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【本編12】出る杭を求む!(火曜日の朝)
翌朝、なぜかはわかりませんが私は元気でした。なぜかはわかりませんが、昨夜、「会社を辞めなければ」とまで思い詰めたことがまるで嘘のように、本当に元気でした。
そして、ソニーがその昔、新人募集のために掲載した新聞の全面広告を思い出していました。
「出るクイ」を求む!
確かそんな広告でした。
昨日、私のメルマガへの反応は全くありませんでした。いい歳をして情熱丸出しの熱苦しい文章を書いてしまった。だったら… だったら、もっと恥ずかしい文章を書いてやれ!会社に向かう電車の中で、なぜかそう思ったのです。
会社に着くと早速メールを立ち上げ、メールを書き始めました。昨日のメルマガの編集後記の続き、ということがわかるようにメールのタイトルを「編集後記の後記」とし、続けて「出る杭を求む!」と書きました。昨日よりさらに熱苦しいメルマガを、今回はロクに推敲もせず、ロクに躊躇もせず全社に向けて発信したのです。
数分後、今度はすぐに読者からの反応がありました。それも、私が書いた文章よりもさらに熱い、青春丸だしのような文章が返ってきたのです。私だけでなく、メルマガの読者全員を宛先に入れて。
MoMo SE 様
CCの皆様
お疲れ様です。
●●事業本部のFです。
私はMoMo SEさんの活動は本当に素晴らしい活動だと捉えています。
できるなら、全社展開して頂きたいほどの内容です。
「出る杭」、いいじゃないですか。
私などは「叩きたい人は、叩けるだけ、叩けばいい」と思っていますよ。
叩かれたことを問題と捉えて、叩いた人、叩かれた人、双方がWin-Winの関係が築けるような解決策を考え出し、提案してみせるから。
私は管理職の方にも、よく考えて頂きたいと思う。
対話会でも日常の現場でも何でも、誰かに何か言われたら、ただ叩くのではなく、共に考える時間を持とうとする姿勢を大切にして欲しい。
社員が管理職に何か言っても、管理職は考えないし、行動しない。
「言われたことそのものが問題ではないのか」と疑うこと。
職位に関係なく、発言した(行動した)者と共に考えてゆく姿勢。
管理職が一般社員に何か言っても、社員は考えないし、行動しない。
そういう相手の行動に応えられないような、信頼関係・協調関係を築けない組織が成長し続けることなどありえないでしょう。
どれだけの人がMoMo SEさんのような行動を起こしている方に声をかけているのか、私は知らないけれども、私は、自分が働くこの会社の管理職の方には、このような「行動」を起こした者に一言声をかけてあげられる管理者であってほしいと思う。
共に会社を良くしてゆこうとする仲間として、一言声をかけて欲しい。
叱咤激励でも感想でもなんでもいい。
MoMo SEさん、私も問題意識を持ち続けます。
そして、私では今はまだ解決できないような問題も、MoMo SEさんのように周りを啓発しながら、自分自身が成長して解決できるよう、考えながら行動してゆきたいと思います。
本当に勇気ある素晴らしいチャレンジ精神、これこそ組織変革の精神じゃないですか。
私も現場には絶望してばかりでしたが、同じように現場でがんばっているMoMo SEさんの姿を見て私も絶対に「折れてなるものか」と勇気付けられました。
だから、私自身もあなたを勇気付けられる存在でありたい。
私は、あなたの行動に積極的に協力させて頂きます。
一緒にがんばってこの会社をよりよく変えてゆきましょう。
1年後、2年後、10年後、20年後…
いつまでもこの会社が成長し続ける企業であることを心から願ってこのメールを送ります。
そして、このメールに反応して、たくさんの読者から返事が届き始めたのです。
「私も応援しています!」
「私も仲間に交ぜてください !」
「私も一緒にやります!」
「私にも何か手伝わせてください!」
その日のうちに17名もの皆さんから返事が届きました。もちろん私は、元気を取り戻していたのです。