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『虎に翼』もうひとつのメタファー

 最近、“ある人物が日本国憲法のメタファーだった”と話題になりました。私もそう解釈しましたが、同時に他のメタファーも存在すると考えています。

  • 朝鮮人という「人種」によって差別された최 향숙チェ・ヒャンスク(=崔香淑さいこうしゅく

  • 男性優位社会への叛逆という「信条」によって差別された山田やまだよね

  • 女という「性別」によって差別された猪爪寅子いのつめともこ

  • 妻という「社会的身分」によって差別された大庭梅子おおばうめこ

  • 華族という「門地」によって差別された桜川涼子さくらがわりょうこ

 女子部5人組は、日本国憲法14条1項のメタファーではないでしょうか。


【追記】

 本稿公開の時点では見落としていましたが、制作統括とプロデューサーへのインタビュー記事が公開されていました(2024年6月5日付)。どうやら、私の解釈は、大雑把にみれば当たっていたといえそうです。

作中で登場する、朝鮮半島から来た留学生の崔香淑や3人の子どもがいる大庭梅子、華族の令嬢の桜川涼子、貧しい農家出身の山田よねなどのキャラクターは、そうした史実と、憲法第14条の「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」という文言をリンクさせて造形されています。

NewsPicks|【虎に翼】制作現場を支える、共感型リーダーと意思決定層の女性たち(2024年8月25日閲覧)

以上

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