MoMo SE

豊洲のIT企業で組織開発に携わっています。 2006年、組織風土に問題を感じ社員を元気…

MoMo SE

豊洲のIT企業で組織開発に携わっています。 2006年、組織風土に問題を感じ社員を元気にするためのメルマガを始め、7千人を超える読者を獲得しました。 その後、SEとして20年以上開発の現場にいた私が組織開発の道に進むのですが... よかったら【本編1】から順にお読みください。

最近の記事

  • 固定された記事

「無冠の帝王」という生き方(組織開発への道)

 『あしたのジョー』を知る人もかなり少なくなっていると思います。漫画の雑誌連載が終わったのが1973年、アニメが最後にテレビ放映されたのは1981年。仮に、そういったストーリーが理解できる年齢が3歳だとしたら、2023年時点で45歳以下の皆さんはリアルタイムでは触れていなかったことになります。  題名くらいは聞いたことがある人は、若い世代でもそれなりに存在していると思います。しかし、あしたのジョーに登場するカーロス・リベラのこととなったら、どのくらいの方がご存じでしょうか。

    • 【本編25】組織開発が本業になる

       経営企画部のT課長やコンサルタントのMさんとの険悪なやり取りの後、私は嫌な気持ちを引きずったまま、その夜の用事である組織開発のワークショップへと向かいました。  U理論でお馴染みのNさんが主催するワークショップでした。  ワークショップでは、旅行代理店で組織風土改革を推進している女性課長と同じグループになりました。先ほどの件もあったため、私は彼女に聞いてみました。 「風土改革はなかなかうまくいかない場合が多いと思いますが、どうやって乗り越えていますか?」 「私のとこ

      • 【本編24】経営企画部と決裂する

         メルマガを始めて1年ほどした頃から、経営企画部のT課長とは月に一度は会って呑むようになっていました。  本社勤務の経験がなく、開発現場でSEとしての日々を黙々と送っていた私にはT課長から聞く本社の話、経営幹部たちの話は新鮮で刺激的でした。  会社を変革していきたい!といつも熱く語ってくれるT課長のことは陰ながら応援しようと思っていました。  実際、メルマガで援護射撃を撃つことも少なからずありました。  そんな関係が一年くらい続いていました。そして、その頃には「そろそ

        • 【本編23】組織風土改革

           メルマガを始めたことにより、副社長をはじめとした様々な皆さんと出会い、賞賛もされていたのですが、そのことに対してなんとなくしっくりしていない自分がいました。  売上や利益があるわけではないし、開発の生産性や品質にも寄与していない。そんな私の活動がこんなに賞賛されてよいものなのか?会社に対して目にみえる貢献をしていないことに居心地の悪さを感じていたのです。  そんな折、スコラ・コンサルトの柴田昌治さんの書籍に出会ったことが大きな転機となりました。 『トヨタ式最強の経営』

        • 固定された記事

        「無冠の帝王」という生き方(組織開発への道)

          【本編22】U理論との出会い

           本編19の「メルマガ挨拶騒動」に登場したOさんから、こんなお誘いがありました。 「MoMo SEさんに是非ご紹介したい人がいます。このようなメルマガを発行しているMoMo SEさんにはきっとお役に立てるはず。彼の主催しているワークショップに今度私と一緒に参加しませんか」  メルマガを始めた当時の私は、日々ネタ探しに勤しんでおりました。情報に飢え、人脈の拡大に燃え、好奇心に満ち溢れていました。だから、喜んでそのワークショップに参加することにしました。  そのワークショッ

          【本編22】U理論との出会い

          【本編21】伝説のオフサイトミーティング

           副社長と女性社員との懇親会の成功で勇気を得た私は、次のイベントを仕掛けました。  当時の私はシステム開発の現場にいて、外部組織からの連絡窓口を担う立場にいました。本社の経営企画部やら人事部やら品質保証部やら、あるいは事業本部の企画部やら、各種施策を現場に展開している部署から降ってくる指示文書の類を、要件に応じて課長等に振り分ける役割を担っていたのです。  日常業務で忙しい課長たちにとっては、本社からの宿題は基本的に迷惑な存在であり、一方で本社は(当たり前ですけど)期限が

          【本編21】伝説のオフサイトミーティング

          【本編20】副社長との最初の呑み会

           Y副社長とはメールのやり取りはしていたものの、実際にお会いしたことはありませんでした。  そんな折、同じ担当の女性社員がこんな話をしてきたのです。 「MoMo SEさん! 今度私、Y副社長との飲み会に参加できることになったんです」 「え?どんな飲み会?」 「副社長を囲む女性社員の会なのですが、50名ぐらいの社員で副社長を囲む立食パーティーです」  ああ、なあんだ、というのが私の素直な感想でした。Y副社長は白髪で身長も180cm以上あるダンディーな方で次期社長とも目

          【本編20】副社長との最初の呑み会

          【本編19】メルマガ挨拶騒動

           メルマガとは言いつつ、宛先をメーリングリストにしているのがミソでした。つまり、読者の方がメールを返信すれば読者全員にそのメールが届くわけです。そのことにより、いくつかの事件(?)が起きました。  たとえばこんなこと。  その頃、他社で私と同じようにメルマガを発行していたO部長という方がいました。私のメルマガは概ね月一で発行していましたが、Oさんのメルマガはほぼ毎日発行されていました。情報交換のため、お互いのメルマガをお互いに送りあっていたのでした。  そのOさんが、当

          【本編19】メルマガ挨拶騒動

          【本編18】ひとりぼっちの娘

           メルマガの活動が順調に進み、仲間も増え、社長、副社長、常務等の経営幹部たちからも賞賛の言葉をいただき、コンサル会社主催のセミナーで講演をしたことにより社外の皆さんからも絶賛されるし、私は有頂天になりかけていました。  全社メルマガを始めて3ヶ月が過ぎた頃、ふと思い立って私は娘に感謝の気持ちを伝えました。満面の笑みを浮かべて。 「お父さんなあ、T(娘)の福祉標語のお陰で、たくさんの人たちから誉められたんだよ。あの標語には助けられたよ」  すると娘は、なぜかうつ向いてしま

          【本編18】ひとりぼっちの娘

          【本編17】メルマガ編集会議

           メルマガを全社に発信した後の怒涛の1週間が過ぎ、ようやく私の生活にも平穏が訪れていました。メルマガ編集作業も順調に軌道に乗っていました。月に10冊ぐらいのビジネス書を読み、日夜せっせと記事を書いていました。忙しいけど、充実した日々でした。  そして、リーダーシップ研修の同期や、メルマガに返信をくれた社員たちが仲間に加わってくれて、メルマガ編集会議も立ち上げることができました。  当初は15名。  その後、徐々に編集委員は増えていったのですが、その出会いも「シンクロニシ

          【本編17】メルマガ編集会議

          【本編16】娘の標語に泣く(金曜日)

           夜22時頃まで仕事をしていると、例のH課長が私の席まで来て話しかけてきました。 「水曜日の組織長との対話はどうだったんですか?」  私がここでは言いにくいという旨を告げると、 「だったら、今から呑みに行きませんか?」 と、神楽坂にある居酒屋まで二人で呑みに行くことになりました。組織長から「お前の人事評価はゼロだ!」と怒鳴られたことも含め、赤裸々にあの日の出来事を語ると、H課長は携帯電話を取り出し、職場でまだ働いている他の課長たちに電話をかけ始めました。 「MoMo

          【本編16】娘の標語に泣く(金曜日)

          【余談6】シンクロニシティ

           【本編16】の金曜日の話に入る前に触れておきたい話があります。  ご紹介してきたように、全社メルマガの発行を決意してから1ヶ月くらいの間に、私の背中を押すような出来事が次々と起こり、そして発行後の1週間には怒涛の如く毎日何かが起きていました。忘れられない一連の出来事。私はあまりにも不思議な偶然が続くので、後に会社の後輩にこの話をしたところ、 「MoMo SEさん、それはシンクロニシティですよ」 と言われたのです。 「シンクロニシティ?」  当時の私は、「シンクロニ

          【余談6】シンクロニシティ

          【本編15】校長からの電話(木曜日)

           組織長との間にはまだまだシコリは残っていましたが、翌日も何事もなかったように仕事をしていました。そんな中、家内から携帯に電話が入ったのです。 「T(娘)の小学校の校長先生から家に電話が来たの」 「え!校長先生から?なんだろう?まさか何か悪いことでも?」  娘はお転婆だったこともあり、小さい頃からよく怪我をしていました。今回も何か事故にでも遭ったのではないかと、私は心配になりました。 「あ、違うの。Tが書いた福祉標語が、全校の代表に選ばれたんだって!」  娘の福祉標

          【本編15】校長からの電話(木曜日)

          【本編14】組織長との激論(水曜日)

           組織長の秘書に時間をもらい、組織長と二人で応接室に入りました。  私のタダならぬ雰囲気に、組織長は私が何を話そうとしているのか察しているようでした。私の心臓はバクバクしていました。  私はダメ元で、まずは要員増をお願いしました。 「たった一人でもいいんです。そうすれば私たちで何とかしますので」  組織長の答えはノーでした。 「今回の件がなくても、手順書を直すのは当然の作業だろう。当然の作業を実施するためにいちいち要員を増やすわけにはいかない」  上司の意向に逆ら

          【本編14】組織長との激論(水曜日)

          【本編13】リアルな風土改革に着手(火曜日)

           メルマガの読者からの反応で元気も勇気も得た私は、自分の職場のリアルな風土改革に向けて行動を始めることにしました。  前述の通り、私の職場は慢性的な長時間労働に悩まされていました。お客様の要求が厳しいということもありましたが、圧倒的に要員が不足していました。  そんな状況にも関わらず、組織長の方針でアメリカのカーネギーメロン大学が作成したXXXX(固有名詞は伏せます)という組織のプロジェクトマネジメントに関する認証を取得しようとしており、それが長時間労働に拍車をかけていたの

          【本編13】リアルな風土改革に着手(火曜日)

          【本編12】出る杭を求む!(火曜日の朝)

           翌朝、なぜかはわかりませんが私は元気でした。なぜかはわかりませんが、昨夜、「会社を辞めなければ」とまで思い詰めたことがまるで嘘のように、本当に元気でした。  そして、ソニーがその昔、新人募集のために掲載した新聞の全面広告を思い出していました。  「出るクイ」を求む!  確かそんな広告でした。  昨日、私のメルマガへの反応は全くありませんでした。いい歳をして情熱丸出しの熱苦しい文章を書いてしまった。だったら… だったら、もっと恥ずかしい文章を書いてやれ!会社に向かう電

          【本編12】出る杭を求む!(火曜日の朝)