむしろ距離的には近くなることが分かる。

グーグルマップに筆者が追記した

さて、グリーンランドは現在はデンマーク王国の自治政府であり、首都はNuuk(ヌーク:デンマーク語: Godthåb「希望」)にあり、人口約56千人(2021年時点)。全人口の1/3の20千人はこの首都ヌークに住んでいる。

グリーンランドの都市部

私はグリーンランドに降りた事はないが、アメリカから欧州に出張する際は、グリーンランド上空を通過したはず。(ただし飛行機からグリーンランドを見た記憶はないが)

タイトル写真は、以下のヌーク国際空港近くに建てられたものと思う。

ヌーク国際空港

首都ヌークについては以下ののWiKiに出ている。(日本語版)


グリーンランド(都市部に雪がない夏場)

またグリーンランドの各種統計は、以下のサイトが詳しい。(ブリタニカ)

2015年の統計によると、人口の90%はイヌイット、残りがオランダ系。公式言語は”Kalaallisut”(エスキモー・アリュート語)とデンマーク語。主な宗教は64%が福音ルター派(プロテスタント派の一つ)、30%がその他キリスト教との事。

https://denmark.dk/people-and-culture/greenland


ところで、"Greenland" と "Iceland"は、各々の名前とは真反対の環境だとご存じだろうか?つまりグリーンランドは実際には緑豊かな島ではなく、雪と氷に覆われたところであり、反対にアイスランドは氷の島ではなく、緑豊かな島だということ。

この名前をつけたのは、”ヴァイキングが意図的に真反対の名前をつけた”、との説があるが、本当の名前の由来は、以下のようだったらしい。(出典は分からないのだが、たぶん、数年前のFacebookに投稿されたものだと思う)

グリーンランドとアイスランド

作り話:ヴァイキングは、人々が緑豊かな島に来ないように、”アイスランド”と名付け、逆に雪と氷の島に誘導しようとして、”グリーンランド”と、おのおの逆の名前をつけた。

真実:”アイスランド”は、スエーデン・ヴァイキングの王が、アイスランドへの航海中におぼれ死んだ娘の遺体を、アイスランドの山に埋めたときに、氷山に覆われたフィヨルドをみて、”アイスランド”と名付けたらしい。(実際には、この氷山はグリーンランドから流れてきたはず)
一方、”グリーンランド”は、Erik the Red(赤毛のエリック?)が”アイスランド”から追放され”グリーンランド”に流れ着いた後、新しい帝国を作るため人々を呼び寄せようと、緑の島(グリーンランド)と呼んだ、というもの。


2. トランプの買収発言

前述のように、2024年12月22日、トランプ大統領はデンマーク王国大使に"Ken Howery"(ケン・ハワリー)元駐スエーデン大使を指名し、合わせてグリーンランドを購入しなければならない、と"TRUTH"で声明を出した。
この”TRUTH”での発言を紹介する。

注:TRUTHについては、以下の私の記事#84を参照頂きたい。

トランプ大統領の12/22 ”TRUTH”への投稿

トランプ大統領のTRUTH投稿(12/22)

私はデンマーク王国駐在大使に元スエーデン駐在大使のKen Howery (ケン・ハワリー)氏を指名する。ケンは著名な起業家、投資家、(国家)公務員であり、私の前政権時には駐スエーデン大使として、我が国の国防、安全保障、そして経済協力について両国にとり素晴らし貢献をしてくれた。ケは、”ペイ・パル”とベンチャー・キャピタルの”Founders Fund"(起業家基金)の共同創立者であり、アメリカの革新と技術を主導し、世界的な成功に導いてきた。この成功経験は、海外で我が国を代表するうえで計り知れない価値になるだろう。

世界の国家安全保障と自由のため、そしてアメリカにとり、”グリーンランドを所有し制御する”ことが、絶対必要になっている。ケンはこの合衆国の国益を追求する国の代表として素晴らしい働きをするだろう。
ありがとうケン、そしておめでとう!

著者の拙訳

3.アメリカのグリーンランド買収の試み


以下は、トランプ前政権の時、今回と同様にグリーンランド買収をほのめかせたツイッターの投稿(2019年8月20日)をトランプ支援者が”ジョーク”として(?)最近Xに投稿したもの。

むろん、トランプ・タワーを建てるためでも、トランプ・ゴルフ・コースを作るためでもない。(そもそもグリーンランドのような寒い所ではゴルフはできない。昔シカゴの日本人駐在員が、真冬に凍ったゴルフコースで”エスキモー・ゴルフ”としゃれで、ゴルフをしていたが)ただし、今後、欧米の航空路線のハブ空港として栄えていくとすると、首都ヌークにはホテル・ラッシュが訪れるかもしれないが。

これまでアメリカは2回グリーンランドの購入をしようとしたことがある。1867年、国務大臣William H. Seward(共和党)ウイリアム・H.スワード)がグリーンランドとアイスランドの購入の可能性を探った。次に1946年、トルーマン大統領が再びグリーンランド購入をデンマーク王国に打診したが、いずれもデンマーク王国は応じなかった。


Home rule and self-rule
See also: Greenlandic independence
See also: Denmark–United States relations

In 1867, United States Secretary of State William H. Seward worked with former senator Robert J. Walker to explore the possibility of buying Greenland and, perhaps, Iceland. Opposition in Congress ended this project.[64] Following World War II, the United States developed a geopolitical interest in Greenland and in 1946 offered to buy the island from Denmark for $100,000,000; the Danish rejected the offer.

私には、パナマ運河買収発言は納得できたが、グリーンランド買収は少し唐突な感じがした。しかし、アメリカの歴史は領土拡張の歴史でもあった、と気が付いた。

そもそも建国当初からアメリカは領土拡張主義だった。初めは東海岸から西海岸に侵入した。メキシコと戦争(有名なのはアラモ砦の戦い)し、アメリカン・ネイティブ(いわゆるインディアン)を追い出してきた。

その後も1854年にはメキシコから今のニューメキシコ州とテキサス州南部を買収し(Gadsden Purchase)、1867年には当時のロシアからアラスカを、1875年にはハワイ王国を吸収合併した。他にもカナダ買収、プエルト・リコ(スペイン語で美しい港)、グアム、アメリカン・サモア、フィリピン、さらに後述のパナマ運河地域を統治領にしてきた経緯がある。そして、前述のようにトランプ大統領は前政権の時も、グリーンランド買収をほのめかしていたのだ。

このアメリカの領土拡張主義でアラスカ購入に成功したスワード国務長官については注5)を参照。

4.トランプ大統領のグリーンランド買収発言の意図

以下、THE EPOC TIMES(エポック・タイムズ)の分析は重要だと思うので、以下全文と拙訳を紹介する。(THE EPOC TIMESは注 6)参照)

Greenland Prime Minister Mute Egede has replied to Trump’s comment on Monday.
“Greenland is ours. We are not for sale and will never be for sale. We must not lose our long struggle for freedom,” Egede said in a statement.
During his first term, Trump expressed interest in purchasing the strategically located, resource-rich island, which is an autonomous territory within the Kingdom of Denmark. Greenland has faced long-standing financial challenges.
“Essentially it’s a large real estate deal. A lot of things can be done. It’s hurting Denmark very badly because they’re losing almost $700 million a year carrying it,” Trump said at the time. “So, they carry it at [a] great loss, and strategically for the United States, it would be nice. And, we’re a big ally of Denmark and we help Denmark, and we protect Denmark.”


グリーンランドのMute Egede (ミュート・エジード?)首相は、トランプのコメントについて月曜日にこう答えた、「グリーンランドは我々のものだ。我々は、売り物ではないし、売り物にするつもりもない。我々は、自由のための長い戦いを諦めてはいけないのだ。」

トランプは、第1次政権で、「グリーンランドはデンマーク王国の自治領であり、戦略的利益がありかつ豊かな資源を持っているのでグリーンランドの買収に関心を示した。グリーンランドは、長期間にわたる経済問題を抱えてきている。」

そして今回トランプ大統領は、「(グリーンランド買収も)根本的には、巨大な不動産取引だ。多くの事がやれる。デンマークは、(グリーンランドの)運営のために毎年7億ドル(日本円だ1,000億円)を費やしており、大きな損害を被っている。」、と述べた。

「だから、彼らにとって巨大な損失を被りながらグリーンランドを保持している。一方、アメリカにとっては戦略的に魅力がある。さらに我が国はデンマークの強力な同盟国であり、デンマークを助け、守っているのだ。」”

The United States made previous offers to purchase Greenland, first in 1867 and again in 1946 under President Harry Truman. Denmark declined each time.
“Greenland is rich in valuable resources such as minerals, the purest water and ice, fish stocks, seafood, renewable energy, and is a new frontier for adventure tourism,” the Department of Foreign Affairs in Greenland told Trump in 2019. “We’re open for business, not for sale.”
The landmass, approximately a quarter the size of the United States, has a small population of about 57,000 and a $3.24 billion economy, according to 2021 estimates cited by the Central Intelligence Agency. Its economy is heavily reliant on fish, shrimp, and subsidies from Copenhagen.
The former Danish colony is strategically located about halfway along the shortest route from Europe and Russia to North America. It relies on Denmark for its defense, possessing no military of its own to monitor its 27,000 miles of coastline.

合衆国は、1867年、さらに1946年にはハリー・トルーマン大統領がグリーンランドの買収を提案したが、デンマークは拒否した。「グリーンランドは、鉱物、清澄な水と氷、魚介類、再生可能エネルギー、等の豊かな資源があり、さらに冒険旅行の新しい開拓地でもある。」、とグリーンランドの外務部は2019年のトランプ発言に答え、「我々はビジネスは歓迎するが、売り物ではない。」と伝えた。

国土は合衆国のおよそ4分の1で、CIAによる2021年の推計によると、人口およそ57千人、経済は32.4億ドル(日本円5,000億円)しかない。その経済は、漁獲、エビ、さらにコペンハーゲンからの補助金に強く依存している。デンマークの前植民地は、欧州とロシアから北アメリカまでのほぼ最短距離に戦略的に位置している。国防はデンマークに依存し、自分の軍隊は持たないのに27Kマイル(43,000 Km)の海岸線を監視しなければならない。

Denmark and the United States agreed to the shared defense of Greenland in the 1951 Defense Agreement, which gave Washington exclusive jurisdiction over defense areas within Greenland and the ability to enhance its surveillance of Arctic waters, central to NATO’s Arctic strategy.
It currently hosts the Pituffik Space Base, formerly known as Thule Air Base, in its remote northwest. The compound supports personnel from Denmark, Canada, Greenland, and the U.S. Space Force and its space surveillance activities. The base also hosts an Upgraded Early Warning Radar system that is critical for monitoring intercontinental ballistic missile launches from locations such as Russia, the Middle East, or even North Korea and China if their missiles cross the Arctic.

デンマークと合衆国は1951年防衛合意によって、グリーンランド防衛を分担する事を合意し、グリーンランドの防衛地域についてワシントンが管轄権と、NATOの北極海戦略の中心になる北極海の偵察を強化する力を持つ事になる。

合衆国は現在、人里離れた北西部のツール空軍基地として知られているPituffik(ピタフィック?)宇宙基地を運営し、デンマーク、カナダ、グリーンランド、そして合衆国宇宙軍を受け入れ、さらに宇宙偵察作戦を展開している。この基地はまたロシア、中東、あるいは北朝鮮または中国から北極上空を通過するICBM発射を監視するため、必須の最新の早期警戒レーダを運営している。

グリーンランドのアメリカ宇宙軍(ICBM発射探査基地)

In recent years, a republican movement in Greenland has been advocating establishing the island as its own sovereign state and severing ties with the Danish monarchy, although Danish financial support covers more than half of Greenland’s public budget. A draft constitution was unveiled in June 2023. Independence for the former Danish colony would come from a referendum in Greenland and the approval of the Danish Parliament, which is scheduled for an election in April 2025.

近年、グリーンランドはデンマークの経済支援が公共予算の半分を占めているが、共和党運動は独立を勝ち取り、かつデンマーク君主国との連携に努める事を支持している。2023年6月にはそのための憲法草案が発表された。デンマークからの独立には、グリーンランドの国民投票と2025年4月に予定されている選挙でデンマーク議会の承認が必要になる。

Over the past decade, efforts to diversify the local economy and expand mineral mining, oil and gas exploration, and tourism have made Greenland increasingly economically dependent on China.
According to Chinese state media reports, Beijing considers Greenland a critical and strategic part of its Arctic ambitions, given Greenland’s close proximity to Arctic shipping lanes and rich mineral resources, including uranium and rare earth minerals.
In 2019, the Chinese Communist Party (CCP) outlined to the public its ambitions for a “Polar Silk Road,” an extension of its Belt and Road initiative. It sought to develop more shipping lanes through the Arctic and encourage Chinese enterprises to build infrastructure in the region.

過去数十年間にわたり、地元経済を多角化し、鉱物採掘とオイル・ガス探査、さらに観光事業の拡大を進めてきた結果、グリーンランドは経済的に中国への依存度合いを強めてきた。

中国の国家メディア報道によると、北京は、グリーンランドが北極航路に近い事、さらにウランと希土類鉱物等の豊富な鉱物資源があることから、北極圏に向けての野望達成のための決定的かつ戦略的地域と考えている。

2019年には、中国共産党は、一帯一路の延長として、”北極シルクロード”構築の野望を公的に発表した。中国共産党は、北極圏を通る輸送航路をさらに開発しようとしており、中国企業がこの地域に(社会)インフラ建設を進めるように奨励している。

With Chinese state media running articles advocating Chinese investment in Greenland to help the island fulfill “its desire” to become an independent nation, China made significant attempts to gain a foothold, although many of its efforts that presented national security concerns—such as investment bids for Greenland mining, purchasing an abandoned naval base at Kangilinnguit, and Chinese state-owned companies’ bidding to finance Greenland airports—have been rejected.
The CCP has been successful in promoting Chinese cultural activities in Greenland, which promotes the Chinese communist regime’s views overseas. In 2023, Greenland officially opened a representative office in Beijing, with Greenlandic Minister of Foreign Affairs Vivian Motzfeldt saying, “Greenland is looking forward to strengthening our trade relations and diplomatic ties with China.”
The opening was delayed following the COVID-19 pandemic.

中国国家メディアは、”グリーンランドへの中国の投資は、(グリーンランドの)独立に叶うものだ”、と煽る報道を展開し、中国は足場を作るため多くの努力を払ってきたが、それは中国の安全保障を示すものだった。しかし、グリーンランド採掘への投資入札やKangilinnguit(発音は不明)の投棄された海軍基地の購入、そして中国の国家起業によるグリーンランド空港への投資入札、等は拒絶されてきた。

中国共産党は、グリーンランドで中国文化を広める事には成功し、中国共産党の考えを海外に広めている。2023年には、グリーンランドは北京に代表事務所を公式に開き、グリーンランドの外務大臣のVivian Motzfeldt(ヴィヴィアン・モーツフェルド)は、「グリーンランドは、中国との貿易関係と外交関係の強化する事を望んでいる。」と述べている。
この事務所の開所はCOVID-19のため遅れた。

ここまでこの記事を読み進めて、みなさんは中国のグリーンランド進出をどう感じただろうか?私は、想像をはるかに超えて、中国はグリーンランドそして北極圏への侵入を進めている、と感じた。だから、トランプ大統領のグリーンランド購入発言は、確かに、中国の封じ込みとアメリカ自由貿易と安全保障のため必須だと改めて感じた。

5.ロシア側の反応

さらに、ロシア側の反応が報道されているが、意外な事に、このグリーンランド買収を歓迎しているようだ。ただしその真意は分からない。


6.最新の閣僚指名

を以下リンクを張っておく。(12/21更新)


最後に、これまでのところトランプ政権が公言している政策をいかにまとめてみる。

1.国内の治安回復と麻薬対策 (国境ツァーを指名)

不法移民の国外追放
アメリカ国内への麻薬密輸撲滅のためカナダとメキシコへの関税圧力
中国に対しては上記と合わせて、技術盗用の防止、特許権の厳守も要求
さらに、中国のアメリカ国内の土地買収(農地、軍基地周辺の土地等)の禁止、あるいは、購入済の土地に対しても対抗策をとるかもしれない
国境の壁延長とドローン等での監視

2.国民の貧困撲滅と救済       

退役軍人、軍人、警官、消防官、国境警備隊、沿岸警備隊等の優遇
災害避難民の救済
コロナワクチンの強制接種拒否者の職場復帰 (軍人、警察等の公務員)
1/6逮捕者の名誉回復と補償
1/6調査委員会の政治的偏向の摘発 (共和党のリズ・チェイニーを含め、民主党のナンシー・ペロシ前下院議長等の告発)

3.男女の性尊重   
トランスジェンダー実践者の軍隊からの追放(約20名の高官がトランスジェンダーを公言し、女装しているらしい)
女子スポーツへの参加禁止、CRT(クリティカル・レース・セオリー)教育強制の禁止 

4.不正投票の防止(州の管轄権)

投票のID提示義務化と国内の郵便投票の禁止
電子投票の禁止と投票の紙化
即日開票の徹底

5.ディープステートの摘出と政府機関からの排除 
司法省、CIA、FBI、国土安全局等をキャッシュ・パテルFBI新長官が協力に進めるだろう。(仮に議会が任命拒否しても、トランプ大統領はRecess Appointment(議会休会中の大統領特権の任命)をすると私は予想する)

6. 国連機関への支援金停止と離脱 
UNRWA、WHO、場合によっては国連そのものからの脱退もあるかもしれない。その場合、まずニューヨークの国連ビルからの立ち退きを要求するはずだし、新しいアメリカ連合機関の設立を目指すかもしれない。(今の日本政府のままなら、お呼びはかからないだろうが)

7. SDGsと気候変動対策の破棄(パリ議定から脱退)
アメリカ保守派の大多数は、気候変動は左翼学者のでっち上げだ、との主張。少なくとも、気候変動防止運動で、最も恩恵にあずかってきたのが、太陽光パネル製造、バッテリーとEV製造で中国という事は事実。風力タービンは欧州メーカがほぼ独占はしているものの、それほど販売は伸びていない。さらに、アメリカ民主党政権は、中国に二酸化炭素排出の削減の見返りに貿易条件の見直しを飲まされてきたのが実態だ。


8.国内のエネルギー産業の復活で国内産業と農業育成
フラッキング採掘の再開と加速
キーストーンXLパイプラインの再稼働
”By American”の徹底 (輸入品への関税障壁)

9.その他
AI開発 (これも対中国施策の一つのはず)
レガシー・メディア対策と新メディア立ち上げ

10.国際関係
中国共産党の封じ込め(パナマ運河、グリーンランド購入他)
敵側か味方側か踏み絵を踏ませる(日本も腹を据える時)
ウクライナ停戦(ウクライナへの支援金はアメリカ国内に向ける)
イラン制裁強化でイスラエルの存立保障
北朝鮮の脅威除去(ロシアへの圧力で北朝鮮支援を辞めさせる)

他にも私の見落としがあるかもしれないので、教えてもらえるとありがたいです。


付録(注記)

注 1) パナマ運河の生い立ちと所有権の変遷

以下、WiKiの引用。(日本語版)

元はパナマ地域はコロンビア領だったが、1903年11月3日、コロンビアから独立を宣言して「パナマ共和国」となり、時のアメリカ合衆国大統領セオドア・ルーズベルト(共和党)は、10日後の11月13日国家の承認をし、5日後の11月18日にはパナマ運河条約を結び、運河の建設権と関連地区の永久租借権などを取得し、建設工事に着手した[20]

運河建設には、アメリカ資本が3億ドル以上を投入し、1905年に工事を開始、1914年8月15日に開通した大西洋(カリブ海)と太平洋とを繋ぐ運河だ。この時、運河収入はパナマに帰属するが、運河地帯の施政権と運河の管理権は、アメリカ合衆国に帰属した。
後1999年12月31日正午にパナマへ完全返還された。現在はパナマ運河庁 (ACP) が管理し、通航料を徴収している[1]国際運河で船籍や軍民を問わず通航が保証された。

後、1968年の軍事クーデターによってオマル・トリホスが権力を握ると、国粋主義的な方針を取るトリホス政権は運河の完全返還を強く主張するようになった。これを契機にアメリカ合衆国と返還をめぐる協議が始まり、1977年ジミー・カーター大統領の時代に新パナマ運河条約が締結された[26]。新条約では、恒久的に中立無差別な通航が保証される国際運河であることの再確認と引き換えに、まず1979年に主権をパナマに返還し、アメリカ合衆国の海外領土としての運河地帯を法的に消滅させた。その時点から20年間は運河の管理を両国共同で行うこととされ、1999年12月31日にビル・クリントン政権は全ての施設をパナマ共和国に返還し、アメリカ軍は完全に撤退した。

WiKi日本語版

このパナマ運河の経緯をざっくり言うと、共和党が建設し、民主党が売った、という見方ができそうだ。

では、何故パナマ返還から25年もたった今、トランプ大統領はパナマ運河の管理権を取り戻そうとしているのか?ごく大雑把に言うと、パナマ運河の経済的、国防的重要性と、なによりパナマ運河管理会社の中国共産党支配が進んでしまった事だ。すでにパナマ運河の実権は中国共産党が握っているのだ。だからころ、トランプ大統領は、対中国政策のためにこそ、パナマ運河を取り戻そうとしているのだ、と私は考える。

FOXニュースの報道では、パナマ運河のコントロールはアメリカにとり絶対に必要だ、とのトランプ発言を紹介している。


注 2) ジブラルタル海峡
地中海と大西洋を繋ぐジブラルタル海峡の北岸(スペイン側)は、今でもイギリス領だ。 以下、WiKi(日本語版)からの抜粋。

1704年8月4日 イギリス・オランダの連合艦隊の支援のもと、オーストリア軍人のゲオルク・フォン・ヘッセン指揮下の海兵隊が、ジブラルタルに上陸占領した。同年8月24日、スパインのマラガ沖で、フランス・スペインの連合艦隊がイギリス・オランダ連合艦隊に海戦を挑み、損害は与えたものの、ジブラルタルの奪還はできなかった。結果、1713年4月11日にユトレヒト条約が結ばれ、戦争終結とジブラルタルのイギリス統治が認められた。2015年の統計では人口32千人で、総面積6.5平方kmでイギリス総督と首相をおき、チャールズ3世を君主とするイギリス領のままである。


注 3) スエズ運河
パナマ運河と同様に世界の海運のチョークポイントであるスエズ運河は紅海と地中海を繋ぐ運河で、現在はエジプトの国営スエズ運河庁(SCA)によって運営・維持されている。(1956年10月から11月にかけてのスエズ危機で、当時のナーセル大統領はスエズ駐留イギリス軍の完全撤退とエジプト国有化を宣言し、これに対してイスラエル・イギリス・フランスはスエズ運河地帯を占領したが、後に撤退し、エジプトの運河国有化を認めた。

注 4) 大圏コース(The Great Circle Course)
The American Heritage Dictionary からの引用

1. A circle described by the intersection of the surface of a sphere with a plane passing through the center of the sphere.
2. A segment of such a circle representing the shortest distance between two terrestrial points.

The American Heritage Dictionary
  1.  大圏とは、球体表面の任意の2点と球体の中心点を通る平面で、球体を切った時の球体上の曲線を意味する。

  2.  この大圏がその2点を結ぶ球体表面の最短距離になる。

これを図示すると以下の図のようになる。

辞書の参考図に筆者が追記した図

注 5) ウイリアムHスワード国務長官

スワード国務長官は、1861年にエイブラハム・リンカーン大統領によって国務長官に指名された。リンカーン大統領の暗殺後、副大統領から大統領に就任したAndrew Johnson大統領の政権1869年まで計8年間この職を務めた。

主要な業績に、1867年3月30日当時のロシアから720万ドル(スワード国務長官の最初の提案は500万ドルだったが、その後の交渉で220万ドル値上げされた)でアラスカを購入した事があげられる。アラスカは150万平方kmと広大な土地でテキサス州のおよそ2倍の広さがある。購入価格は1エーカ(4平方km)当たりわずか2セントだった。しかし当時はアメリカ国内からは「スワードの愚行」などと嘲笑う事もあった。しかし仮に、このスワードのアラスカ買収がなかったら、今日のアメリカの盛隆はなかっただろうし、カナダ北がロシア領でありアメリカの国防は成り立っていなかっただろう。

注 6) The EPOC TIMES (エポック・タイムズ)
ニューヨークに本社をおく独立系メディアで、中国語(簡体字と繁体字)、日本語版、さらに東南アジア、欧州、も電子版新聞を発行している。中国語と日本語版では”大紀元時報”という名前を使っている。また、NTD News (新唐人テレビ)も運営し、私は英語版を視聴している。我が国やアメリカのレガシー・メディアに比べて、トランプ支持を鮮明にしている。

以下、Wikiからの引用。

中国で活動を禁止されている新興宗教法輪功[3][4]関係者が中心となって発刊している。中国政府に強く批判的な報道で知られ、2020年アメリカ大統領選挙の選挙不正を主張している(#2020年アメリカ大統領選挙の陰謀論)ことでも知られる[5][6]。また、ヨーロッパ州保守政党やアメリカのドナルド・トランプ元大統領を支持することで、近年、急速に拡大をとげた[7]。エポック・メディア・グループはまた映像テレビ部門、新唐人テレビ(NTD)も運営している。




いいなと思ったら応援しよう!