【大阪】自安寺妙見宮朝参の図
自安寺は 道頓堀の南にありて、此寺中の 妙見宮 はその霊験 著明しく、江南の繁花につきて、昼夜詣人絶ず。
就中 衆愛を 願わんとて、俳優および娼妓の輩 信仰なすこと朝まだきより夜は更る迄、柾下駄の音 絶る閑なく、線香のけふりは 檀上 の 荘厳を覆ひ、奉納の 提灯 は贔屓/\の顔に 輝く。月々午の日の群参いわんかたなく、是みな 妙見 の二字によるものならん歟。
※ 「柾下駄」は、柾目の木で作られた下駄のこと。柾目⇔板目。
目数の多い物ほど良い下駄とされ、中でも背中合わせに木取りした柾目は合目と呼ばれ、左右対称性が高く上質の下駄になるそうです。
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