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教室よりも、茶室が唯一の学校の居場所だった①

部活では中学で茶道部、高校で茶華道部に所属していました。

中学の部活の話をしていきたいと思います。

中学の頃、最初は茶道部って何だろうと興味がありました。見学をしてみたら、とても落ち着いていて、人も少なくていいなと思い、入部することになりました。

茶道にはそれぞれ流派があります。千利休の子孫たちがつくった流派「裏千家」、「表千家」、「武者小路千家」がやはり一番代表的です。

私は「玉川遠州流(ぎょくせんえんしゅうりゅう)」という京都宮家の流派を習いました。
ゆったりとした動きで、雅やかな所作が特徴な流派です。

1つ1つの所作を覚えることは難しいと思いますが、日本の伝統文化にふれて心が豊かになること、人を思いやる気持ちを高めてくれるので、「茶道」はとても奥深いです。

学校の教室ではうまく馴染めなくて何となく居心地が悪かったのですが、部活で活動する茶室が私にとって唯一楽しいと思える場所でした。

茶室だけでなく、市のお茶会に行って浴衣を着ながらお点前を披露したこともありました。人前で披露するのは緊張しましたが、見てくれた人たちが素敵なお点前だと言ってくれてとても嬉しい気持ちになりました。

4、5人くらいの少ない人数の中でも先輩や講師の先生が優しく教えてくれて、時々雑談もして、心があったかく感じました。

私と一緒に入部してきた1人の同級生とも仲良くなり、先輩たちが卒業した後、かわいい後輩たちが入部してくれました。

こんな不器用な私でも後輩たちは自分のことを慕ってくれていたことが、本当に心の底から嬉しかったです。部活が終わった帰り、一緒に皆で帰った日々は今でもよく覚えています。

先輩たちが卒業し、中学3年になると私は部活の部長になりました。

プレッシャーを感じましたが、穏やかな部活だったので普段通りに活動することができました。(他の部活で部長になってたらくじけていたかと思います…。)

中学3年の冬、そろそろ引退となり、卒業前恒例の部活のお別れ会に参加し、一緒に遊んだりお菓子を食べたりなど皆で楽しく過ごしました。

この日が私の部活動として最後の活動となりました。

月日が経ち、卒業を迎えて在校生の花道を通った時、後輩たちがいて「今までありがとうございました。」と花束と手紙を渡してくれました。

その時の後輩たちの顔は泣きそうな顔を浮かべながらも、笑顔で迎えてくれました。

私も泣きそうになりましたが、笑顔で「ありがとう。」と応えて、自分も書いておいた手紙を後輩たちに渡しました。

家に帰って手紙を読んだ時、後輩たちの感謝の気持ちや愛が感じられて、涙が溢れました。

畳の匂いと、お茶の味、部長になった私を支えてくれた同級生、先輩や後輩、先生と過ごしたあの茶室が、今でも忘れられないです。


次回、高校の頃のお話も書いていきたいと思います。




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