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対馬国 海鼠取之図 海鼠製之図

対馬国 海鼠取之図

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『大日本物産圖會 第2帖

生海鼡なまこ熱海鼡いりこ金海鼡きんこ海鼡膓このわた、複数の製法ありて、皇国渚洲より出すといへども、支那には甚稀にして、最も称●すといへり。沖中にて漁するには、舩のともにあみをつけてはしれば、自然と入なり。海底の石につきたるをとるには、熱生鼡の汁、又は、鯨のあぶらを水面に流せば、水底透明すきとほりて見える然して、たまあみにて是をすくふなり。

熱生鼡の汁又は鯨のあぶらを水面に流せば
水底透明りて
たまあみにて是をすくふなり


対馬国 海鼠製之図

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『大日本物産圖會 第2帖

熱海鼡いりこを製するには、●中三條の膓をぬき、から鍋に入て、つよき火にて煮ること、一日一夜にしてとりいだし、冷るをうかゞひ、糸にてつなぎて、乾す。又、竹にさしてほしたるを、串海鼡といふ。海鼡膓は、ぬきたるこのわたを、潮水にて数へんあらひ、塩に和して収むるなり。芡色にひかりありて、琥珀こはくのごときものを上品とす。黒みあるは下ひんなり。

空鍋に入てつよき火にて煮ること一日一夜にしてとりいだし
冷るを候ひ糸にてつなぎて乾す
ぬきたるこのわたを潮水にて数へんあらひ
塩に和して収むるなり

赤なまこ
Photo by mominaina



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