【観音霊験記 秩父巡礼】第五番小川山語歌寺/本間孫八 6 mominaina 2024年7月8日 20:23 出典:国立国会図書館デジタルコレクション『観音霊験記 秩父巡礼第五番小川山語歌寺 本間孫八』観音霊験記 秩父順禮ちゝぶじゆんれい 第五番 小川山をがはさん語歌寺ごがでら 父母ちゝはゝの めぐみもふかき 語歌ごがの堂だう 大慈だいじ大悲だいひの 誓ちかひたのもし奉額 慈悲じひの眼めに 捨すてる草くさなし 露つゆの秋あき本間ほんま孫八まごはち當寺たうじの大檀那おほだんな孫まご八は、其その家いへ富貴ふつきなれども、かゝる邊鄙へんびに生うまれて、和歌わかの道みちを知しらざれば、これを深ふかく悲かなしみて此この堂だうに通夜つやをし、和歌わかの道みちを祈いのりければふしぎと旅たび僧そう来きたりて共ともに通夜つやをし、終夜よもすがら、歌うたの奥儀おうぎを語かたり、又また、片岡かたおか山やまの化人けじんの歌うたを講こうじなぞして、暁あかつきにはかき消けすやうに失うせけるゆへ、孫まご八、旅僧たびそうは救世ぐせ大士だいしの應化おうげなることを知しつて、則すなはち、語歌堂ごかだうと名なづけぬ。※ 「通夜つや」は、ここでは夜通し、一晩中の意。※ 「救世ぐせ大士だいし」は、観音菩薩のこと。※ 「應化おうげ」は、仏語。菩薩が世の人を救うために、相手の性質や力量に応じて姿を変えて現れること。応化おうげ。また、信濃国しなのゝくにの綿わたづみの老女ろうぢよ、娘むすめを魔鳥まちやうに捕とらはれて、心こゝろ狂くるひながら此この本尊ほんぞんを祈いのりければ、二十八部ぶ衆しうに命めいじて 取反とりかへ●しあたへ玉ふがゆへ、俗ぞくに子反こがへしの観音くわんおんともいへり。※ 「二十八部ぶ衆しう」は、千手観音の眷属けんぞくの二十八の善神のこと。筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖 ダウンロード copy #古文 #古文書 #観音菩薩 #秩父札所 #二十八部衆 #観音霊験記 #観音霊験記秩父巡礼 #語歌堂 #小川山語歌寺 #本間孫八 #救世大士 6